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39歳の平凡な中小企業(さつまいも生産・販売)の社長!農業スキルで異世界無双!  作者: 一年目の平凡な中小企業の社長


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第55話:美女たちと行く雪見温泉

「ツトム!まずはどこへ行くの?」


 ルカの問いに、ツトムは地図を指した。


「ひとまず、氷の大地を目指そう」


(流石に氷の女王まで仲間ライバルになることはないわよね……)


 ルカが内心でそんな淡い期待を抱いている横で、ハルが「温泉でありんす!」とキャッキャと声を弾ませている。


「ひとまず、ソボック村までルカの転移魔法で行こうか」


「じゃあ行くわよ!『トランス!』」


 一行が辿り着いたソボック村は、アンデッド騒動の傷跡深く、廃村となって魔物が徘徊していた。


「一応、浄化しておきましょう。聖魔法!『ホーリー』!」 シンシアが軽く唱えるだけで、村を覆っていた邪気と魔物は霧散した。


 さらに北へ進むと、うっすらと雪を冠した情緒ある看板が見えてきた。


『雪見温泉』


「まさか異世界で温泉に入れるなんてな……」


 ツトムは感無量といった様子だ。


「ちゃんと男湯と女湯に分かれているのもいいな」


(……危なかった。流石にあんな現代でも見たことがない美女ばかりと混浴なんてことになったら、僕の理性が保てる自信がない。間違いなく煩悩に負けてしまう……)


 だが、ツトムに魔の手が伸びる。


「少しくらい、いいわよね……」


 こっそり男湯に潜入しようとするルカを、アイリスとグライザが必死に羽交い締めにして止める。しかし、その隙を突いてハルが「ツトムのお背中流すでありんす!」と、一糸まとわぬ姿で男湯の暖簾をくぐろうとした。


「ちょっとぉ!待ちきなさいぃ!」


 シンシアが慌てて自分の体にタオルを巻き、ハルを制止しようと突っ込む。


「みんな、騒がしいぞ――うわっ!?」


 ツトムの叫びも虚しく、男湯に五人が雪崩れ込んできた。


「ハル!タオルを巻け!」


 ツトムは咄嗟に伏せ目になる。


「わっちは、ツトムになら見られても平気でありんすよ?」


「ダメだ、ダメ!!みんなも早く出ろぉぉぉぉ!!」


 ツトムは色んな意味で顔を真っ赤にし、怒鳴り散らした。


(ダメだ……煩悩が溢れ出してしまう。このままだとセクハラだ、セクハラで勇者退任させられてしまう! これはハニートラップか!?)


「ツトムに本気で怒られたでありんす……」


 しゅんとするハルを見て、ルカも反省したように呟く。


「やりすぎたわね、私たち……」


(……煩悩よ、出ていけ!邪念を払え!)


 ツトムは、タオル一枚から覗く彼女たちのあまりに発育の良い肢体を脳裏から消し去ろうと、必死に自分と戦っていた。


 温泉から上がったツトムは、火照りを冷ましながらグライザに言った。


「グライザ、温泉の後には、マッサージ機があると最高なんだがな」


「まっさーじき?なんだそれは、いいものなのか?」


「ああ。肩や腰を機械で揉みほぐしてくれるんだ。これがまた気持ちいいんだよ」


「ほう、後で詳しく聞かせてくれ。ドワーフ村の技術者と一緒に試作してみるぜ」


「あとは、コーヒー牛乳!なんかもあると完璧なんだが」


「ツトム殿、こーひーぎゅうにゅう?とは何だ?」


 興味津々のアイリスに、ツトムは説明する。


「コーヒーという飲み物に、牛や山羊の乳を入れて混ぜたものだよ」


「……こーひー?(確かに、カフェに紅茶はあったがコーヒーは見たことがなかったな)」


「苦味のある飲み物なんだが、牛乳を入れるとまろやかになるんだ。ちなみに、紅茶に牛や山羊の乳を入れても美味しいぞ」


「ほう!今度やってみるとしよう!」


 そこへ、風魔法で髪を乾かしたルカが寄ってきた。


「ねぇねぇツトム!私、何か変わった?」


「おお、ルカ。肌がスベスベだな」


「ツトム!わかるぅ!?そうなのよぉ、スベスベなのぉ♡」


 ルカがシンシアの口調を完璧に真似して答える。


「ルカさん!私、そんな喋り方してませんわよぉ!」


 頬を膨らませて怒るシンシア。そのやり取りに、一行の笑い声が雪見温泉に響き渡った。

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