東方剣士、地下での顛末を報告する
「えがったぁ~~♡」
ハァ~~、さっぱりさっぱり。
着替えを済ませ、浴場を出た。
いやー、サッパリした。
妙な苦労もあったけど、チェンジしないで風呂に入れて良かったぜ。
「どうですか? 汚れは落ちましたか?」
担当のシスターが、声を掛けてきた。
適切な距離感で。
おっと。
東方剣士らしくいこうか。
キリっとしてから、返答する。
「うむ。非常に良い風呂だった。馳走になった。お気遣い痛み入る」
ぺこり
「いえいえ。そんなに畏まらないでください」
慌てて両手を前に出し、ブルンブルンと首を振るシスター。
ブルンブルン。ブルンブルン。
……。
ハッ!
思わず目がおっぱいになってしまった。
仕方がないだろう!
しょうがないだろ!
おっぱいもブルンブルンしてたんだから!
コホン。
「それでは早速、本題に入ろう」
「あっ! そうですね。それでは、こちらでお聞きします」
そういってシスターは先に立って歩き出し、小部屋に案内してくれた。
「どうぞ、おかけになってください」
「うむ」
簡素な椅子が2脚と、テーブル。
若干取調室的なレイアウトだが、温かみがあって、重苦しい雰囲気ではないな。
面談室って感じだ。
「喉が渇いているでしょう。こちらをどうぞ」
シスターは、カップに入ったお茶を出してくれる。
「かたじけない」
受け取って、一口含む。
むっこれは。
「ハーブティーか」
「ええ。そうなんです。浴槽にも入っていたハーブで、リラックス効果とか、発汗作用とか、他にも色々あるそうですよ。私たちも愛飲しているんです」
なるほど。言われてみれば確かに、風呂で嗅いだのと同じ匂いがするな。
「いい香りでしょう。修行の一環で調合をしているんですけど、それでできたものを使っているんですよ」
「ほう。ではこれは貴殿が?」
「あ、いえいえ! そんな! 私じゃこんなにおいしく、しかも効果も高いものはできません。
先ほどの浴場と、このハーブティーは、私の先輩が調合したんです。もう長いこと修行されていて、私の憧れなんです」
そういって、シスターはハーブティーを飲み、ほうっとため息をつく。
どこか夢見心地だ。心の声が聞こえてきそうだ。
今、絶対「おねえさま……」って思ってるな。
「では、その方に礼を言っておいてくれないか。私が大変感謝していたと」
「はい! 良かったです、喜んで頂けて」
「うむ。お陰様で人心地ついた。本題に入ろう」
「そうでした! すみません、私ったら、すっかりくつろいでしまって」
ペコペコ。
ええんやで。
ただ胸元はもう少し、引き締めたものを着るんやで。
「それでは、まずはこちらをお納めください。
今回のねずみ退治、ありがとうございました」
じゃらっ。
皮袋に入った報酬を受け取った。
「かたじけない。討伐の過程で、ねずみの発生源と思しき場所に通り掛かったのだが、実は……」
俺は、地下の下水道で、配管が壊れたところから生ゴミが落ち、ねずみが群がっていたことを報告した。
「まあ、そんなことになっていたなんて。
それでは、またねずみが増えてしまいそうですね!
すぐに修理しないと」
「然り」
「では、早速手配致しましょう。ねずみ退治に加えて、原因の究明まで。今回は本当にありがとうございました!」
茶を飲み干し、カップを置いて、俺は言い添える。
「構わん。護衛には私も参加しよう」
「えっ、よろしいのですか!? ありがとうございます」
「うむ。乗りかかった船だ。最後まで付き合おう」
特にやるべきこともないしな。
俺が創った聖職者キャラを探すにも、大聖堂まわりで活動した方が良い。
「護衛は私が集めよう。修理する人員は、いつ頃手配できるだろうか」
「それなら、明日の朝までお待ち頂ければ」
「早いな」
「ええ。決まった方がいらっしゃいますので」
成程。まあそれもそうか。
「そうだ。明日の朝から、依頼の終了まで、ゴミが配管を通ることのないようにして頂きたい」
「ええ。承りました」
作業中にゴミが降ってきてはかなわんからな。
「宜しく頼む。では決まった。御免」
俺は大聖堂を辞し、PT募集のため、シンバツでのギルドへと向かった。




