表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/20

僕たちだけのべっそう!


たぶん2時間後…



「よし。無事に着いたぞ。先にソラを。」


「ええ。」


長ーーく走っていた車がようやく停まって、スヤスヤといい笑顔で寝ている僕を抱きかかえたままお母さんが先に車から降りて、ちょっと遅れてお父さんも車から降りる。


「よかった。訪れたのは2年前の冬休みの時以来だったから何も変わってない。」


「ソラを寝かしつけたら手伝ってくれ。このたくさんある荷物を運ばないと。」


「分かってる。」


バタバタと忙しく動く音を僕は聞きながら、


「ソラ。朝まで寝てていいからね。大丈夫よ。」


「此処は私が住んでいた家よりもとても極めて安全だから。」


ソラ「ぐー…。むにゃむにゃ…。」


「ふふふ。」


太陽が昇る時間までスヤァーと寝ていました。



ーーーーーーーーー



朝。



ソラ「ふぁーーー。よく寝たーーー。」


ソラ「あ。ここ僕の部屋だ。この木の香りと部屋の全体から見て…やったぁ!」


ソラ「大好きな【べっそう】へ連れてきてくれたんだーー!!うれしい!!」


本来の起床時刻にベッドから起き上がった僕。

目を開いてすぐにここは自慢の【べっそう】に来ている事に思わずガッツポーズを取っちゃった。


ソラ「お家のお部屋よりもいいんだよねー!広いし!僕とお母さんとお父さんだけの秘密基地なんだもん。」


ソラ「それになによりも!」


わーい!うれしい!!此処大好き!!この自然の中ならではの良い木の香りなんだもん!


ソラ「よーし。此処に来た以上アレを見なくちゃ!」


ソラ「恒例のアレをしなくちゃ、僕の1日は始まらない!」


と、僕はベッドからピョーンと降りた直後に駆け足でお部屋内の窓へと向かって、そのまま繋がっている二階のベランダへと踏み入れる。

そこから見える景色は、


ソラ「わぁー…。」


見渡す限りの広い緑一色の森と、青みに見える数々の山々。

そして今いる自慢のべっそうの長い坂道から繋がっている遥か遠くの街。


その街の彼方此方からゆらゆらと揺れている…


ソラ「わぁー。【キラキラ】だ!【赤いキラキラ】が街のあちこちに揺れてるー!」


僕だけの特別な目に映る【キラキラ】。

動くたびにモジャモジャしてて、常にお日様の光でよりギランギランに輝いているこの光景こそ、


ソラ「きれぇーー。…。」


ソラ「美しく輝く【宝石】みたい。きれいだなぁー。」


僕だけの自慢の目。

とても美しく常に輝く宝石として見えるから。



ーーーーーーー



その後、


「ソラ。この紙に書かれている事を良く読んでおいて。此処に長く滞在する予定だから。」


「ママ達は少し遠めの街に行って買い出しに行くから、戻って来るまで【誰も家に入れないように】ね。」


ソラ「分かった!お母さん!ごはんおかわり!!」


「ええ。」


「よく味わって食べるんだぞ。ソラ。」


ソラ「うん!」


一階に降りた僕は広いリビングでお母さん手作りのご飯をいっぱい食べる!

美味しい!!お母さん手作りのオムライスがとても美味しい!おうちのご飯よりもとても美味しく食べられる!!


ソラ「お母さん。お父さん。どれぐらい居るの?此処に?」


ソラ「できればたくさん過ごしたいよー!お母さん!お父さん!!」


「大丈夫よ。学校のお休み以上に長く居れれるから。」


「とにかく此処に居てくれたらいい。絶対だからな。」


ソラ「やった!約束だよ!」


「ええ。」


「もちろんだ。」


好物のオムライスを食べる度にお母さんとお父さん笑顔を浮かべてくれる!

そして紙に書かれていた決まり事と、お母さんとお父さんの口約束を絶対にするから!


ソラ「(明日からべっそうぐらしの本番だ!)」


ソラ「(決められた約束は絶対に守らないとね!そうでしょ?お母さん?お父さん?)」


お腹いっぱいになった僕はそのまま二階のお部屋へと戻り、しっかりと歯磨きをしてふかふかのベッドへと入った。


ソラ「おやすみぃー…。…ぐー。」


いつもの朝までお眠りタイム。

明日から決められた約束事をやるぞーー!


そんなまったりべっそうぐらし生活にワクワク全開の僕と真逆だったお母さんとお父さんは、


「これだけじゃ足りない。もし俺たちが向かう先で食糧が無かったら…」


「その時は覚悟を決めるわ。まだ食べ盛りのあの子だけは絶対に飢えさせたりはしない。」


「どうしようもない時は…貴方、お願いね。」


「…。」


二人とも深刻そうな難しい表情でべっそうから出て、停めていた黄色い車のあちこちに付着していた赤いキラキラを見ず真っ直ぐに車へ乗った後、べっそうに僕ひとりだけを残して長い坂道を降っていった。


その瞬間から…





お母さんとお父さん、あの日たくさん食べた最初の日以降べっそうに帰ってこなくなった。


続く。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ