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光属性が多い世界で光属性になりました  作者: はじめ


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ハワードに芽生える友達の心

 目が痛い、初めての反撃を喰らったエドガーはブチ切れていた。


「クソッ!!クソッ!!クソッ!!クソーーーーーッ!!!!絶対に許さないぞ!あの顔だけ女!!俺の目を潰しやがって!!しかも俺に向かって反抗しやがって!!なんなんだ!!なんなんだあいつはクソーーーーーッ!!!絶対に思い知らしてやる」


 保健室に響き渡る怒声。怒りで物に当たり散らした為、エドガーの拳は血だらけになっていた。痛い感情よりも怒りの感情が今のエドガーを突き動かしていた。


(アイツを絶対に泣かせて跪かせてやる。俺に楯突いた事必ず後悔させてやる!!泣いて許してと言っても絶対に辞めてやらないからな、あの綺麗な顔をぐしゃぐしゃにしてやる!!)


 散々物に当たり散らしたエドガーは肩で荒い息をしながらアデレイドへの復讐を考えていた。


 次の日、そんな事とはつゆ知らず、ダンの心配をしながら騎士科の授業で素振りをするアデレイド。すると、集合がかかり騎士科の生徒が集められた。


「よしっ!みんな集まったな、急遽明日に決まった騎士科の遠征について説明するぞ!!1年から6年のクラスの中でバラバラに班を組むぞ、そして、3日かけてあの山の頂上まで行き、旗を立てて戻って来る。魔物も出て来るだろうが、お前達の訓練の成果を見せてやれ!!今回の班決めは校長直々に決められたそうだ!その通りの班で行くように!!ここに班割りの紙を貼っておくからよく見て今から班ごとに纏まって作戦会議始め!!」


 貼り出された紙を見た瞬間嫌な予感がした。そう、エドガーの名前が載っていたのだ。昨日の事があってすぐ同じ班、しかも周りがざわついている。


「エドガー様は毎回参加されないのにどーしたんだ?」

「あの笑顔…………いや、何も見なかったことにしよう…………」

「うぅぅう………神様どうかお助けください!違う班でありますように…………」


 周りのざわめきを聞く限りエドガーは騎士科に属してはいるがこういうのには参加してないらしい。バカでも分かる…………これは仕組まれた班決めだと、、、。


 げんなりした顔で決められた班に向かう。すると、ニヤニヤした顔のエドガーが腕組みしながら待っていた。歳上であろう男の子2人がエドガーの後ろでオロオロしていた。そして、あのいじめっ子の男の子もエドガーの隣で踏ん反り返っていた。


「フンッ、遅いぞノロマが!」


「はぁ…………」


「おっ、お前!!なんだその返事……クソが!!迷惑かけたらすみませんでしただろ!謝れクソ女!!」


 全然遅刻ではないこの状態に謝れと言われて困惑する。しかし取り巻きであろうあのいじめっ子が隣で一緒にそーだそーだと言っている。とてもムカつく……そして、後ろの先輩達もお願いするように手を合わせている。きっとここで謝らないとこの王子が怒りで何かすると思っているからだろう。謝らないと話が進まそうだったので一度ため息をついて謝った。


「はぁ…………遅れました。すみません。じゃぁ、遅れたのでさっさと明日の作戦会議始めちゃいましょうか」


 ニッコリと笑顔で言い返す。しかし、ため息混じりの謝罪と話の主導権を取られたエドガーは額に青筋をたてアデレイドを鬼の形相で睨みつけた。ただ、アデレイドからしたら子供から睨みつけられても怖くもなんともない。しかも可愛い男の子だ。怒った顔も癇癪を起こしている顔にしか見えなかった。


「そーいえば、もう1人参加者が貼り紙に記載されてたと思ったんですが、その人を待ちますか?」


 すると、取り巻き君が意気揚々と話し始めた。


「お前、不敬だな!!もう1人のお方はエドガー様のお兄様の名前だ!!名前が記載されてたとしても王族の方がこんな何も特にならない授業にでられるわけないだろう!!バカ女が!!ハハハハハ」


 その原理で言うとエドガーはなぜ参加してるのか?とツッコみたくなる。そして、そんな授業になぜ参加してるのか?それはきっと何かを企んでいるからだろう…………ほんとにバレバレすぎる。


「さぁ、お前達よりも優れてる俺が作戦を考えて来てやったぞ感謝しろよ?」


 そう言って今度はイキイキとした笑顔で話し始める。内容はこうだ、先頭は先輩2人、その次にいじめっ子、エドガー、アデレイドの順番で進み、雑用は全部アデレイドがする事になっていた。入ってまだ一日だから戦闘力にならないと言う理由だったが、別に雑用は嫌いじゃないので特に気にならなかった。逆にアデレイドが先頭で進んで魔物に襲われるというシナリオかな?と思っていたので少し拍子抜けしてしまったまである。


(この程度の嫌がらせだったら全然大丈夫かも、後で大丈夫そうってダンに報告しに行かなきゃね)


 そして授業が終わってすぐに心配そうにハワードが駆け寄って来た。やっぱりこの王子の行動は誰が見ても異様だったようだ。


「アデル、大丈夫?何かに巻き込まれてる?僕が力になってあげられたら良いんだけど、何かできることある?」


 ハワードを心配させないようにしたかったが、この状況で嘘をついてもバレそうだったので素直にあった事を話すと、ハワードは怒りに震えた。そして、周囲の人間はハワードの冷たすぎる顔に怯えた。しかし、アデレイドはそれに気づかずに喋り続ける。


「あの王子の嫌がらせは今回私を雑用係にして満足してる感じだから大丈夫だと思うんだけど、、ダンが心配で…………ダンはすごく怯えてて、、だから大丈夫だよって今から伝えに行こうかなって思ってるんだ。この後もしダンに何かあったら許せないしね!!」


 拳をグッと握って意気込んでいるとハワードがその拳をぎゅっと両手で握る。ビックリしてハワードの顔を見ると悲しい顔をしていた。


「自分の事をもっと大事にして?友達が怪我するのも何か嫌な目にあうのも僕は嫌だよ?」


 ハワードの綺麗な目に透き通る涙の膜を浮かべキラキラ光っている。まさにビスクドールの様に綺麗で見惚れそうになるが、正気を取り戻す。


「心配させてごめん。そうだね、自分の事も大事にするね。私もハワードもダンも傷つけられたら嫌…………今はとりあえず大丈夫だけど、何かあったら相談していいかな?」


「もちろん!!いつでも頼ってね」


 笑顔で約束し、なぜかハワードは美味しいチョコをくれた。


「ストレスにはチョコが良いんだよ?あのイカれた王子にイラついたら食べて?ねっ、」


 とっても良い笑顔だが、言ってる事は辛辣だ。まぁ、当たっているからいいのか?と思いながら美味しそうなチョコを収納ペンダントにしまう。お昼になり、ダンに会いに食堂へハワードと向かう。


 食堂の隅の隅に隠れる様に縮こまりながら白い顔で座っているダンが居た。余りにもどんよりした空気なので近くに座るものは誰も居なかった。ダンに気を許し始めていたハワードは一気にやつれたダンの姿を見て心が痛くなった。ダンの隣に自ら進んで座ろうとしたその時、椅子を引く音に恐怖を感じダンが椅子から転げ落ちた。


「ダン?私達だよ?大丈夫だよ!!ごめんねこんなにダンが怯えてるなんて思ってなくて…………とりあえず座ろう?ご飯も持ってきたからちゃんと食べて、顔色が本当に凄い酷いよ……」


「家に、、迷惑かけたくないのに……おれ、、おれ、あの王子…………でも、アデルも女の子なのに……………………おれが、守らないと、、あ……ァァァ……ウッ……ウゥゥ……」


 ダンが途切れ途切れに話し、涙で顔をグシャグシャにした。混乱してるのか一人称もおれになっている。ハワードは更に心を痛めた。あの我儘王子の話は耳に入ってきていたが、自分に関係ないと雑音の様に流していた。しかし友達が巻き込まれたとなっては話が違ってくる。この学校に入る前は友達をたくさん作り、色々な文化にも触れ自分は人生を謳歌してやるんだと思っていたのだが、入学して以来、他人と話した事がなかった為に誰にも話しかける事ができず無言で過ごす日々、そして何故か周りからは遠巻きに見られている。そんな時に初めて話しかけてきたのがアデレイドだった。そして、その次に話しかけてきたのがダンだった。ダンに関しては自分の勘が怪しいやつと言っていたが話してみると良い人間だった。更に色々な国に行った事があるらしく話も弾んだ。もう、なんだかんだダンのことを自分でも気づかない内に友達だと認めていたのだ。


「ダン、落ち着け。君は知らないかもしれないが、僕は公爵家の人間だ。いざとなったら力になってあげられるから大丈夫だ!お願いだから泣かないでくれ。1日も経ってないのにそんなになるまで悩んでたなんて、、そーなる前に僕に相談しろよ!!僕達友達なんだろ?」


「と、ともだち…………うっハワード…………ううううーーーぁーーーありがっ、とう…………ぅう」


 ダンは更に泣き、ハワードに抱きついた。相当心細かったようだ。そして、顔つきは先ほどよりは良くなっている。ハワードとアデレイドは顔を見合わせてお互い微笑みあった。ダンが落ち着きを取り戻したので、剣術の授業で起きた時の話をした。ダンは難しい顔をした。


「雑用…………そんな事だけで済むかなぁ?僕は酷い話をたくさん聞いているからかも知れないけれど、多分裏があると思うからもっと気をつけた方がいいと思う…………って、守れないくせにこんなこと言ってごめん」


 ダンは顔を俯かせて謝る。


「謝らないで、私本当に大丈夫だから。守れないって言ってるけど、前回ダンに守られたんだからね!!自分を卑下しないで、ダンは勇敢で素敵な友達だよ!!それにちゃんと気をつけるね、隙を見せない様に気を配る事を忘れないから、ダンの注告を心に留めておくね。ありがとうダン」


 潤んだダンの瞳とアデレイドの瞳がぶつかる。そして照れ臭くてお互いが笑う。そして、ハワードも微笑んでいる。この空間尊いなぁーとアデレイドは思うのであった。


 そんな幸せな時間を過ごし、放課後にはアデレイドは雑用として必要な物を買い出しに行っていた。何があっても万端であるように、明日の遠征に備えて準備をしたのである。


(何事もなく無事に遠征をこなしてみせるぞぉ!エイエイオーー!!見てろよクソ王子ーーー!!やってやんぞーーーうおぉおおおーー!!!)


 そんなアデレイドの意気込みが達成されるのか否か…………遠征の朝はやってきた。

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