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光属性が多い世界で光属性になりました  作者: はじめ


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可愛いは正義

(さて、どうやら私は超絶美貌の持ち主らしい……けど、どーしたら良いものか?変身とかしたらめんどくさい事になるのは目に見えてるし、、このままの私だとどうやら近寄って来る人は居なそうだ…………)


 考えれば考える程深みにはまり抜け出せない。答えが出ないまま次の授業に向かう事にした。次の授業は調理科だった。どんな子供達が集まるかと言うと、ほとんどが平民の子達の集まりだ。その中にチラホラ男爵家の子も数名見える。そして、皆んなここで学ぶ理由は将来すぐ働きたいと言う理由だ。そんな事は知らずに、アデレイドは教室に足を踏み入れる。



 ………… ………… ………… …………



 …………ざわざわざわざわざわ…………



 沈黙の後ざわめきが起こる。アデレイドはなるべく笑わない様に無表情を貫いた。何故なら、もし、超絶美貌の持ち主ならば、自分はお兄様や、先生と同じだと考えたのだ。お兄様に微笑まれたら私だって鼻血が出そうになる。ならば、なるべく微笑まない様にしたら少なくとも倒れる者は出ないのではないか?というアデレイドなりの答えだった。


(はぁ〜、無表情にするのにも顔の筋肉結構使うね…………うぅ…………ツラッ、、普通の顔ってなんだっけ?)


 頭の中でどーでもいい事を考えながら皆んなとの距離を取って立っていると先生が入って来た。緑髪のぽっちゃり体型のおっとりとした雰囲気のモーリー・オムレット先生と言う先生だった。


「今日は皆さんで魚を捌いてもらいます。捌いた後はソテーにしますよ。あっそうそう!今日から仲間になったアデレイド・テイラーさんも居るので皆さん仲良くしてくださいね。さぁ、まずは3〜4人で組んで席についてください」



 ポツーーン

 

(まぁ、そうなるよね、仲良い人達でもう固まるに決まってるし………ボッチって寂しいよね…………泣いちゃいそう………グッスン)


 涙目になりながらポツンと教室の端に立っていると先生がアデレイドの肩を掴みスススーっとアデレイドを誘導して一つの席に移動させた。


「テイラーさんはこの席に混ざりなさいな。皆んなテイラーさんは初心者なのだから優しく教えてあげるのよ?よろしくね」


 ホホホッと優雅に微笑んで先生は席から離れていった。席を見ると3人の男女が離れて座っている。


(なんで離れて座ってるの?もしかしてここの席の人達仲悪い??)


 近づきすぎても倒れられると怖いので空いている黒髪おさげの女の子の隣にアデレイドも離れて座った。そして、黙っていても何も始まらないのでアデレイドから自己紹介をする事にした。


「皆様はじめまして、今日からこの学校に転入して来ましたアデレイド・テイラーと申します。お料理は好きなので迷惑はかけないと思うんですが、よろしくお願いします。良ければ皆様の事も教えてください」


 流石に挨拶で無表情はないなと思い、少し微笑んでみる。するとガタガタッと同じ席の3人が動揺し、1人は顔を机にめり込ませた。また、1人は白目を剥き、最後の1人は「あわわわわ」と挙動不審になっていた。


(えぇ〜……と、、微笑むのはやっぱりだめだったかな?でも、ムスっとした顔じゃぁ馴染めないもんね。私の少しの笑みくらい周りに慣れてもらうしかないね!!ってか、みんなはお兄様を見たら死んでしまうのでは?)


「とりあえず、右に座っている貴方から自己紹介してもらっても良いですか?名前もわからないと授業に支障が出るかもしれないし、それに、私は皆んなと仲良くなりたいの。お願い」


 いつものお願いポーズをしようとして、ハッとした。お兄様にお願いポーズされたら倒れる自信があると考え、自分とお兄様を置き換え今度は小首を傾げた。しかし、コテンッと傾げたアデレイドの可愛さは凄まじかった。周りがざわめき、倒れる者もでた。


「テイラーさん!!あまり、その、小首は傾げない方が良いわね。そして、もう少しだけ可愛いのを抑えられるかしら?」


 先生にやんわりと注意される。アデレイドは抑えめにしているつもりなのに…………ただ、先生も倒れる者が出たので注意するしかなかった。


 そして、隣の黒髪おさげの女の子の方からとってもとっても小さな声がした。

「あ、あ、あの、わ、私スージーと言います。わ、わ、わたしもお料理がすきです…………あわわわき、綺麗すぎる……女神さまぁ……………」


 最後の方は小さすぎて聞き取りづらかったが、名前はスージーというらしい。目がちょこんと小さく顔は真っ赤で挙動不審である。どこかオドオドしている感じだが、良い子そうで仲良くなれそうだなと感じた。次に斜め向かいのマッシュ系の髪型をしている男の子を見つめる。目がバチッと合って男の子も顔が真っ赤になった。


「ぼぼぼぼ、ぼくはカロルって言います!!カロって呼んでください!!ぼ、ぼく料理人目指してます!よ、よよよ、ヨロシクお願いします!!」


 ガゴンッ


 挨拶の後にすごい音がした。そばかす顔のカロルはヨロシクと言った後にお辞儀をしたが、その勢いがすごすぎて机に頭をぶつけていた。上げた顔のおでこが赤くなっている。そして、今度は顔を上げた勢いの反動でカロルがはバランスを崩し後ろにガタンッと倒れた。離れて座っていた隣の男の子が「バカが…………」と言って冷めた目を送っている。助けもせずに小馬鹿にしている姿にアデレイドは頭にきた。


「バカって言う方がバカだよ!近くにいるんだから手を貸してあげなさいよ!男の子は皆んなジェントルマンじゃないの?貴方今とっても最低だよ?」


 アデレイドはキッと目の前の男の子を睨む。可愛いアデレイドの子猫のような睨みに男の子はたじろいだ。が、男の子にも男の子なりのプライドがあった。男の子は喧嘩慣れしてなかったので涙目で顔を真っ赤にさせながら叫んだ。


「貴族は平民を助けたらダメなんだ!!知らないのか?お前もしかしたら貴族風に見えるだけで平民だろ?俺のが偉いんだから話しかけてくるんじゃねぇ!!」


「あの、私も貴族だけど、人と接する時に平民とか貴族とか分けてないよ?それに、人が倒れてたら助けるのが普通なんじゃない?」


 男の子は口答えされると思ってなかったのか、悔しいのか、涙目でワナワナと震えていた。その隣で転んだカロルが自力で立ちあがった。


「ぼ、僕気にしてないよ?ドングリ君は貴族だし、平民はこういう扱いは慣れてるから、テイラーさんも気にしないでください」


 ドングリ君と呼ばれた貴族の男の子は赤茶の髪で吊り目の顔をフンッとさせそっぽを向く。そして、胸をそらせ腕を組んで尊大な態度をとった。アデレイドは気に入らなかったが、本人が良いといっているならずっと怒っていても仕方ないなと思いドングリに自己紹介してと促した。


「フンッ!俺の名前はスパイク・ドングリ、ドングリ男爵家の長男だ!!将来父様みたいに立派な大人になるんだ!料理は母様に受けるように言われているから受けてるにすぎない!こんなクソみたいな授業本当は俺には向いてないけど仕方なく受けてるんだ!お前らのような料理好きは変わってるよな!特にアデレイド!お前、貴族で料理好きなんて、ハッ、まさかお前の男爵家はビンボーなんじゃないか?だから料理してるんだろ」


 アデレイドは呼び捨てにされた事や、自分が格下貴族に間違われた事、そして、その格下貴族や、平民をバカにしたこの話し方にだんだん慣れてきた。世の中こういう井の中の蛙って居るよなぁ〜と、それに、多分この子友達居ないんだろうな可哀想に、、と、逆に哀れみの方が勝ってしまった。


「はいはい、もうそれでいいよ。ってかスパイクも好きじゃなくてもちゃんと料理しなよ?留年する方が貴族としては恥ずかしいでしょ?」


「なっ!な、な、お前!!俺を名前呼びするなんて……まぁ、その、お前はビンボーだろうが一応貴族だろうから許してやらなくもない!!特別だからな!!とくべつ!!」


 顔を真っ赤にしながら、実は名前で呼ばれた事を喜んでいるドングリであった。結局は可愛いは正義なのだった。


「ねぇ、スパイクは料理下手だと思うけど、スージーとカロは料理作るの得意なの?私は作るの好きだけど、すごく上手って訳ではないんだけど」


 2人を交互に見て話しかける。スージーは小さい声でモジモジしだした。カロルはアタフタし最終的にまたこけた。スパイクはアデレイドをチラチラ気にしながら腕を組んで偉そうに話す


「おさげの女はまぁまぁ上手いぞ、そのそばかす男は下手だな。ってかそいつ、いつもドジばっかりして周りを巻き込むから離れた方がいいぞ?そして俺は何しても上手いぞ!料理も下手じゃない!!フンッ!!」


 意外にも平民のスージーを褒めるスパイク。もしかしたら貴族だからと考え方が縛られているが、良い奴なのかもしれない。そしてついにみんなで魚を捌きはじめる……………が、スパイクは魚を触ることができなかった。あの自信はなんだったのか…………また、カロは、最初からそうだったが、ドジっ子すぎる。魚を捌くのにも何故か何回もこけるし、包丁捌きも危なかった。スージーはスパイクが無自覚に誉めていただけあってめちゃくちゃ上手だった。料理している時だけはオドオドしていなかったし、プロ並みに早くて綺麗に魚を三枚おろしにしていた。因みにアデレイドも上手く捌けていた。前世は一人暮らしで料理も好きだったのが効いていた。


 しかし、魚を捌く事以外で凄く気になることがあった。この班だけワイワイとみんなでお喋りしたり、教えあったりしていないのだ。個々で調理をしている(1人はふんぞり返って魚と睨めっこしていた)だけだった。


(この班癖ある人があぶれてまとめられたんだろうな…………でも、癖強くたって友達にはなれる!!よっし!頑張ろう!!)


 1人ガッツポーズを取りながらテキパキと捌いた魚をソテーし、仲良くなりたい一心で食べて?と3人に料理を差し出した。


「あっ…………私なんかにこ、こ、こんな立派なお料理…………た、たべて、、よよよよ、よろしいんですか?」


 ※スージーは目を泳がせながら俯いた


「ぼぼぼぼぼくに??えぇぇえーー」


 ※ガシャーーン……カロはのけぞりながらコケた


「フンッ、こんなものウチのシェフと比べ物にならないがせっかくだから、た、食べてやるよ……」


 ※スパイクは真っ赤になりながらフォークを持つ手が震えていた


「ふふっ、どうぞ召し上がれ!心を込めて作ったから美味しくできてると良いな」


 ※アデレイドは会心の笑みを放った


 ドシーーーン


 運悪く、アデレイドが作った料理を貰った3人が羨ましくて周りはアデレイド達の班に視線が釘付けだった。そして、注目の的のアデレイドは会心の笑みを炸裂させた。会心の笑みを食らったクラスの半数の人間は気絶して倒れた。だが、近くにいたはずの3人はそれぞれ下を見ていたり、コケていたり、真っ赤で目線を逸らしていた為無事だった。


「あらまぁ………………凄いわね……ほほほ〜」


 モーリー先生はおっとりした口調で自分が作った魚のソテーを頬張り、アデレイドには注意しても無駄ね、と悟りを開いたのであった。


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