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39歳の平凡な中小企業(さつまいも生産・販売)の社長!農業スキルで異世界無双!  作者: 一年目の平凡な中小企業の社長


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第57話:氷の女王の贈り物

「よし、まずは耕すか!ハル、シンシア、手を貸してくれ!」


「はい、喜んでぇ!」


「わっちの手は、いつでもツトムのために空けてありんす」


 二人の手を握り、ツトムは精神を集中させた。


「土魔法、『カルチ』!!」


 凄まじい轟音と共に氷の大地がバリバリと割れ、その下から眠っていた土が力強く跳ね上がった。


 ハルの精霊の加護と、シンシアの聖なる浄化作用が混ざり合い、ベニ・ハルーカを育てるために最適化された黄金の土へと生まれ変わる。


「でもツトム!この猛吹雪じゃ、すぐにまた雪に埋もれて凍っちゃうわよ」


 ルカが心配そうに空を仰ぐ。ツトムは不敵に笑って答えた。


「ああ。だから今回はビニールハウスを建てようと思うんだ」


「「「「「びにーるはうすぅ……?」」」」」


 聞き慣れない言葉に全員が首を傾げる。


「土はなんとかなる。あとは、常に熱を出し続ける熱源……特殊な鉱石があればいいんだけど」


「それなら心当たりがあるぜ」


 グライザがニヤリと笑い、ハルが「あれでありんすね」と頷く。「太陽の石だな!」とアイリスが言えば、シンシアも「ああ、砂漠に伝わる秘宝ですねぇ……」と合点がいったようだ。


「太陽の石って何よ? どこにあるの?」


 詰め寄るルカに、グライザが目を輝かせて説明した。


「砂漠の街のさらに先、砂漠の洞窟に封印されている石だ。常に高熱を放ち続けるから、これがあれば氷の大地でも温室が作れる。……へへ、その洞窟の構造、一度拝んでみたかったんだ」


「よし、僕がアイラ様に事情を説明してくる。みんなは砂漠へ向かう準備をしておいてくれ」


 ツトムがアイラ女王に事情を話すと、彼女は静かに微笑み、自分の指から一つの輝く装飾品を外した。


「わかった……勇者よ。これを指にはめていくがよい」


「これは……指輪ですか?」


「氷の指輪じゃ。私をいつでも呼び出すことができる。……それを、左手の薬指にはめるのじゃ」


 ツトムは特に疑うこともなく、「分かりました」と左手の薬指に指輪をはめた。


「アイラ様、なんだか顔が赤いようですが……大丈夫ですか?」


「だ、大丈夫じゃ!早く行くがよい!」


 背中を押されるようにして部屋を出るツトム。アイラは火照る頬を抑えながら、小さく呟いた。


(あの指輪は、誰にでも授けるものではないのじゃが……。勇者は、その意味を理解しておるのかのぅ)


 ツトムが仲間の元へ戻ると、真っ先にルカの目が鋭く光った。


「……ツトム。その左手の指にあるやつ、何?」


「ああ、アイラ様がくれたんだ。アイラ様召喚用だって」


「なんで左手のその指なのよ!意味知ってるの!?」


「???」


 困惑するツトムに、ルカは深い溜息をついて吐き捨てた。


「……そこは『永遠の愛』とか『深い絆』を誓う指なのよ!」


(ツトムって、本当こういうことに関しては大バカなんだから……!)


 ルカは心の中で悪態をつきつつ、「あの女王、なかなかの策士ね……」とボソリと漏らした。

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