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見えなくても近くにいるのはわかってるよ

20日目、



ソラ「…。」


ソラです。今起きたけど眠たいです。

なんだろう。朝の起きる時間だというのに、今日に限ってずっと寝たい気分…。


ソラ「(起きてごはんとお薬…食べて、飲まなきゃ……)」


ソラ「(でも動かないなぁー。今日に限って…。降っている雨の音が心地よいからかなぁ…。)」


ソラ「…。」


ベッドの中で聞こえる外からの雨音と、べっそう全体を覆う赤と黒のキラキラのプチプチ音が心地よい。

今日は思いっきり次の朝まで寝ちゃおうかな。


そう思っていた僕に、


『いいのよ。ソラ。今日までずっと別荘でやる事を一人でやってきたから。』


『このまま次の日の朝まで寝ていなさい。お母さんが側で見守ってあげる。』


ソラ「お母…さん。(また聞こえる。見えないけど声だけは聞こえる…優しいお母さんの声。)」


『えらいわ。ソラ。本当にお利口。』


姿は見えないけど声だけはずっと近くから聞こえるお母さんの声。

僕はただこの優しい時のお母さんの声がとても好き。

優しいお母さんなら、ずっと甘えられるもん。


『此処に絵本があったら読み聞かせできたのに。ごめんねソラ。』


ソラ「うぅーん…。ぃ…ぃの、…お母…さ……ん…。」


ソラ「側に…ぃる…の……わ、か……る。」


『あの日急いで此処に来たから、荷物のほとんどが必要最低限しか持ち込めなくて…』


『いっぱい食べるソラの為にごはんをもう少し詰め込みたかったけど…もういっぱいいっぱいだった。』


『でも、貴方は今満たされている。これも私とお父さんのおかげよ。』


ソラ「わか…て、る…。」


僕は姿の見えない声だけのお母さんへと眠気の中で短く応えて、赤くて暗い僕の部屋を瞼が完全に閉じる手前の小さな目で映した。


その瞬間、


ソラ「?」


一瞬だけだった。

僕の部屋…床や壁から徐々に外から中へ向けて滲み出ていた赤いキラキラと白いキラキラが、赤くてうごめく何かのお肉に、そして床には僕を見つめるたくさんの白い目が僕の目に映った。


ソラ「…(気のせいかな?…ぁあ、眠たい。)」


しかし直ぐに赤いキラキラと白いキラキラへと戻って、僕は気のせいかなと思いながら口から出た大きなあくびと一緒に再びベッドへと沈んで、次の日の朝が来るまでおやすみなさいした。


深い眠りの底へと落ちる僕は、


ソラ「心地良いな。本当に。」


ソラ「やっぱ僕は、この夢が好き。ずっと不思議なお水の中で浮かんでられるもん。」


ソラ「ニジおじさん達にも、この夢を見させたいなぁ…。そうすればみんなで。」


ソラ「…。」


再び音も光もない僕だけの夢の世界へと入って、ひたすらこの浮遊感を感じながら夢の1日を満喫していった。




ーーーーーーー




一方、べっそうよりもより遠方にある赤いキラキラに侵食、壊滅した街中で…


ニジ「見っけた。ソラの両親が乗っていた車っと。」


「絵に描かれていたものと一致か。ニジ。」


ニジ「ああ。」


ニジおじさんと同行していた足下まですごく長ーーい白髪の量をしたアジサイ色の綺麗な着物を着たスゴい眼光をしてる仁王立ちのおばあちゃんがいて、ニジおじさんは前にムラクモおじさんが教えてくれたえんせ…とかの冒険中にようやく見つけた僕の家族…お父さんとお母さんが乗っていた黄色い車を見つけていたのです。


「フェフェフェ。開ける際に気をつけなぁ。最悪バクッと逝くかもよぉ〜。」


ニジ「食われる前に捻り潰すだけです。【アマノ(ばあ)さん】。」


アマノ「ヒヒヒ。」


ニジおじさんは止まっていた黄色い車のドアを開けると、


ニジ「…赤いキラキラで満たされていますね。」


アマノ「ここまでタップリと詰められてんのに活発化してないんだねぇ。人工の有機物に寄生したソレは奴らにとって好む物。」


アマノ「ここまで食い尽くされちゃ、中の人間は侵入してきた奴らに食われ、得た際の栄養で何度も体積を増やし膨張させながら車ごと寄生した奴らに、全身諸共吸収されたと考えた方がいいねぇ。」


ニジ「…。」


車の中全てが赤いキラキラで詰め込まれるようたくさん入っていて、ニジおじさんは念のために後ろのバックドアや前のボンネットも素手一つで開けて、どこも赤いキラキラで埋まっている事にニジおじさんは小さくため息を吐いていました。


ニジ「…ソラに何て話せばいいのやら。」


アマノ「例え嘘で上手く誤魔化せても、いずれは事実を知るようになる。」


アマノ「この日まで得るべき知恵が少ない子供は本当に残酷だ。そもそもこの世界になった以上、【戦い】を前向きにせにゃ悲惨な末路を辿る。」


アマノ「真実という現実に向き合わなければ、あのソラという子、この先生き残る事すら叶わんぞ?ニジ?」


ニジ「アンタ本当に容赦ねェな。辛辣すぎだろ。もぉー。」


アマノ「現実的に言っただけさぁ。フェフェフェフェフェ。」


ニジおじさんは高々と腕を組んで笑っているおばあちゃんへと軽く返して、ニジおじさんはもうキラキラで詰まった黄色い車を背に立ち去ろうと歩いた。

その時、


ニジ「このさきどう生きていくか、俺はソラの選択に尊重しようと思う。」


ニジおじさんの背後へ向けて開けていたままの黄色い車のドアから、赤と白のキラキラの細い物体が突き刺す勢いで飛び出すも、ニジおじさんは背を向けたまま左手だけで掴み止める。


ニジおじさんは左手だけで掴み止めながら、不敵に笑うおばあちゃんへと言葉を返して、


アマノ「ほお。例え最悪な選択をとってもぉ?」


ニジ「構わないさ。選択は時と場合によって状況が変わる。だからどんな事があっても俺はソラの選択を否定しない。」


ニジ「でも…な。」


ニジおじさんは背を向けたまま掴み止めた赤と白の物体をそのまま刃物を砕く音で握り潰し、それを見た黄色い車の中に詰まっている赤いキラキラが急にガタガタと動き出して、中に詰まったキラキラが、一斉にニジおじさんに向けてたくさんの細長い赤いキラキラを出し、なんとしてでもニジおじさんの体にグサグサさせたい勢いで襲う。


しかし、


ニジ「俺は、信じたい。信じたいんだよ。」


ニジおじさんの身が一瞬で消えて、たくさん伸ばし出した細長い赤いキラキラ達がどこどこ風に右往左往に細いキラキラを動かす。


ニジ「訪れる大事な選択を間違えずに、【生きて】選ぶ事をな。」


その一方のニジおじさんはスゴい高い位置へと飛んでいて、高い建物以上に飛んでいたニジおじさんはその下に止まっている黄色い車へ向けて丸めた左拳を大きな身体と共に捻り回ったと同時に、


アマノ「アマアマねぇ。ニジ。そんな阿保らしい王道漫画的な有り得ない二次創作にありがちな展開、今の現実的に来ると思う?」


ニジおじさんの丸めた左手から青い光が発した瞬間、黄色い車に向けて青い光を投げ落とし当たった黄色い車含めて近くの建物ごと一発で吹き飛ぶよう青い光と共に爆発し、まるで核ミサイルが落ちてきたかのような威力で、建物だけでなく広がったキラキラごと爆発の衝撃波で粉々にくだけ散っちゃった。


ニジ「だから信じるんだよ。アマノ婆さん。俺は、ソラを信じる。」


広範囲に黄色い車ごと街半分吹き飛ばし大きな陥没を作ったニジおじさんがかっこよく道路へと空中一回転しながら着地して、その近くで座って見ていたおばあちゃんが両手パンパンしているニジおじさんへと、


アマノ「…。まだまだガキねぇニジ。いい加減利巧な大人になりな。」


ニジ「なんだよ。35でも夢と希望持っちゃいぇねェのか?アマノ婆さん?」


ニジ「アマノ婆さんだって心の底は心底ソラを心配してるくせによ。」


アマノ「フェフェフェ。クソガーキが何を言ってんだか。」


呆れながらもその内側は僕の身を案じている何とも言えない表情で、ニジおじさんの大きな背中を見つめていました。



続く。

べっそう生活20日目…


キラキラ、キラキラ、キラキラ…

お母さん声は聞こえるけど姿は見えない。どこ?どこ?どこにいるの?

お願い。一瞬だけでいいから見せて…。


これがもしも僕の幻覚でマボロシなら…ニジおじさん…僕、どうすればいいの?

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