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何者かになりたかった高校生  作者: モノクダ


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第3話 ワイバーン

一人で外に出られるようになって有頂天のヨウロウに現れたレッドワイバーン、救援に動く三人、ともう一人

ヨウロウが丘でワイバーンドッキリされる数分前、

       正面ゲート

「いや〜、さすが猛将ヒルデガルドさんだな」街の狩人であるジームスがイノシを肩に背負って話しかけてきた。「戦場にいた敵に比べれば可愛いもんだ」俺は腰にかけていた剣に手を掛けた。「冥王ハルヴァリア…か」「あぁ」あの時の戦場は今でも覚えてる、転がっている味方の死体、戦士の俺でさえも周りに漂っているのがわかるほどに溢れる魔力、奴の傍らにいる冥応化したワイバーン、「ヒルデガルドさん、あれは!!」急に話しかけてきたジームスに驚き指を指した方を見ると、そこには、「レッドワイバーン!!」(何故こんな僻地に、ユニークタイプのワイバーンが、俺一人じゃレッドワイバーンには敵わなっ)バチン、俺は頬を叩かれた「ヒルデガルドさん、しっかりしろ」「す、すまない」気が動転してた俺をジームスは戻してくれた。「それよりもやべぇ、レッドワイバーンが西の丘に向かってやがる。俺昨日ガズおばさんに西の道の整備が終わったのをヨウくんに伝えてやれよっ、とか言っちまった。ヒルデガルドさん、急がねぇ、と」そこには誰もいなかった。

ダッダッダッダッ、ヒュン、自分でも驚いていた。戦場で冥王と対峙した時よりも、俺は早く動いていた。勝てない敵とは戦うなという父の教えを守ってきた俺が。正直、俺はヨウロウが少し苦手だった。人の目を気にして、どこか他人行儀なところが、時折見せる絶望に満ちたような目が、ここ最近はそういうのは減ったが、何故か妙な違和感がある。

だが、飛び出した時にそういう気持ちは全く浮かばなかった。浮かんだのは、『守らなきゃ』親父も、こういう気持ちだったのかな、

とにかく、今は急げ1秒でも早く!





 ヒルデガルドがジームスと話している頃、

「はっ、これは」柵はフェルリースの索敵結界の境界でもある。「アネモネ、レッドワイバーンが出現した。私が先行する、あなたは後から来て」レッドワイバーンはユニークモンスター、通常こんな僻地には現れない。常人であれば、確実に動揺する。ヒルデガルドも、いち早く気づいたフェルリースでさえ、アネモネにエンチャントをかけてもらってから行くということを思いつかなかった。

しかし、この女だけは違った。すぐに突っ込むヒルデガルド、イレギュラーに弱いフェルリース、そんな2人を戦場で支えてきた彼女のだけは、この場で唯一、冷静であった。


私はローズに伝えた後、杖を持って玄関を飛び出した。すると、アネモネが2階の窓から飛び降りてきた。そして、私の肩を掴んで、

「フェル落ち着きなさい、ワイバーン種は高い物理耐性を持ってるわ。そしてこの街で、レッドワイバーンを倒せるのはあなただけなの、だから落ち着いて」私の真っ白になっていた頭はアネモネのおかげでいつも通りに戻った。いつもそうだ、学校でイジメられた時も、初めて命の危険がある戦場に立った時も

これじゃあどっちが従者か分かりゃしない。

「ごめんアネモネ、もう落ち着いた。だから、作戦をお願い」アネモネは私の方をじっと見つめた。ウソをついてないかどうかを区別する時のアネモネのクセだ。

「まず、私が速度上昇、体力持続回復、防護結界、の魔術を付与する。ただ、私の速度上昇だけじやワイバーンがブレスを吐くのに間に合わない。だから、あれを使って」(速度上昇はさっきアネモネが言ったとおり、防護結界は、ワイバーンが死んだ後の爆風に耐えるため、となれば残るは体力持続回復、ハッ)

「OK、了解」アネモネが手を合わせて「それじゃあいくわよ、スピードインクルージョン、ヘルスリカバリーデュレーション、プロテクティブバリア」その詠唱と同時に私も杖に魔力を込める、その瞬間身体が軽くなり、緑の結界とモヤが現れた。「補助魔術の三掛、さすがね、アモ」アネモネは少し目をしかめて、「その呼び方はやめてって言ったはずよ」

アモの言葉を無視して、私は魔法を放った。

「クライニーエクスプロージョン」瞬間、ドバァン、地面が爆発し、その爆風で私は空を飛び上がった、これは私とヒルデガルドが冥王から逃げるときに編み出したものだ。

私は体勢を整え、着地の準備をする。ザザザァ、(少し着地には手こずったけど無事に行けた。ワイバーンは今どこに、西の丘!!なんでそんなところにいや、待ってこの魔力の形、ヨウロウッ)ダッ、(急がなきゃ、魔力も使えないヨウロウじゃ軽減すらできない)ヒュウン、(お願い、間に合って)



???「すまんが利用させてもらうぞ」





(僕にとっては初めての魔物、けど、いくら何でもこんなドラゴンみたいなのは駄目だろ〜)

「ギャアオオー」「ハッ、ハッ」(落ち着け、

家まで逃げられれば母親がなんとかしてくれるはず)ギュウン、「えっ」僕の目に映ったのはドラゴンの翼だった。グシャァ、次の瞬間には、えげつない痛みと、蒼天の空、抉られた地面、そして血まみれの僕の腕、ドッ、ザザザァ、僕は何が何だか分からないまま地面に打ち付けられた。ただ、その時になって背中の痛みを感じた。「ゲホッ、何だ、今の。ハッ」何故僕はその時左手を見たんだろう、生物の本能なのだろうか、見なければまだこの痛みから少し逃げられたかもしれない。俺の左手は、千切れて地面の上に転がっていた。

「ウァァァ、痛い、焼ける、ァァァ」(生前で感じた死ぬ直前よりも痛い、そりゃそうか俺即死だったし、へぇ、転生した後の走馬灯って、前世の記憶なんだ。...けど、悪いな神さん、俺はまだ諦めたくねぇんだよ!!)「まだ、何者にもなってねぇんだよ!」精一杯の大声を出したつもりだったが、かすれた、覇気のない声だった。(考えろ、オレが今持ってるのは、護身用にと持たされてるこのナイフだけ)僕は腰にある小さなナイフの柄を掴み、ナイフを抜いた、(たぶん、あいつは油断してる、そんでもってこういうドラゴンは頭の天辺とかに弱点があるもんだ。とにかく、あいつの上に乗れれば、勝機はある)「グ、ゥゥゥ

やっぱり痛ぇな」チャキン、僕はナイフを逆手に持った。「僕の唯一のアドバンテージである、前世の知識をフル活用させてもらうぜ」

ドッドン、ブワァ、僕はドラゴンの尻尾のほうに回り込み、尻尾を伝って駆け上がる。(やっぱりできた、転生者としての素質なのか、

身体が柔軟だから出来たのか。僕がさっきしたのはカカトで加速した後、さらにつま先で踏み込み加速する、どっかの漫画で見た走法だ。)さっきと同じことを繰り返して、加速し続けた。尻尾が背の付け根につく直前、僕は上に加速した。「初めてだ、空に浮くのは」(それにしても左腕が痛い、しかも出血が多いせいか頭がクラクラする。身体か小さいせいだな)僕はドラゴンの背を走る。そしてジャンプして、「オラァ」バキッ、なってはいけない音がした。平気だと思っていた僕の体は、目の前の折れたナイフという現実に耐えきれなかった。前世の僕なら、「まだだ、何か、手が」

ブゥン、「グァ」ドラゴンは、体を捻って、僕を振り落とした。(クソッ、一回離されたら、もう)フワッ、トッ、「おっお父さん」


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