アデレイドはとっても魅力的?
「ねぇダンは他には何科を受けてるの?」
授業中だが、気になりすぎてヒソヒソ声で尋ねてみる。ダンは苦笑いしながら答える。
「僕はグローバル科と、商業科と、魔法科だよ。本当は普通科と、歴史科も受けたかったんだけど、全部の学科を卒業できなそうだったから辞めたんだ。まぁ、歴史と普通科で学ぶ事は独学で頑張ろうって思ってるから良いんだけどね」
「えぇ!!凄い!独学で学ぶって誰でもできる事じゃ無いよ?ダンならきっとできるよ!」
「あ、ありがとう」
純粋に褒められて嬉しくなるダン。そして、奥にいるハワードは少しだけダンを見直した。
『ハワードのダンへの好感度が+1上がった』
「アデルはどの学科を受けるの?」
「私は魔法科以外とりあえず全部やってみようと思ってるんだ」
何の気なしに聞いたが、アデレイドの返答にハワードの時と同じ様にビックリしていた。まさか、魔法の学科を受けないなんて、ましてや、それ以外は全部受けるなんて…………規格外すぎる。と、
「魔法はなんで受けないの?」
当然の返事であるが、アデレイドはさっき学んだのだ。魔力がゼロだと言うと大変なことになると言う事を。なので新しい答えを用意していた。
「魔法は嫌いなんだよね、、難しくて。エヘヘ」
まいったまいったぁ〜と言うふうに軽く舌を出しテヘヘという様に小首を傾げる。バカそうに演技をしても可愛さでカバー出来てしまうのだからこの顔はとってもお得である。そして、事情を知らないダンだが、アデレイドが魔法が嫌いなだけで授業を受けない不自然さにすぐに気づいた。なぜならその他の授業は全て受けようとしているくらいストイックなのに嫌いだからという理由だけで受けないのはとても不自然に思えた。だが、まだ仲良くなりきれていない状態で深追いすれば逃げられる可能性がある。なので深追いはしない事にしたのだった。
「そっかぁ、まぁ、受ける受けないは人それぞれだしね。良いと思う」
小さくグッドマークをくれるダン。アデレイドは上手く誤魔化せたと思い小さくため息を吐いた。その隣のハワードも何故かホッとしている。すると、教壇から声が降ってくる。
「さっきからそこでお喋りしている3人!ダンとハワードは3日以内、アデレイドは1週間以内にユースランド国についてのレポートをユースランドの言葉で書いて提出する事!!今までの授業を聞いてたら分かる事ですから簡単ですよね?アデレイドさんは初日ですが、勉強する事!!いいですね!!」
「「「は、い………」」」
コソコソ話していたが、目立つ3人だった為流石に叱られた。ハワードは人生初の怒られに心臓がドキドキして止まりそうになった。その後はお喋りをやめて真面目に授業を受ける事に集中したのだった。グローバル科は色々な国の言葉や習慣などを学べてとても楽しかったのもあるが、将来はこの世界の色んな国を見て回りたいと思っていたので勉強する姿勢にも熱が籠る。また、罰則のレポートもちゃんと仕上げなきゃなと気合を入れ直した。
「次は僕魔法科だけど、、ハワードとアデレイドはどこに行くの?」
「僕も魔法科だね。ダン一緒に行く?いつも1人で行ってたけど、友達と(まだ完全に気は許してないけど、悪い奴では無さそうだしね)授業受けるのは楽しいしね」
ハワードは一応友達第二号(仮)と認めたダンを微笑みながら見つめる。ダンは一白置いてから純粋な気持ちで頷いた。
「うん!!(うわぁぁ!ハワードから誘ってくれるなんて、しかもなんて純粋な笑顔?……えっ、俺たち今日友達になったばっかりだよね?うわぁぁ!目的なんてどうでも良いくらい嬉しい!!これってもうマブダチじゃん!!)」
いつも将来の家業の為に純粋な友達作りをしてこなかったダンはハワードの笑みにイチコロになってしまった。ミイラがミイラ取りになった様な気もしないでもないが、本人が良ければ何でも良いのだ。
(ハワードの涼しげな笑顔も良いし、ダンの糸目の笑顔もめちゃくちゃいいいいいぃぃぃい!!みんな違ってみんないいいぃぃぃいい!!)
2人の友情の真んに挟まれながらちゃっかりと笑顔を見比べて頭の中でグフグフと気持ち悪い笑いを抑えるアデレイドであった。
そして、2人と離れて1人で次の授業に急ぐアデレイドはダンから地図を書いてもらったので迷わず遅刻せずに予定よりも早く教室に入るとこができた。教室に入るとまだ数名しか来ていなかったが、アデレイドが入った瞬間に全員がアデレイドから目を離せなくなり固まってしまった。
(あれ?これ睨めっこが始まってる?ってんなわけ無いか、、みんな無言で見つめてくるけど顔に何かついてるかなぁ?)
ペタペタと顔を触って確かめてみたが、何もついてなさそうなので不思議に思い小首を傾げた瞬間事件は起きた。何名かが椅子ごと倒れたのだ。自分の知らないところで倒れられる事はあっても目の前の人達が倒れるのを初めてみてしまったアデレイドはビックリし、すぐに駆け寄った。
「だ、大丈夫??貧血??どーしたらいいの!?今持ってる薬が効くかわからないけど、回復薬持っているから飲ませてみたほうがいいかな?どう思う?」
倒れていない周りの子達に問いかける。
「ひぃぃぃぃーーー」
「はひゅーーーー」
「あわばばばばばば」
「はわわわわわわ」
言語にならない言葉を発し、皆蜘蛛の子を散らす様に離れてしまった。軽くショックを受け涙ぐんでしまう。
(わ、私何かしたの?もしかして倒れたの私のせい?ってんな訳あるかーー!魔法も何も使ってないし、そもそも、そんな魔法使えないし!!なんなのもぅ!グヌヌ……やっぱり避けられるのは寂しいよう………)
しょんぼりしながらペンダントからアデレイド特製の美味しい回復薬を取り出し、飲ませようとした。その時、1人の女の子が離れた位置からアデレイドに話しかけできた。
「あわわわわわわ!あああのののぉぉ!だだ、大丈夫です!こ、こ、この子達はえっと、、その天使様の様に綺麗すぎる…………その、、あ、あなたを見て、ま、眩しすぎて倒れたので!!!ご、ごめんなさい、な、なのでた、多分、、回復薬は要らないと……」
「へっ?(わ、私が可愛いせい?えっ?こんなに影響力ある???お兄様なら分かるけどぇぇえぇえええーーーー???)」
自分が可愛い事は自覚していたが、まさか、人を魅了する程ではないと思っていたアデレイド。実際にディランや、マーク、ローズ、ジェイクに出会った時はこんな事態にならなかったし、ハワードや、ダンにしたって倒れられる事はなかったので普通に可愛いくらいだと勘違いしていたのだ。そう、アデレイドは天使(妖精)の様に可愛すぎて普通だったら鼻血を出して倒れてもおかしくないのだ。ディラン達はただ単に特殊なのだ。
今話しかけてくれた女の子も真っ赤な顔で足がガクガクと震えている。アデレイドはハッとした。この先、こんな扱いをずっと受けたら授業にならないのでは?と。そして、このままでは友達も出来ないのでは?と、そんなの絶対に嫌だ!!焦ったアデレイドは
「皆さん、わたし……皆さんと友達になりたいんです。お願いですお友達になってください!!一緒に楽しく授業を受けましょう?」
散り散りになった周りの子達に手を組み目をうるうるさせながら(悲しかったので不可抗力)頼み込んでみる。
…………逆効果とも知らずに。
とうとう、全員がノックアウトされ倒れてしまった。更に酷いことに、鼻血まで出している子もいた。
「えええぇぇぇぇぇえーーーなんでぇぇぇーーー」
1人で絶叫するしかなかった。何故ならアデレイド以外は全員倒れているからだ。犯人は自分なのだから…………
この殺人現場の様な場所に居たくなかった為、証拠隠滅はできないが、倒れている子達を一塊に集めて寝かせ、ごめんなさいと書き置きを残してその教室からこっそりと抜け出し、その授業は二度と受けないと誓ったのであった。
因みにその後、教室に入ってきた生徒によって先生に報告があがり大変な事態になったが、後々アデレイドが罰せられる事はなかったのである。めでたしめでたし。
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アデレイドが受けようとしてた授業は普通科でした。普通科は貴族が習うマナーや、読み書き計算、基礎的な文化や習慣、歴史など一般知識を学ぶ科で、平民が基礎を学ぶために入るのが多い科です。なので貴族慣れしてない子達ばかりだった為、アデレイドの顔面には尚更耐えきれませんでした。
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