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39歳の平凡な中小企業(さつまいも生産・販売)の社長!農業スキルで異世界無双!  作者: 一年目の平凡な中小企業の社長


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第61話:雨を呼ぶ踊り子ニーニャ

「では、ニーニャさんに会わせていただけますか?」


「こちらです、どうぞ」


 族長に案内され、一行は族長の屋敷へと向かった。

 族長の家の一室。そこには、熱気に当てられ、ぐったりと衰弱したニーニャが横たわっていた。


「ツトム、わっちがベニ・ハルーカを食べさせてあげるから、ツトムはお部屋の外で待っておくんなんし」


「そうですわぁ。私も浄化の魔法で回復のお手伝いをしますぅ。ツトム様はお疲れでしょうからぁ、どこかで休んでいてくださいぃ」


「おいおい……二人とも、いいのか? 悪いな」


(ハル、シンシア、ナイスよ!要は接触させなきゃいいのよ。……それにしても、ツトムが新たな女子を惹きつける魅了の農家だってことに、今頃気づくなんて私もダメね!)


 ルカが内心で自らの油断を猛省していると、アイリスが街の通りを指差した。


「ツトム殿!あそこに涼しげな服が売っている。あれを買えば、今のこの……その、せくはら?とやらにならずに済むのではないか?」


「アイリス、それいいわね!ツトム、私たちに服買って!」


「俺も、今のこの格好は流石に……なんというか、落ち着かねぇんだよな」


 グライザまでが珍しく恥じらっている。アイラは一足先に氷の大地へ帰宅したため、今は五人(+ツトム)だ。


「よし。じゃあ、まずはルカ、アイリス、グライザの服を買おう。後でシンシアとハルの分も一緒に買いに行こうな」


 ツトムは部屋の中にいる二人に声をかけ、意気揚々と買い物へと向かった。


 一方、ニーニャの枕元では。 ハルが冷やしベニ・ハルーカをニーニャの口に運ぶと、彼女の身体が柔らかな光に包まれ、見る間に魔力が満ちていった。


「ふふぅ、もう少しで起きそうですわねぇ」


「わっちらのおかげで元気になったでありんす。後でツトムからたっぷりご褒美をもらうでありんすよ」


「そうですわねぇ。うふふぅ……そうしましょうかぁ」


 二人は顔を見合わせ、ツトムとの甘い時間を妄想して黒い笑みを浮かべた。


「……あ、あれ? 私、寝てたの……?」


 ニーニャがゆっくりと目を開ける。


「ニーニャ! ニーニャ、大丈夫か!?」


 駆け寄ってきた族長に、ニーニャは力強く頷いた。


「うん、もう大丈夫。身体がすごく軽いよ!」


 ニーニャは看病してくれた二人に「ありがとう」と微笑むと、ふと部屋を見渡した。


「他に、仲間の人はいないの?」


「ニーニャを助けてくれたのは、この二人と……あとは勇者様たちもいるぞ!」


「勇者様……? 私、会いたいわ!」


 ニーニャのキラキラした瞳に、族長は「今呼んでくるぞ!」と脱兎のごとく部屋を飛び出してしまった。


「あ……あーあー……」


 呆然とそれを見送るシンシアとハル。二人の「隔離作戦」は、身内の手によってあっけなく崩壊したのだった。


「勇者殿!娘が、ニーニャが目を覚ましましたぞ! ありがとうございます!」


 族長が息を切らして駆け寄り、ツトムの手を引いて屋敷へと急がせた。


「さあさ、戻りましょう!」


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