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亀は空飛ぶサカナになりたい  作者: りろころ
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10/11

10. 亀の日常

こんにちは、亀です。


今日はほどよく温かく、気持ちのよい日にございます。こわっぱも、騒ぐこと無く集中して、大変快適といえましょう。


「あかいろが、はみだしちゃったよぉ!」


ああ、みなさま。残念ながら、良き時間は終わりました。ロケットを描いていたこわっぱが、けたたましく泣きだしました。


絵のロケットなどつまらぬもの。優しい私は慰めるように水槽の壁にはりつきます。


よう見ろ、こわっぱ。ロケットよりも素晴らしかろう!


「クリュー、ごはんたべたいの?」


食事係のこわっぱは、なぜか食事を差し出します。ものの分からぬこわっぱです。


ぽちゃん


「あ、落としちゃった。」


落ちた食事が水を含んでしまえば、水に溶けてしまいます。


このままでは水が汚れる!


急ぎ水に入って口に含めば、水の清潔さは保たれて。こわっぱめは、私に感謝していることでしょう。


ダンッダンッダンッ


地面が揺れる!


「みてみて、つきのうさぎ!」


こわっぱは、両手を頭に掲げて跳ね回り、うさぎと自称しており。


床が揺れれば視界も揺れ、脳に響く地鳴りは私から冷静さを奪うようでございます。


いい加減にせぬか!


転ばぬよう透明な壁に近づいて、抗議の声をあげましょう。おお。こわっぱと目が合うと、地震がおさまりました。


ふふっ。やっと静かになった。


ほぅと肺から空気を出して、食後のひと眠りに興じましょう。さぁ、みなさん、瞳を閉じて。


ドスンッ!


「近くで見たかったんだね!ぴょんぴょんぴょん!」


なぜかこわっぱは水槽前で。先より強い地震が襲います。


ああ、波にのまれてしまう!


私は強く目を閉じ思います。


我が宿敵はこわっぱなり!

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