よろず同好会の口直しのカラオケ
また、カラオケには部費を使うらしい。
入口から入っていくと、ふと、部費を使う事に抵抗感がなくなってきた事が頭をよぎってきた。
いかんな……これが慣習になってしまったら、ごまかせなくなってくるぞ……
「そうだね……これで終わりにしないと……」
魅成だってそう言っている。だが、砂彩の意見は違うようだ。
「今回は生徒会の書記も一緒なのよ。なんとか話を通してもらうって」
「なんの話をしているのかな~? もしかして何か悪い話?」
奏多先輩が、そこで声をかけてきたため、俺達は、同時にビクリと体を震わせた。
「なんか、砂彩ちゃんと、魅成ちゃんの二人で話していたみたいだね~」
俺の心の声は、奏多先輩には聞こえていなかったのだ。聞こえていたらヤバかったかもしれない。
俺達は、いまさっき出てきたカラオケボックスにまた入り直す。
カラオケボックスに入ると、見空が奏多に向けてマイクを渡して言う。
「それでは、新顔が最初に歌ってもらいましょう」
「それじゃあ、十八番を歌わせてもらおうかな~」
ノリもよく、マイクを渡されたくらいだったら、軽く乗ってくれる。ああいうノリのいい人は大分好感が持てるものだ。
奏多先輩は、ノリノリで歌い始めた。
それ以降、懲りない俺と砂彩と魅成のアニソン大合唱など、俺達のカラオケは盛り上がっていった。
あれから、カラオケはどんどん盛り上がっていった。みんな一通り歌ってヘトヘトになっていく。
「ふー……こんなもんかな」
一人だけ、元気なままの奏多先輩は、俺達の様子を眺めてそう言った。
「毎度、これくらいはっちゃけることができると楽しいんだけどね」
俺と魅成と砂彩が、折り重なって座っている。
「喉が痛い……」
魅成がうめくようにして言い出した。
「また同じ事をして……少しは懲りなさいよ」
「お前が言うな」
自分の事を棚上げした砂彩の言葉に俺が言う。
ふと、目の前を見ると、俺達の事を笑いながら見ていた。
ポケットからハンカチを取り出し、「おつかれさまでした……」と言って、俺の額の汗をぬぐう。
「なんだよ気持ち悪い……」
「楽しいな……って思って」
よく見ると、見空の笑顔は楽しげな笑顔だ。
「そうそう~。本当は、一番楽しみにしているくせに、一緒に輪に入っていく事ができないんだよね~」
「余計なことを言わないでください」
奏多先輩が、見空の肩を叩きながら言う。
見空は、それにジトリとした目で奏多先輩の事を見上げた。
「そんなに睨まないでよ~。見空がうまく入っていけるようになればいい話でしょう?」
そう言われると、見空はすねたようにして俯いた。
「気持ちから変えてみようよ~。こんなさぁ……」
「うりゃっ!」と言い、奏多先輩は見空のスカートを捲り上げた。
白い飾り気のないパンツが俺の目に映る。
「外も中も、飾り気がないんだよね~。もっと、ファンションに気をつかったら?」
「下着はファッションに入らないはずです!」
「わ~……」と言いながら狭いカラオケルームの中を逃げ回る彼方先輩に、それを追いかけようとする見空。
だが、その背中に砂彩が声をかけた。




