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39歳の平凡な中小企業(さつまいも生産・販売)の社長!農業スキルで異世界無双!  作者: 一年目の平凡な中小企業の社長


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第44話:王都デート〜アイリス・グライザ・ハル編〜

「さて、次はアイリスだな」


 合流したアイリスの腰にある剣は、激戦を物語るようにボロボロだった。


(こんなにも一緒に、僕のために頑張ってくれたんだな……)


「よし、アイリス! 王様から報酬も頂いたことだし、新しい剣を僕に買わせてくれ」


 ツトムの提案に、アイリスはこれ以上ないほど眩しい笑顔を向けた。

 防具屋へ移動し、彼女が新しい盾や鎧を吟味している間、ツトムはふと青い宝玉が輝く『魔除けのペンダント』を見つけた。


(これをアイリスが持っていれば、少しでも魔物から身を守れるかもしれない)


 ツトムはそれをこっそり購入した。


「いやぁ、ツトム殿とのショッピングは楽しかった! 大満足だ!」


 満足げなアイリスは「次はグライザ殿の番だろう、早く行くのだ」とツトムを促す。だが、ツトムは彼女を呼び止めた。


「アイリス、その前にこれ。いつもありがとう」


 差し出されたペンダントを見て、アイリスは絶句した。


「ツ、ツトム殿……これは反則だろう……!」


 顔を真っ赤にし、瞳に涙を溜めて喜ぶアイリス。


(宝石を贈るということは……求婚プロポーズと受け取って良いのだな……!)


そんな彼女の勘違いも露知らず、ツトムは「喜んでくれてよかったよ」と微笑み、彼女と別れた。


 次は、カフェでグライザと合流した。


「ツトム、お前がいた世界には『くるま』という馬のいねぇ馬車があったんだよな。この世界でも作れねぇだろうか」


 グライザは前のめりに語る。スマーホの改良案や、オートカルチを凌駕する効率を持つ『トラクター』の構想まで。


「グライザなら全部形にできそうだな」


「ツトムの指示が良いからだぜ。……なぁ、いつかお前が住んでたところに行ってみたいもんだ」


 グライザの言葉に、ツトムは少し遠い目をした。


「じゃあ、いつか『タイムマシーン』を作れば行けるかもしれないな」


「たいむましーん……? なんだそりゃ」


 首を傾げるグライザに、ツトムは思わず吹き出した。グライザもつられて笑う。


「良い時間を過ごせたよ、グライザ。ありがとう」


 そう言ったツトムの顔に、ふと寂しさが過った。


(現代……今頃みんな、どうしているのかな。僕がいなくても、世界は回っているんだろうか)


 その心の揺らぎを察したのか、グライザが後ろからぎゅっと抱きついた。


「ツトム……何かあったら、俺に言うんだぞ」


「大丈夫だよ、何もないさ」


 最後は、王様が用意した高級宿で待つハルのもとへ。


「待ちくたびれたでありんすよ、ツトム……」


 部屋でくったりとしていたハルが、ツトムを見るなり駆け寄る。


「ごめん、待たせた。どこか出かけなくて良かったのか?」


「わっちは……ツトムと魔力供給ができれば、それだけで良いでありんすよ」


 そう言って、ハルが顔をぐっと近づけようとした瞬間――。


「「「それは絶対にダメーーーー!!!!」」」


 どこからともなくルカ、アイリス、グライザの3人がなだれ込んできた。


「魔力供給は手を繋ぐだけでもできるわ!」


「左様だ! それ以上の接触は許可せん!」


「それは流石にアウトだろ!」


 賑やかな抗議の声を聞きながら、ツトムは苦笑いした。


「ははは……。じゃあ、ホテルのレストランでみんなで晩ご飯を食べようか」

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