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東方剣士、配管工ブラザーズと面会する

「失礼する」


 非常に気乗りしないが、これも仕事だ。

 俺は割り切って、入室する。


 だんごっ鼻に、口ヒゲ。

 青いツナギを着たオッサンが二人、そこにいた。


「「ホッホ~~ゥ」」


 ……。


 ツナギの下は、色違いのシャツを着て、シャツに合わせた帽子を被っている。


 オレンジ色の方が、Aの帽子。

 モスグリーンの方は、L。






 うん。



 世界一有名な、配管工ブラザーズのパチモンにしか見えない。


「本日、地下の作業中護衛を担当する。

 修復箇所の発見者は私だ。宜しく頼む」


 事務的に、必要事項を伝える。

 絶対に笑ってはいけない。年末じゃないが、笑ったらアウトだ。

 笑ってない。俺はクールな東方剣士。

 決して口の端がヒクヒクなどしていない。しているものか。


「ァマ~~~~~ッリォ!」

「ルイ~~~~~~~~~~ッニ!」


 二人は、甲高い巻き舌で自己紹介しつつ、握手を求めてきた。


 だめだ。空耳で本家の名前にしか聞こえない。


 俺は目礼で済ませる。剣士だからな。

 ハンケツもその場で目礼。

 こいつも必要なければしゃべらないタイプらしい。


「エルンストです! 今日はよろしくおねがいします!

 アマーリォさん、ルイニさん」


 陽気に握手を交わすエルンスト。

 それでいいのかエルンスト剣士として。


 ……まあいいか。

 二人を傍で護衛するのはエルンストだ。勝手に仲良くしてくれ。


「「ホッホ~~ゥ!」」


「それでは、みなさんよろしくおねがいします。

 終わりましたら、また私にお声掛けください。では」


 シスター去るの早っ。



 パタン。



 ドアが閉まった。



 頭痛くなってきた。

 まあいい。出入りの業者ということだし、腕の方は確かだろう。

 さっさと済ませてしまおう。


「では、アマーリオ殿、ルイニ殿、地下へと向かおうと思う」

「「ホッホ~~ゥ」」

「……。布陣について説明しよう。

 私が案内を兼ねて先行する。お二人は、その後をついてきて頂きたい。

 巡礼殿は、その後ろに。殿は、エルンスト殿だ。宜しいか」

「「ホッホ~~ゥ」」

「かしこまりました」

「はっはい! がんばります」


「では、各自、装備の確認を頼む。

 明かりは、アマーリオ殿、ルイニ殿、巡礼殿に頼みたい。

 我らは、襲撃に備える」

「「ホッホ~~ゥ」」

「かしこまりました」

「お任せくださいっ!」


 配管工ブラザーズ、威勢はいいけど、名乗った時以外、ホッホ~~ゥしか言ってない。

 本当に通じているんだろうか。


 とにかく準備だ。

 俺は特に装備変更はない。

 自動戦闘の設定で、味方への援護回復を加えるくらいだ。

 東方剣士自身は攻撃に徹することにして、アイシールドで援護するように設定した。


 準備を整えて、見渡す。


 おっ。いい感じ。

 それぞれ、ペットも出しているな。


 ハンケツが連れてるのは、初めて見る。




 ガウ


 まんまるビースト LV81





 まんまるビースト、か。


 ずんぐりむっくりの体型に、申し訳程度に手足が生えている。

 肉弾戦が得意そうだ。聖職者との相性は良さそうだな。






 エルンストが連れているのは、ラウドドラゴンか。




 ワーガ


 ラウドドラゴン LV60




 ラウドドラゴンは、大きな顔、というかほぼ口に、

 ちっちゃい身体のついた恐竜で、眠そうな目をしている。


 しかし、鈍重そうな見た目に惑わされて不用意に近づくと、痛い目を見る。

 ラウドドラゴンのスキル、ラウドボイスを喰らうと、あまりの声の大きさに痺れてしまうのだ。

 一応、指向性はあるが、味方に無害というわけでもないので注意を要する。


 注意点はあるが、状態異常付与の、良いペットだ。

 後で、ラウドボイスについては周知しよう。

 エルンストから言い出さなければ、俺から。


 そして、アマーリオとルイニの配管工ブラザーズだが……。



 ペットの前に。



 ……全身茶色で頭に葉っぱを乗せ、しっぽを生やしたヒゲのオッサンと、全身緑色のラバースーツを着て両手両足を地につけてカエル座りをしたヒゲのオッサンがそこにいた。



「ヒーーァウィゴーーーーー♪」

「ゲコ」


 何がヒァウィーゴーやねん。

 ルイニに至ってはカエルになりきってるし。


 もうやだ。


 スリーか。

 スリーなのか。


 このコスプレオッサンブラザーズ、本当に仕事できるのか。


 あ、で、一応ペット紹介。

 スターヴドラゴン二匹。


 スキルは、丸のみと産卵。

 超腹ペコで何でも食べます。

 たまに、卵産みます。卵の中身はランダムです。


 これくらいでいい?

 あ、名前?

 自主規制。察して。



「あっそうだ! 僕のペットなんですが、大きな声で吠えて、敵を痺れさせることができるんです。ただ、味方にも効いちゃうことがあるので、こいつが口を開いたら、耳を塞いでください。お願いします」


 おっ。

 エルンスト、自分で言えたか。


「承知」

「かしこまりました」

「マンマミーヤ!」

「ケロッ」

「……では、行くとしよう」


 こうして、不安だらけの大聖堂地下護衛任務が始まった。

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