ダン・コリーの話
この学校には様々な国から色々な人達が集まってくる。俺の父はこの世界の商業を纏めているコリー商会の会長だ。金で爵位を買ったと揶揄される事もあるが、結局平民も、貴族も、王族でさえも食べ物や生活品がなきゃ暮らしていけない。即ち、俺らが居なけりゃ世界は回らないんだよね。
この学校に入ったのは色々な事を学び自分の知識を増やす為でもあるが、コネを作る事が一番の目的だ。その為、主要人物はすでに色々リサーチ済みだった。その主要人物達が一筋縄も二筋縄もいかない人物ばかりで俺は焦っていた。
先ずは、このドミノレイル王国の第一王子ルーカス・ホープ・ロビンソン。そして第二王子のエドガー・ルーク・ロビンソン。
王族に近づく事自体が、すでに大変な事だ。一度だけ舞踏会に招かれた事があるが、俺は深い繋がりを作れなかった。父はしっかりと色々なパイプを作っていたが…………
(はぁ、俺ってヘタレだ。父を真似て社交的に振る舞う事はできても、いざって時に緊張してしまうから失敗する事が多いんだよな…………平気で嘘つける様にならないと…………)
この国の第一王子のルーカスは弟にメロメロらしいと言う情報を得ている。なので、弟の第二王子エドガーに近づいて仲良くなれば案外チョロイかもしれないが、、エドガーには欠点がある。コイツはかなりのクソガキなのだ。多分相当甘やかされて育っている。気に食わない事があるとすぐに人を痛めつけたり、罰を与えたり、とにかく逆らえない様にするのだ。顔は可愛いのに悪魔の様な奴だ…………なので、ビビリの俺は未だに近づくのを躊躇っている。
次に狙っているのはハワード・ルイ・アンダーソンだ。学校では氷の王子と呼ばれている。その名の通りコイツは氷の様に冷たい人形の様な顔で、表情が全く変わらない。人を人とも思っていない様な雰囲気を醸し出している。顔色も白く人形の様な綺麗な顔も相まって、誰もが話しかけられないでいた。俺の調べで、コイツは公爵家の人間だと調べはついている。そんなデカいツテ欲しいに決まっている。しかし、下手に話しかけて失敗したら近づく事も叶わなくなるだろう。………そして、慎重に近づかなければと思っていた矢先先を越された。
天使か、妖精と見間違えるような可憐な少女がいつのまにかハワードの隣にいたのだ。転校生が来ると言う情報を掴み損ねてしまっていた自分にも腹が立つが、俺の勘が言っているコイツは只者じゃないと、、何たって表情が変わらない氷の王子の顔が優しく微笑んでいるのだ。ビックリだ。あのピクリとも動かなかったあの人形の様な顔が綺麗に微笑んでいるなんて…………これはまたファンが増えてしまうに違いない。しかも、あの柔らかい笑顔なら近づく人も増えるかもしれない…………俺も二の足を踏んでる場合じゃない。ビビっている心に鞭を打つ。
王族や公爵の他にも騎士団長の息子や最強魔術師、他国の王子、侯爵令嬢、色んなコネを早く作らないといけないんだ………そして、俺は父さんを超える大商業主になるんだ!!
先ずは第一歩、あの天使の様な女の子に近づいて氷の王子と仲良くならないとな!!待ってろよ俺の獲物ーーー!!
糸目の少年はその目をキラリと光らせるのだった。




