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東方剣士、意外な展開に悶々とする

 大聖堂に戻り、行き合ったシスターに、地下でのねずみ退治完了の報告をした。


「ありがとうございました。これでまたしばらくは大丈夫ですね」


 嬉しそうにしているシスター。

 だがちょっと待て。遠すぎないか。


「それでは、私は担当の者を呼んで参りますので、こちらで少々お待ちください」


 そそくさと立ち去っていく。

 足、早っ!


 わかってる、臭いんだろ。

 俺だって臭いよ。

 でもそれこっから出た生ゴミの臭いだかんな。


 待つことしばし。


 地下への道を案内してくれた、胸の大きいシスターがやってきて……だいぶ遠くで立ち止まった。

 オイ。


「この度は、ありがとうございました。

 東方さん、さぞお疲れでしょう。お風呂を用意しましたので、まずは疲れを取り、報酬の受け渡しなどはその後でいかがでしょう?」


 ニッコリスマイルで、そう勧めてくる。

 カワエエ。


「かたじけない」

「ではご案内します。こちらへ」


 でも分かってるぞ。

 本当は臭いから、早いとこ風呂に入って欲しいだけだろ。


 その証拠に、こっちが進むと、同じ分だけ距離を空けてるじゃないか。


 ちょっと早足で近付いてみる。



 スタタタタッ



 ススススススッ



 ……。



 スタタタタタタッ



 スススススススススッ



 ……。



 スタタタタタタタタタタタタタッタタタッタタタタタッ



 スススススススススススススススススススススススススッ



「フッ。フフフフフフ」

「オホホホホホホホホ」


 ……。


「よほどお疲れなのですね」

「大の風呂好きでな」


 貼り付けた笑顔で会話をしながら、二人して高速移動して、風呂場に向かった。


「ほら、もう着きましたよ」

「うむ。かたじけない」

「今の時間は、誰も使っていませんから、どうぞごゆっくり」


 桶に入った、タオルなどの入浴セットを指し示しながら遠ざかっていく巨乳シスターさん。


 さて……。




 風呂。





 風呂か。








 えっいや、風呂はまずいでしょう!


 入りたいけども。

 激しく入りたいけども。


 風呂っていったらだってアレでしょ。


 身体を洗って汚れを落とすところだよね。


 そりゃ今、非常に、ひじょ~~~~~~~~、に!

 臭いので、ひとっ風呂浴びて、サッパリしたい気分ではある。


 気分ではある、が。


 何せ、地下道で散々ねずみ相手に大立ち回りを演じて、下水につながってるところで汚物を消毒してきたんだからな!


 しかし、しかしだ。



 今、俺は東方剣士だ。



 風呂に入るには、まず衣服を脱ぎ去らなければならないわけで。


 さらにいえば、いくら今は一人で使えるからといって、大聖堂で持ち回りで使用しているらしき浴場、身体を洗わずに湯に浸かるというわけにも、いかないわけで。

 マナー的に、やっぱり。


 ラッキースケベ的な何かで、トイレにこんにちはしたことはあったけど。

 そんなまさか、そんなそんな、ダメだよ、やらしいよ。


 やはりここは、誰かにチェンジして、風呂から上がった頃を見計らって東方剣士に戻るのが、ベストではなかろうか。


 ん~~。

 でもなあ。なんかもったいないな。



 いや、違う違う違う違う違う、ちがうんだ。


 エロい意味でもったいないんじゃなくてダナ。


 だってせっかくチェンジしないで、ここまでがんばって苦労してねずみ退治したのに、その報告とか、風呂でサッパリするごほうびをオート任せってのは、ちょっと、ねぇ?



 いや待てよ。

 やらしいと思うからやらしいのか?


 そうだそうだ、きっとそうだ。

 そうだそうだクリームソーダ。


 こんなもん、ただちょっと柔らかくて、ただちょっと膨らんでる脂肪の塊じゃないか。

 気にするな。

 正面向いて、無になってればいけるはず!!


 それにほら、頃合いを見計らって戻るったって、うまくいくとは限らないし。

 むしろ、変なタイミングで戻って、「見せられないよ!」になってたら、まずいじゃない。


 それくらいなら、チェンジしないで、最初から最後まで気をつければ、ベター?

 ベターだよね、よね、よね?


 よし。

 覚悟は決まった。


 覚悟、完了。

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