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39歳の平凡な中小企業(さつまいも生産・販売)の社長!農業スキルで異世界無双!  作者: 一年目の平凡な中小企業の社長


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第48話:魔族の剣士『アレハンドラ』

「クックック……。貴様なら、必ずその女を庇うと思っていたぞ。本当におめでたい奴だ」


 影の中から現れたその異形の姿を見て、ツトムは目を見開いた。


「そ、その声は……アレハンドラか!?」


 だが、そこにいたのはかつての高潔な将軍ではない。全身から瘴気を放ち、肌はどす黒く変色した、魔王の眷属と化したアレハンドラの成れの果てだった。


「貴様を殺すために、力を得たい一心で毎日呪い願った……。その願いを魔王様が聞き入れ、力を授けてくださったのだ!」


「アレハンドラ……。そこまで、堕ちたのか」


 ツトムの言葉に、アイリスが震える声で叫ぶ。


「将軍!なぜ、なぜこんな真似を!誇り高き騎士であった貴方が、どうして魔族などに!」


「貴様だ、アイリス!貴様が大人しく我と婚姻しておれば、このようなことにはならなかったのだ!」


 アレハンドラの逆恨みに、アイリスは「ぐぅ……っ」と悔しさに唇を噛む。


「……だが、まずはツトムに傷を負わせた。今日の目標はほぼ達成したと言えるな」


 満足げに背を向けるアレハンドラに、ツトムの怒りがついに沸点を超えた。


「逃げるな! 全部、お前か……!? お前が、あの北の開墾地のベニ・ハルーカを、あんなにしたのか!!」


 ツトムの怒声に、アレハンドラは狂気を含んだ笑顔で振り返った。


「そうだ、全部俺だ!お前が作ったものが称賛されるたび、お前が女たちに囲まれるたび……俺は、お前を殺したいほど憎くて憎くて仕方がなかったんだよ!!」


 アレハンドラのあまりに身勝手で歪んだ告白に、ツトムは呆然と立ち尽くした。


「そんな……そんなことで、あんなに大切に育てた土を、作物を……」


 復讐のために無関係な人々や大地を犠牲にした男に対し、ツトムの口から漏れたのは怒りを超えた虚脱感だった。しかし、アレハンドラは勝ち誇ったように喉を鳴らす。


「だがな、ツトム……。お前の命も、もう長くはない。その脇腹の傷、ひどく痛むのではないか? クックック……たっぷりと、魔王様直伝の特効毒モトグサレを塗っておいたのだ!」


「毒……っ!?」


 ツトムが傷口を押さえると、そこからどす黒い紋様が血管を伝って広がり始めていた。


「ハッハッハッ!目障りで仕方がなかったのだ……貴様という存在が!じわじわと腐り落ちて死ぬがいい!」


 そう吐き捨てると、アレハンドラは嘲笑の余韻を残したまま黒い霧に包まれ、その場から掻き消えた。

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