表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/77

東方剣士、汚物を消毒する

 水音に続いて、重そうな何かが落ちる音。


 何が……何が起こってるんだ?

 マジこわいんですけどぉ!


 と、足元をねずみが横切っていく。

 松明を灯しているのに、お構いなしだ。


 ん?


 なんかおかしいぞ?



 物音がした方から逃げていくんじゃなくて、逆に向かって行ってるぞ。


 俺は恐る恐る、物音がした方へと進んでいく。

 すると……


 脇道が見つかった。

 ねずみたちは、そちらへ向かって入っていっている。



 ゴクリ。



 い、行ってみるか。


 自動迎撃モードがONになっているのを確認して、再び剣を抜き放って進んでいく。



 ピチョン、

 ピチョン



 また、水音だ。


 大丈夫。

 東方剣士は剣の達人だし、近づく奴は剣で斬るだけだ。


 それに、FBWにはゴースト系の敵もいたけど、普通に斬れたじゃないか。


 恐がることなんて何もない。


 行くぞ。


 自分を鼓舞して、じりじりと進んでいくと、下水道につながっていた。


 なんだ。

 そりゃ水音くらいはするか。


 よく考えたら、全然おかしくなかったな。


 拍子抜けした俺は、一気に全身から力が抜けた。


 ふぅ~~~。



 ……ん?

 でも待てよ。


 ドサッていう物音が何だったのか、結局まだ分かってないぞ。


 さらに先に進んでみると、ねずみたちの鳴き声が盛大に聞こえ始めた。


 なんだっていうんだ。


 松明で照らすと、何か大きな塊に、ねずみが群がっているのが見えた。


 明かりに照らされた無数のねずみたちの動きがピタッと止まり、一斉にこちらを向いてくる。


 こわっ。


 逃げるか、それともかかってくるか。


 息を凝らして待ち構える。


 ……。


 え?


 えぇ~~~~~~?



 害はないと見たか、ねずみたちは塊に向き直り、貪り始めた。


 うげっキモイ。


 これか。

 この塊が落ちてきたのか。


 なんだろう?

 よく見えないが、骨とかもチラホラ見えるような……。


 でも死体っていうよりこれは……。

 うん。


 生ゴミだな。


 なんか魚っぽいのやら、果物の皮らしいものとか、いろんな葉っぱの切れ端とかも見える。


 こんなもんどっから落ちてきたんだろう。


 ん~~。

 あ、あったあった。あそこか。



 ありゃ~。

 天井をはしってる配管が割れてる。

 察するに、大聖堂から出るゴミが、配管が割れてここで落っこちて、ねずみの大量発生につながってたんだな。


 幽霊の正体見たり枯れ尾花、なんていうけど、

 ねず公の原因見たりゴミ溢れ、ってか。


 だめだこりゃ。ただ五・七・五になってるだけだ。


 さあて、こんなもん見つけちゃったからには、大聖堂に報告だな。


 さすがに東方剣士は配管工じゃないから、いったん撤収して配管工に任せないと。

 赤や緑のツナギを着てなくてもいいから、配管工にな。


 よし。

 とりあえず100匹ねず公を狩る。


 ついでに、今あるゴミは焼却してしまおう。


「アイシールド」

「ギョル」


 呼び出しに応じ、闇の中から大きな一つ目の盾が浮かび上がる。


「焼却しろ」

「ギョイ」


 アイシールドの目が見開かれ、赤く光った。

 ってか今、何気に御意、って言った? 言ったよね?


 アイシールドの目から熱線が迸り、生ゴミを焼いていく。

 うげ、酷い臭いだ。


「ヒャッハー―――――! 汚物は消毒だ――――!」


 思わず、お約束を叫んでしまった。

 後悔はしていない。


 生ゴミが燃え上がり、引火してねずみたちも燃えていく。


「ハハハハハッ、みんなもえてしまえ!」


 サイコな巨大ロボに乗ったような気分になって、ついこんな言葉も出てくる。


「見ろ! ねずみがゴミのようだ」


 泡を喰って逃げ散っていくねずみ。

 だが甘い、甘いぞ!


「どこへ行こうというのかね?」


 こちらに向かってくるねずみは、自動迎撃で次々に斬り捨てる。


 討伐数は一気に80。


 奥に向かって行ったのを狩れば、それで終わりだな。


「追え、アイシールド。ゴミを見つけたら燃やせ」

「ギョイ」


 アイシールドは、スーッと宙をすべり、ねずみを追いかけていった。

 時折、熱線が迸っている。


 優秀なやつだな。



 ってか今さらだが、最初からペット出しとけば楽勝だったな。


 これにて一件落着、か。


 帰ろ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ