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11. 湊太の願い
こんにちは、亀です。
みなさま、今日のテレビはなんだと思いますか。はい、ご明察です。いつもどおりのロケットです。まったく、いつになったら飽きるのでしょうか。
とことことこ。
暇な私は壁に沿って歩きます。
「ぼく、宇宙飛行士になりたいの。」
なにをいまさら。
これまでどれだけ見てきたか。それに気付かぬほど、私は呆けておりません。
こわっぱは瞳を揺らし、つとつとつと、と続けます。次第に顔はうつむいて、影が顔を隠してゆきます。
「もしなれたら。ながいあいだ、会えなくなるの。」
そうか。空は、よほど遠いのか。
波打つ声がこちらに届けば、私の心も揺らします。
寂しがりなこわっぱは、今日は奇妙に大人しく、調子が狂ってしまいます。これでは気軽に悪態さえつけやしないのです。
「クリューもいっしょがいいなぁ。」
ともに、か。
想像してみると、全く違和感などはなく。むしろそれがしっくりくる気がするのです。
私は了承を示すように、こわっぱと瞳をあわせます。
「約束だよ。」
首元に差し出された幼い手を、私はゆるりと受け止めます。
身体は大きくとも所詮は幼体。甘えるところはまだ治らないようでございます。
仕方がない。
ともに空を目指そうか。




