第7話 初の連携
あの後、僕とローズは馬を捕まえて父と母のもとに帰った。たがローズ曰く、「私は従者として生きるつもりなので友達にはなれません」と、遠回しに振られたかもと思いながら帰っているとローズが、「ヨウ様に奥さんができた後なら友達になりたいですが」全く、そんな
天変地異が起こるわけないだろ。そうして家に帰ると。父と母そしてアネモネが立っていた、三人とも不安そうな顔で僕を見ている。
父と母の目には、罪悪感さえ宿っていた。
(僕が見ていなかっただけで父も母もこんなに僕のことを思ってくれていたんだな...前の父さんや母さんも、ほんとはあんな目をしていたのかもしれない。けど...今は話せる、
話せるうちに、まっすぐ目を見れるうちに)
「お父さん、お母さん、アネモネ...僭越ながら、帰ってまいりました」僕がそう言うと、父と母は僕に抱きついた。「お帰り、ヨウ」母は涙ながらにそういった。すると今度は父が、「お前は本当につよい子だ」父も涙ながらにそういった。アネモネは、家から出てきたアンチューサさんに「な、連れてきたよかったろ」と、囁いていた。「年の功はだいじですね」アンチューサさんが皮肉そうに言った。アネモネは眉をピクピクさせながら「ありがとさん」と言っていた。するとアネモネも僕の方に来て、耳元でボソッと「ローズはヨウロウ様が転生者だって知ってた上でこの作戦をしてるからね」「エッ」僕がローズの方を見るとローズがペロッと舌を出して、「テヘペロ」(ローズ、もしかしてオタク勘違いさせる系女子か)
〜5ヶ月後〜
「ヨウ行くわよ、早くしなさい」母が一階から僕を読んだ。「はーい、今行く」僕は山刀と
一冊の本を袋に入れ、玄関にいる馬車に乗った。そう、今日は魔力鑑定の日だ、この世界には子供が受けるだいじな儀式が2つある、1つが3歳の時に受ける魔力鑑定、文字通り体内の魔力総量を測る儀式で、この数値が高いか低いかによって前衛か後衛かが決まる。もう1つは適性鑑定、これは幾つかに分けられた適性のうちどれに向いてるかが分かるものだ。ちなみに適性の高さは星で表されるらしい。2つとも、遺伝によるものが大きい。そして母は魔導師の名家、もし高い魔力総量じゃなかったらどうしようかと悩んでいた僕を、ローズが「結論魔力ゼロでも生きていけますから」と、励ましてくれた。(違う、違うんだローズよ。その後行く、里帰りで詰められるのが嫌なんだよ)
そして僕はこの半年間、色々とチャレンジしてみた。だが、どこかの泥沼のように小さい頃から魔法は使えなかったし、転生者だからという特典もなかった。だが唯一できたことがある。それが剣の修行だ、トラウマを克服した記念にもらった山刀を振り、双歩を安定してできるようになった。(双歩は、ワイバーンの時に使ったあれね)そんなこんなで修行に明け暮れ、あっという間に5ヶ月年が過ぎた。などと思い出を振り返っていると、父が、「ヨウロウ、街に着いたら何かしたいことはあるか?」そう、僕たちはこれからヴェール連邦一の金融都市、アルトベルトに向かうのだ。
実は魔力鑑定を行うには条件があり、一部地域でしか取れない特別な水晶を使わなければならないのだが、数が少ないため大きい街の
協会か、高位の貴族は家で使用するために持っているところもあるらしい。(金融街となると、たぶん金がいっぱいある、となればいくらかネコババできるかもしれない、ただそうなると父と母が邪魔だな)「大きな街にいくのが初めてなので一人で色んなところを回ってみようと思います」(良し、さり気なく一人でという言葉を滑り込ませた。これで、免罪符ができる)(そうか、俺が辺境の領主のせいで、
街にすらいかせてやれていなかったものな)
「分かった、好きにするといい」父のその言葉に僕は心のなかで喜んだ。すると今度はローズが、「なら私はどうすればいいんですか、
私はヨウ様の従者なんですから一人になんてさせられません」と、割って入ってきた。
「僕にだって一人になりたいときはあるの」
と、僕が強めに言い返すと、ローズが、ギュと手を握りながら上目遣いで、「そ、そんな私寂しいです」と言っていたが、「これは主人としての命令だ」僕はローズの手を振りほどき言った。(フン、2回も引掛かかるか)するとローズが「チッ」「え、いま舌打ちした」僕がそう言うと、プイッと窓の方を向いて「してませ〜ん」こうして僕たちは、馬車に揺られアルベルトねと向かった。
〜2週間後〜
アルベルトへの道のりは残り三分の一ほどになっていた。アルベルトが近くなったからか小さな村や集落で休むのが殆どだった。ただ、その日あいにくの天気で進むのが遅れ、
よるのうちも進むことになった。すると、前の方から「キャアアア」「おのれ、よくも娘を」ガキン、ズバッ、「く、くそ」「グルル」
「何だ、そこに誰かいるのか!」父の後を追って僕も馬車から降りると、そこには獣人の男が獣人の赤子を守りながらウェアウルフと「な、何で。こんなところにウェアウルフがいるんだ」(落ち着け俺、多分この場で一番強いのは俺だ。あの獣人も相当腕が立つが死体を見る限りかなり疲労している。俺一人で50体もウェアウルフを処理するのは厳しい、装備をしていればいけるだろうが今は軽武装だ
フェルエッテの魔法を使えばいけるだろうが
大きな力が出る魔法は獣人にも被害が出る。
となれば...)俺はヨウロウのほうを向いた。
「ヨウロウ、いい機会だ。お前とローズの2人でウェアウルフを5体倒してみろ」(こいつらからは昔の俺とフェルエッテと同じような雰囲気がする。もし同じ戦場で戦うのなら信頼できる優秀な部下はできるだけ早く欲しい。
今からそれをさせて置いて損はないだろう)
「ねぇ、父さん。僕はともかくローズは戦えないんじゃないの」僕が父に言うとローズが
「私はもう魔力鑑定をしてるので魔術が使えますよ?」「えっ」「えっ」何で主人より先に魔力鑑定してんねんと言いたいところだったが父が、「ゴチャゴチャ言ってる暇はない、行くぞ」「う、うん」ドドッ、ザザザ、「ローズ」何故かローズが止まった。「ヨウ様、気にせず行ってください」ドンッ、僕がウェアウルフと接敵する直前、「エンチャント・マッスル・レインフォートメント」ローズがそう唱えると僕が振った山刀が一瞬でウェアウルフの首を跳ねた。(どういうことだ、練習でも木を切ることがやっとだったはず。ってことはローズエンチャントのお陰か)その後も僕と父さんは敵を倒していった。父は言わずもがな無双だった。これ本当に僕たちいるか?
「・〜<・=ー〜・」獣人の男の人が聞いたことのない言葉を喋っている。すると父も「=・〜<ー〜・=」と聞いたことのない言葉で話し始めた。「お父さん、この人何を言ってるの」「ん、あぁ。助けてくれてありがとうって言ってるんだよ」(ここからは翻訳したうえでの会話です)「すごく強いんですね、どこの出身なんですか?」「あぁ、出身は南の方なんですが今は貴族でして、グランベルト・ヒルデガルドと名乗っております」「何と貴族の方でしたか。そちらのお子さんはご子息で?」
「えぇ、3歳でヨウロウと言います」「君もお父さんに似て強いんだね助けてくれてありがとう」
「貴方はどこの出身なんですか?」「あぁ、申し遅れました。私西の獣族の長、クラリオネ
ミシューゲルと言います」「ク、クラリオネと言えばあの」「えぇ、冥王の片腕を切り落としたのは私です」「なっ、こここれは失礼しました。私は元冥王城方面軍第3部隊大隊長、ヒルデガルドと申します。一度だけ、戦場でお姿を拝見したことがございました」「あぁ、あの時の将校ですか。とはいえ今は命の恩人ですからそうかしこまらずに」「で、ではそのこの名前は」「ヴァーシュと言います。2歳なのでそのこの一つ下ですね」「クラリオネ様、馬車が戻ってまいりました」「ご苦労、ではまた」
「はっ、お気を付けて」ガラガラガラこうして紆余曲折あったものの僕たちはようやくアルベルトに到着したのだった。




