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砂漠の大迷宮探索 ファラオとの戦闘

「やっほー♪ はやかったね♪」


 そういって出迎えるアン。


「きていたか。丁度いい。首飾りは入手した。このままファラオに挑む」


 淡々と告げ、ファラオの玄室へと向かって進みだす東方さん。


「およ。つれないね~♪」


 ポロリン♪


 ハープを1弾き。

 怒りや憤りの気持ちがやや薄まったところを見るに、鎮静の効果を付与しているのだろう。


「しょうがねーだろ! 勝手にお宝漁って罠に引っかかりやがって!」

「うす。もう攻略するっす。早くしないと置いてくっす」

「うわーん。まってよ~♪」


 アンは小走りでついてきながら、焦燥感を煽るような曲を奏でるという器用なマネをしている。

 小学校とかの運動会で、よく流れている曲だ。


 自分の運動会ははるか昔のできごとだったが、最近だと従兄弟やら知人の子どものイベントについていくことでそれなりに聴く機会が増えてきた。

 自分の子どもじゃないところが残念だな。


 まあ、現実のことはさて置いて、ファラオだ。


 ファラオの玄室に足を踏み入れると、石製の棺の蓋がズズズ……ズズズ……と重たそうな音を響かせながらスライドしていき、中からファラオがワイヤーアクションで吊り上げられたかのようにふわりと浮き上がってくる。


『我が眠りを妨げるのは誰じゃ』


「名乗るほどの者ではない」


 安定の東方さん。ごまかすとか、そういうの、ないのな。


 品定めをするかのように、ファラオは俺たちを睥睨し、東方さんの首にかかっている飾りに目を留める。


『その首飾りは……おのれ、盗掘者め! 恥を知れい!』


 ファラオから禍々しい気配が放たれ、濃密な空気が玄室に満ちていく。


『永劫の眠りに落ちよ!』


 包帯の隙間から覗いたファラオの目が怪しく光る。


 部屋のあちこちから、骨の兵士とミイラが生えてくる。そして、二足歩行のでっかい甲虫も湧いてきた。


 ピシピシピシ……


 ファラオの呪いを吸収した首飾りにヒビが入っていく。


 パキインッ!


 やがて、濃密な呪いに耐えきれず、首飾りが砕け散った。


 さあ、ここからが本番だ。


 首飾りがなければ、呪いで絶対に眠らされ、取り巻きからの集中攻撃を受けてからのスタートとなる。

 ただ、2回目以降の呪いを防ぐ術はないので、ガチンコ勝負だ。


 ファラオとの戦いは短期決戦に限る。

 しかし、ファラオの周りには無数の取り巻きがいる。直接攻撃を仕掛けるには魔法やスキルに頼る他ない。


「道を開く。蹴散らせ」


 東方さんが剣を掲げ、青い光が俺たちを包む。

 剣士のスキル、月照だ。これで味方の物攻と防御無視確率が上がった。


「Rockでいこう♪」


 骨を意識させる独特のダンスを踊りながらアンがハープを弾くと、骨の兵士たちの何人かがその場で震え始め、粉々になった。


「ホネホネ~~♪ 骨Rockぅ♪」


 スキル共振。数少ない楽師の攻撃スキルだが、中々の凶悪さだ。


 ファラオへの道がどんどん開いていく。


「よっしゃ! シュート!」


 ファラオ目掛けて無数のボールを蹴り込む。


『ふん。甘いわ』


 二足歩行の甲虫たちが、ファラオの前にズラッと並ぶ。どこかまんまるいフォルムで、ツヤツヤしている。

 この甲虫たち、物理無効の能力を持っている。

 硬い甲殻に守られて、物理攻撃は表面を滑って受け流すか、弾いてしまうのだ。

 そんな甲虫の壁にぶつかったボールは、次々と弾かれていく。1割ほどは防御無視の効果が発揮され、甲虫の甲殻を突き破って倒す。

 しかし、甲虫の壁は厚く、ファラオには届かない。


「はああああああ!」


 滑るように近づいた東方さんが、甲虫たちに斬りつける。月照の防御無視に期待して、月光ではなく星光のスキルで手数を増やす作戦だ。

 ほとんどの攻撃は甲虫の外殻を滑って傷をつけられない。それでも数発に1回は斬り裂いていく。


 それだけやっても、なお。

 ファラオには届かない。


『小賢しい。我が呪いを受けよ』


「うわっ! ヤベエ! 間に合わなかったか!」


 再度、ファラオの呪いが発動する。







































 ……。


 気が付いたとき、アンとキノコが倒れ、東方さんは負傷して膝をついていた。


「復活」


 プリウスがスキルでアンを復活させる。

 やべぇやべぇ、PTが半壊してる。こりゃ長期戦に移行して立て直さないとまずいかも。


「ちぃっ。今度こそ斬る」


 剣を支えに立ち上がり、再びファラオへと斬りかかる東方さん。


「ダメだそれじゃ! ファラオには届かねえ!

 戻って立て直せ!」


 うまく斬れればいいが、また眠らされたら全滅だ。それよりも今はPTで固まって取り巻きを削りつつ、態勢を立て直さないと。


 でも、東方さんには聞こえている様子はない。

 このままじゃまずい。


 くそっ! 俺が東方さんを操作できれば……。


 そう思ったとき。


 ふいに視界が切り換わり、目の前に甲虫の群れが見えた。

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