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wonder hole -last player-  作者: にゃこ
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123/164

高みへ-4


キシュとフウゼツの動きは厄介極まりない。

仲間たちの中でも群を抜いて身のこなしがよく、サマーティーとは違い機動範囲が広すぎる。

広域でダメージを与えられたとしてもあまりダメージを与えられない。かと言って一点集中の攻撃をしてもかわされる可能性の方が高い。

時を止めることができれば攻撃を確実に当てられるのに…。


けれども無いものねだりなどしている暇はジョージにはなかった。時間内に勝つことだけを考えなくてはいけないのだから。


2人が繰り出す攻撃はコロッツィオの魔法障壁と防御障壁がなければ体制はさらに厳しくなっていただろう。しかしランダムに繰り出される魔法攻撃と武器攻撃に唱えては砕けを繰り返すばかりでコロッツィオの動きが縛られていた。

魔法と打撃を併せ持つ障壁魔法をかけることができれば少しは楽ができるのだが、コロッツィオはまだその魔法を習得できていない。

後回しにしてしまったことを今になって悔やんでいた。何かを極めるのもいいが、キシュたちのようにバランスの良い使い手もいるのだ。


「守りに徹するのもダメよね…」




必死で攻撃を繰り出すジョージ。

魔法障壁が切れかけている。

このタイミングでコロッツィオは障壁の補填をしてくれているけれどもそれがない。


ペアーの行動パターンが変わった。


それが何を意味するのかすぐに理解し宙を舞うのをやめて、コロツィオの元へ戻る。アイコンタクトで伝え合うと、すぐに宙へと飛ぶ。


もちろんその行動はキシュとフウゼツも相手が勝負に出たことを理解させるのに十分だ。

コロツィオが時を止めることが出来るのはフウゼツからは聞いていた。このタイミングでコロッツィオが時を止めてジョージが攻撃を繰り出すことくらい安易に想像がつく。


そうなればどう動くのがベストか?

頭のギアが全開で回転する。


− 自分ならまずは敵を減らす。

なら誰を真っ先に潰すか??

それは弱い方…自分。

時を止められればどうすることもできない。相手に守ってもらわなければ…


すぐにフウゼツの元へ駆け寄り告げる。


「わかりました!」


そしてその時は来た。

体が全く動かなくなったのだ。声も出せない。


空からのジョージの攻撃。

フウゼツの鎖鎌での攻撃を受けてもなお、止まることはない。振り下ろされる槍を鎌で受けるも重さに耐えることはできない。フウゼツ・キシュ共にダメージを受けるが、なんとか2人とも無事に立ち上がることはできた。


けれどもその読みは果たして正しいのか?

その答えはこの2人であれば正解であった。


素早い動きを得意とする2人は回復に対する行動も早く体制をすぐに元に戻し、普段通りの攻撃パターンを繰り出したのだ。

時空魔法を使ったコロッツィオは魔力の回復に時間がかかり、ジョージに対する魔法障壁の追加が追いつかなかった。しかし、ジョージとコロッツィオの壁が崩壊することはなかった。

武器によるコロッツィオへの攻撃をジョージが妨害し、思っていたほどのダメージは負わせることができなかった。


終わりを告げるグビドの声。


息が上がり立っていられなかった。

膝に手をつき目に移るのはした垂れる汗が落ちた跡。


「いい感じだな。」


グビドの満足そうな声。

顔を上げるとグビドとサマーティーがいた。


「コロッツィオは停止魔法を使う場合もう少し工夫をした方がいいな。」

「かなり魔力消費しちゃうもんね…」

「俺らがサポートすればどうにかなるだろ。」

「そうね。けど停止魔法あれキツイわ。声も出せないんだもん」


申し訳なさそうに笑って謝るコロッツィオに笑って答えるキシュは逆に体験できたことに感謝した。


「にしてもキシュとフウゼツのペアー…やりにくかった…」


困ったジョージの声に同感!とコロッツィオが首を縦に振った。


「魔法はだすわ…武器で攻撃されるわ…動き読めないすぎだよ…。」

「あんなチョロチョロ動かれたら攻撃当てれる自信ないわ俺。」


サマーティーの不安そうな声。


「でもさっきみたいに動きを止められたら最後ですよ。」

「そうよね…。足を潰されたら私達終わりだわ…。そもそも私達体力も攻撃力も皆より低いし…」


フウゼツとキシュの言葉に嬉しそうなグビド。


「よくわかってんじゃねーか。お前らは足が命だからなんとかして守っとけ。」

「はい。」

「コロッツィオはもう少し魔力増量、消費量落とすためのトレーニングだな」

「はい」

「ジョージとサマーティーは体力上げる感じか…」

「はい。」

「あと魔法耐性を上げる防具を身につけた方が良さそうだな…そこはイザナに用意しといてもらう。」


皆新しい防具が手に入るかもしれないと言うことで嬉しそうに返事をした。

そして対戦型の訓練が終了となった。


マクリア・メソンへ向かう日は刻一刻と近づいている。レルエナに侵入しているミンキュとミリョウは毎日の報告で無事なようだったが、思った通りにことが進んでいない様子。


研究施設にシャザンヌがこもっていて手も足も出せないようだ。


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