言葉がキツくて怖いお婆ちゃん
21日目、
ソラ「……朝だ。ん?こ、これは!!」
ソラです。べっそう生活21日目に入ります。
いつも通りにベッドから起き上がった時、僕の目に映った光景を見た瞬間わっと声をあげちゃった!
その理由はもちろん!
ソラ「おお!!僕の部屋が赤いキラキラまみれだー!!ということはお父さんとお母さんの部屋もー!?」
僕の部屋が赤いキラキラで満たされて、床の至る所に白いキラキラと一点の黒いキラキラが僕を見つめている感じがするけど、僕は気にせず直ぐにベッドから飛び降りてお父さんとお母さんの部屋へと入る。
そこも当然!
ソラ「やったぁ!キラキラだ!!お父さんとお母さんの部屋全部キラキラまみれだーー!!」
ソラ「やっと夢の宝石みたいに輝くキラキラのべっそうができたーー!!」
床も天井も独特な形をした赤と黒のキラキラで埋め尽くされていて、僕は一階へ降りる合間により嬉しく高まるよう何度も回ったり、跳ねたりした。
ソラ「うん!美味しい!!やっぱりこれこれ!!」
ソラ「ここだけ妙に硬いなー。んんー!!っしょ!!」
そしていつもの味が戻った美味しい生ハムとパンのごはんを食べて、食べている生ハムのお肉の一部が硬い所があったけど、僕は力一っぱいにかむ歯へ力を入れてバキッとなんとかかみ切る事ができた。
その直後、
ソラ「あ。」
思いっきり力を込めてかんだのがいけなかったのか僕の歯が1・2本抜け落ちてしまい、抜けた歯のところから血独特の鉄の味がブワッとぶくぶくと泡みたいに出てくる感触を受けた。
ちょっと口の中が気持ち悪いので、
ソラ「いけないいけない。早くお薬とアメと一緒に…ん!」
ソラ「……。」
僕は急いで守りの薬と満腹になる虹色のアメを一気に入れて、バリバリと歯が抜けた所から出ている血の味と薬の苦味、アメの甘味がごちゃ混ぜになってしまうが、僕はがんばって血の味がなくなるまで薬とアメの味を長めに味わい続けた。
ソラ「(そろそろいいかな…。)…。」
長く口をほおばりなめ回し続けた僕は、ある程度血の味が収まった…ところを見計らって口の中で解けた薬とアメと一緒にゴクンと飲み込んだ。
ソラ「ふう。歯みがきをずっとしてないせいかなぁ。なんか僕のお口の中、変な感じがする…。」
ソラ「お母さん。お父さん。応えて。…。」
ソラ「…。……。………。」
口の中もそうだけど身体のあちこちに違和感を感じる。でも僕は家族を第一に求めちゃう。
お父さん、お母さん。お願い。こういう時、僕どうすればいいの?
僕はふとお薬の瓶へと目を向ける、その中を見てあっと声を上げた。
それこそ、
ソラ「お薬…後3つしかない。」
ソラ「どうしよう。守りの薬がなくなったら僕は…。…。」
お父さんとお母さんがべっそうから離れて1日目からずっと飲んできた守りの薬。
もう明日で無くなってしまう。もし無くなってしまったら…
ソラ「…いや、1日1回半分こにして飲めばいい…かな!」
ソラ「大丈夫。まだいっぱいある虹色のアメと一緒にすれば!うん!大丈夫大丈夫!!まだいけるぞー!!」
いや、大丈夫。やり方を変えればいい。
こういう時頭を使っていけば!
ソラ「残り6日!6日あたりなら絶対に!!」
お父さんとお母さんがようやく買い物先から戻ってくるはず。
だから元気に二人を出迎えなきゃ!!
ーーーーーーーーー
べっそうの外へと出た僕は、
リクト「おはよー。相変わらずスゴい事になってるねー。此処ー。」
ソラ「おはよう御座います。リクトお兄さん。?スゴい事になってる?」
出て直ぐの中庭でひとりマルバツゲームを枝一本でしゃがみながら遊んでいたリクトお兄さんがいて、更に少し離れた所に綺麗な着物を着た白目のおばあちゃんがカッコいい両手組みの立ち方をしていました。
アマノ「此処からみりゃええ。アンタの家、スゴい形になってるよ。ホラ。」
ソラ「?おばあちゃん?誰?」
リクト「ああ。ごめんごめん。その人は俺のお婆ちゃん。アマノ婆さんだ。」
アマノ「ああ先に挨拶すべきだったねぇ。ワシャはアマノ。ウチんとこのモジャ頭とそいつ。短い間だがまぁ世話になったそうじゃないか。」
ソラ「ソラです。僕も「それよりもこっちに来な。アンタが住んでいるその家、とんでもない姿になってるよ。」え。」
アマノ「はよ来な。アンタにはしっかりと見るべきだよ。つか全身血生臭くてたまらんねェ。」
アマノ「ああ。そうか風呂入ってないからか。痩せてるし、歯も赤汚いし、現在進行的に不健康の身体になってるねェ。」
リクト「ちょ、ま。言い過ぎ言い過ぎ言い過ぎ言い過ぎ。」
ソラ「…。」
僕は初めて会った瞬間からキツい言葉をバンバンかけてくるおばあちゃんを見て少しなんか嫌な人だと感じたけど、これ以上お婆ちゃんを怒らせたくないと思ってすぐに手招きする場所・坂道の道路へと駆け寄る。
僕はおばあちゃんが見上げる先へ顔を上げると、
アマノ「アンタの目には赤くて伸びている大きなキラキラだろう?だがワシャらの目は【気色悪いほどの歪な肉の木】なんじゃよ。」
ソラ「…。」
赤いキラキラまみれになったべっそうの屋根に大きなキラキラが一本の木みたいに伸びていて、その先端部分のキラキラがゆらゆらと静かに揺れているのを目にした。
でもおばあちゃんの目には、
アマノ「屋根の上から大きな肉の芽が伸び出てきた所じゃい。あれがもし開花したらきっと最悪な事態を引き起こすだろうねぇ。」
リクト「お婆ちゃん。相手は子供だよ。いきなりキツイ言葉かけないでまずはさー…」
アマノ「アンタは一旦黙りな。んで、これからずっとこんな気色悪い肉まみれの場所に住むつもりかい?」
ソラ「え。」
本来の…ニジおじさん達にとって本来の姿が見える現実の世界には、僕が見ているキレイに輝くキラキラと違ってとても醜くて恐ろしい生きた肉の光景を映していた。
アマノ「今からでも遅くないよ。早くここから離れな。手遅れになる前に一歩でも遠く此処から立ち去りな。」
アマノ「早●したいなら別にいいけど、これも全て自己責任。敢えて言っておくけどアンタの両親はねぇ…」
ソラ「え。お父さんとお母さん、見つけたの!?何処に!?」
リクト「(おいおいおいおい。此処で言うのーー!?言っちゃうのーーー!?より心閉ざしそうーーー!?!?)」
唖然としている僕に容赦なく言ってくるそのイヤそうなおばあちゃん…ううん、現実的に言っているおばあちゃんの直球な言葉はとてもキツくてつい…
僕は、
ムラクモ「これこれ待ちなさいなァ〜。おばーちゃん。そこはソラ君自身が向き合ってからにしてちょーだいよぉ〜。」
カイド「そうじゃそうじゃ婆さん。いきなりドストライクにやるもんじゃないわい。」
ニジ「カイドさんの言う通りです。そこはソラ君自身が決める事ですよ。」
ソラ「ニジおじさん!それにカイドおじいちゃんにムラクモおじさん!!」
すると僕の後ろからニジおじさん達が遅れてやってきて、僕はつい涙がまぶたの下に出ているのを見て、それを見たニジおじさんが駆け寄って僕をそっと抱き上げてくれた。
と、それを見たおばあちゃんが軽く両手をわざと上げてため息を吐くと共に、
アマノ「ったく。これだから過保護な男は。子供相手に甘すぎるんじゃい。」
アマノ「しっかり現実をこの子に教えなきゃ近いうちに●ぬぞ?」
ニジ&カイド&ムラクモ「…。」
アマノ「うえー。流石俺のお婆ちゃん、爺ちゃんよりもえげつねっ。」
ソラ「…。」
おばあちゃんは踵をかえしてべっそうから立ち去っちゃった。
ーーーーーー
僕は立ち去ったキツいお婆ちゃん…ううん、アマノおばあちゃんのキツすぎる言葉に何度も言われてちょっと気が沈んだけど、
ニジ「ソラ。大丈夫だ。今はあの婆さんの話の理解はしなくていい。でもいずれはしないといけない。」
ニジ「そのためにも一歩でも踏み出す【小さな勇気】を得ないとな。」
ソラ「小さな、勇気…。」
ニジ「そ。だから…」
僕はニジおじさん達が懐から取り出したペットボトル。ふと僕が触れると温かいお湯を感じた。
僕は思わず目を大きく開けて、
ニジ「随分と待たせてしまったな。んじゃ、あそこでじゃばじゃばするぞ。」
カイド「くはははははははは!野郎しかできぬ外風呂を小僧と一緒に満喫するじょおーー!!」
ムラクモ「髪の毛カチカチだねぇ〜。痒かったでしょぉ〜?」
ソラ「う、うん!何度も頭かゆくて、手で何度も髪の毛ごとぐしゃぐしゃしてたから。」
リクト「んじゃ尚更だ。パッとキレイにさっぱりさせよう。」
ニジ「着替え用の服あるからポーンと脱いじゃいなー。その間俺センシティブガードしとくんで。」
ソラ「せんし?わかんないけど、待ちに待ったお風呂お風呂!!えい!!」
リクト「ちょ!?秒脱ぎーーーー!?つか此処遮り物ナッシングな坂道道路よおおおお!?!!それどこかで見たことあるようなぁーーー!!?」
僕はパパッと服を脱いで裸…その瞬間ニジおじさんとカイドおじいちゃんが急いで多重分身するように僕の姿が隠されちゃった。
カイド「リクトォーー!!ニジィィ!!はよ高速分身ガード!!センシティブガードせぇぇぇえい!!この立派なソラ君のセンシティブを野生に晒すわけにはいかぁぁあああん!!」
ニジ「もうやってるっつーーのぉおおおお!!!!つか何度もセンシティブ繰り返すなって!!」
リクト「つかせめてべっそうの中庭でええええええ!?」
ムラクモ「はいはい高速分身センシティブガード組頑張ってねぇ〜。アッシはお医者さんとしてソラ君のお身体綺麗にするよぉ〜。」
ソラ「わーーい!」
僕は多数のニジおじさんとカイドおじいちゃんとリクトお兄さんの分身の壁の中でお外お風呂をし、ムラクモおじさんの丁寧な洗いで僕の身体を綺麗にしていく。
その間、
ムラクモ「おーおぉーーー。こりゃスゴい血の香りだねぇーーー。いっぱい染み付いてるよォ〜。」
ソラ「ありがとうございます!んふーーー!!気持ちいいーーー!!」
ソラ「…血の匂いはしないんだけどなぁー。自分の血の味ならわかるけど…。」
ムラクモ「…。」
ニジ「…。」
カイド「…。」
リクト「…。」
僕のポロッと出た言葉に一瞬ニジおじさん達が静かになった。
けど次のムラクモおじさんの言葉で、
ムラクモ「そかぁー。じゃ、今でも守りのお薬、飲んでるんだね?」
ソラ「うん。後3つぶんしかないけど、明日から半分に割ってアメと一緒に飲む予定だよ。」
ソラ「お父さんとお母さんが戻ってくるまで、なんとか持ち堪えるんだー。」
ソラ「夢のキラキラになったキレイなべっそうで、今度こそ家族全員幸せに過ごしたいんだもん。」
ムラクモ「いい夢だねぇ〜。じゃぁこれだけ約束してもいいかい?」
ソラ「?」
久々に身体がピカピカ髪の毛もふわふわになった僕は、ニジおじさんが持ってきてくれた新しい服…ニジおじさん曰く「アマノ婆さんがソラ君のために作った手作りの編み物服だよ。」へと着替えると同時に…
ムラクモ「もしその半分に割った守りのお薬を飲んで鼻血又は血涙が出たらすぐに言って欲しいねぇ〜。」
ソラ「もし出たら?」
僕は、穏やかな笑みを浮かべていたムラクモおじさんが一瞬だけ真剣な顔を見た途端、
ムラクモ「医者として【服用を止めるように】言っておくよォ〜。」
ムラクモ「なんにせよソラ君が飲んでいるお薬【15歳未満は服用禁止】の激薬だからねェ〜。」
ソラ「え……。」
僕はほんの数秒だけ時が止まったかのように、唖然と立ち尽くしてしまった。
続く。
べっそう生活21日目。
言い方がとてもキツくて怖いお婆ちゃんがやってきた。
その人はリクトお兄さんの祖母でカイドおじいちゃんの奥さまだって。身長はカイドおじいちゃんと同じで、歳はなんと108歳…スゴ。
白い目は若い時に失明しちゃったらしいけど、普通に見えてるそう。
久々に外お風呂をニジおじさん達がやってくれて気持ちよかったー!
その後のムラクモおじさんの言葉…なんだか不安になってきた。大丈夫かなぁ。




