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光属性が多い世界で光属性になりました  作者: はじめ


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110/111

VS エドガー

少し暴力シーンがあります。苦手な方は気をつけてください。

 ズキズキズキッ


(頭が痛い。何かが頭の上に落ちて来て、そこからの記憶が途切れている。…………ん?一体何が落ちて来たんだ?俺の頭に…………くそっ、頭が痛い!風邪を引いた時よりグラグラする。って、ここは保健室か?アイツらは居ないみたいだな。俺を置いて行きやがって後で全員ぶん殴ってやる……クソクソクソッ)


 ゆっくりと起き上がり辺りを見渡したエドガー。そう、アデレイドが2階から飛び降りた際に下敷きになった男の子、この子は第二王子のエドガー・ルーク・ロビンソンだった。


 薄グレーの癖毛にクリクリと大きな瞳は太陽のように綺麗な金色に輝いている。口元も大きく、笑えば誰もがその愛くるしい姿に惚れ惚れするだろう…………しかし、この王子の笑顔を見た者は誰もが恐怖を覚える。何故ならエドガーが笑う時は誰かを痛ぶるときに浮かべる笑みなのだから。


(クソッ今何時だ?たしかあの生意気な子爵家のヤローをボコボコにしてた筈だが………………あいつらマジでどこ行きやがった。本当に使えないな…………)


 ズキズキする頭を抱えながらベッドの上で動けないでいた。すると、部屋の扉が開いた。


 ガラガラガラッ


「失礼します。怪我人です先生いますか?」


 エドガーはベッドのカーテンの隙間からダンの顔が見えた。そして、その後ろには今まで見た事ない程綺麗な女神か天使のような女の子が立っていた。


「ごめんアデル、先生居ないみたいだ……素人だけど、僕が手当てしてもいい?」


「うん、ダンが手当てしてくれるの?嬉しいありがとう」


 2人は手を繋いでいる。親密そうで何故かすごく腹が立つ。そして天使はアデルと言うらしい。きっとあだ名だろうが、その親密さに何故か余計に苛立ちが増す。勢いに任せてカーテンを開けた。


「おいっ、さっきからうるさいぞ!!俺の前で無礼だぞ!お前たち」


 エドガーの顔を見た瞬間ダンは顔面蒼白になり体が固まってしまった。情報を集める為この第二王子の胸糞悪い所業を沢山知ってしまっているからだ。一方アデレイドは目をキョトンとさせた。エドガーの可愛い見た目のせいかビックリはしたが全然怖くは無かった。そして、どこかで見た顔?のような気がしてならなかった。(←自分が保健室送りにした張本人)


「も、も、も、申し訳ござい


 ダンが謝罪の言葉を口にしている途中でアデルが話し始める。


「うるさくしてごめんなさい。手当てだけしたらすぐに出ていくね。その、貴方はベッドで横になった方が良いんじゃない?頭に包帯してるし……………その、大丈夫?頭痛いよね?」


 自分がその怪我を負わせたとは微塵も思いもせずにエドガーを気遣う。しかし、エドガーのこめかみがピクリッと動く。


「おい、誰が誰に話をしてる?お前顔が良くても話し方がなってないな。タメ語でしかも俺に物申すとはな。いい度胸じゃないか?お前死にたいのか?」


 すると、すかさずダンがアデレイドの手を離し、土下座をする。


「も、申し訳ございません!この子は今日この学園に入学したばかりなのです!なのでエドガー様の事を何も知らないのです!!なのでどうか、今回ばかりは広い心でご容赦願います!!どうかお願いします!!!」


 ダンの土下座だけでもビックリしたのに、謝罪まで……目の前で起こった事についていけないアデレイドだが、もっとありえない事が起こった。


 ガッ


「うるさい……話していいって誰が言った?」


 鈍い音が保健室に響いた。目の前の無害そうな男の子がダンの頭を思い切り蹴り上げたのだ。そして謝罪ならまだしも、暴言まで吐き捨てた。アデレイドは目の前の光景が信じられなかった。ダンに駆け寄り顔を見ると鼻と口から血が出ていた。ブチンッとアデレイドの中の何かが切れた。


「ねぇ、なんの権利があってこんなことを?何もしてないのに顔面を蹴るって、貴方異常者なの?ってかこの事先生に報告するから。あと、今すぐダンを蹴ったことと、暴言吐いたこと謝りなさい」


 怒りの眼差しをエドガーに向ける。しかし、その目がエドガーの逆鱗に触れた。フッと鼻で笑いすかさずアデレイドの脇腹を蹴ろうとした。しかし、その瞬間ダンが咄嗟に庇い、崩れ落ちた。そして苦しそうな表情で小声で途切れ途切れに話す。


「……はぁはぁ………アデル…僕大丈夫だから……危ないから、ここから…………離れて、お願い…………ねっ、、」


 ダンは蹴られ、痛くて苦しそうなのに自分の心配よりもアデレイドを逃がそうとしている。その覚悟と気持ちに胸がいっぱいになり苦しくなった。そんなダンのお願いを聞いてあげたいが、ここを離れたらダンがどんな目に合うかわかりきっている。今より良い状況になるわけが無い。この目の前の男の子をぐちゃぐちゃにしてやりたいが、ダンがここまで言うには何かあるのかも知れない。そう思い、仕方なしに最後の手段にでる。


「女にまで手をあげるなんて貴方って本当にクズなんだね。ダンはこんなになってまでも私を庇ってくれた。貴方とは段違いに立派な男の子だわ!!これでも喰らえ」


 ダンの目をアデレイドは手で隠し、エドガーに向けて光魔法で目潰しを放った。怒りでコントロールを失っていたので学園が騒ぎになるほどの光を放ってしまったのは誤算だったが、目潰しに成功したアデレイドは負傷したダンと共にその場を離れたのであった。しかし後ろから叫ぶ王子の不穏な言葉がダンに呪いをかけるのであった。


「お前ら絶対に許さないぞ!!ぶっ殺してやる!!ぶっ殺してやる!!タダで済むと思うなよーーーーー…………クソッ目が……俺の目がぁぁぁ!!クソーーーーーーッ!!!お前ら死刑にしてやるーー!!」


 身体強化したアデレイドがダンを中庭のベンチまで運んだ。辛そうなダンをベンチに寝かせ、本当ならば光魔法で怪我を治してあげたいほどダンは負傷していたが、ここはグッと我慢し、アデル特製の回復薬をダンに飲ませる事にした。


 実は、アデル特製回復薬もかなりすごい効き目なのだ。飲んだ瞬間ダンは痛みが消え、傷も元通りに治った。まさに魔法である。そんな魔法な回復薬にビックリしてもおかしく無いのだが、ビックリするどころか、怪我が治ったダンは浮かない顔をしている。


「ダン、、まだどこか痛む?ごめんね私のせいで……って、あの異常者誰なの?めちゃくちゃだよね?」


 横になっているダンの頭を撫でながら話しかける。ダンはくるりとアデルの方に頭を向けるとポツリと話し始めた。


「あのお方は、この国の第二王子のエドガー・ルーク・ロビンソン王子殿下だよ。今日転入して来て知らないのも無理ないよね、あのお方に目をつけられたら人生が終わると言っても過言じゃないんだ……実際に今まで稼業を潰された人や、身体が元に戻らなくなった人もいる、最悪死刑になったりもするんだ。だから、今回目をつけられた僕達は…………かなりヤバい、、助けてくれたのは本当にありがとうだけど、アデルも今後危ないよ?僕も守ってあげたいけどいつも一緒にいる訳にもいかないし、どんな手で仕掛けてくるかもわからない…………悔しいけど、、正直怖い…………逃げ出したい、、けど多分飽きるまでどこまでも追ってくるよあの王子は……どうしよう…………」


 ダンは顔面蒼白で虚な目をしている。


(なるほどね、王子ってどの国も嫌な奴ばっかりなんだね…………はぁ、、でも厄介だなぁ、王子って事はこの国のトップ、しかも死刑とかの例もあるって、、かなりいきすぎてない?この国大丈夫?庇ってくれたダンの事ちゃんと守らなきゃ!!)


「ダン!!何も心配いらないよ!!私がなんとかしてあげる任せて」


 フンフンッと鼻息荒くガッツポーズをするのであった。それを見て余計に心配になり、止めようとするダンだったが、アデレイドを止めれる者は誰もいなかった。

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