34【豊饒祭2】幻の妖精 顕現!
拙作にお立ち寄りいただきまして、ありがとうございます(>_<)
2日目を華麗にスルーして3日目です。……いえね、書いている途中で 蛇足というか後の展開の補足を通り越してネタバレ自爆を起こしそうになってしまいまして(´;ω;`)
初日の競技会を無難にやり過ごし、2日目の高等科の競技会では 救護班のお手伝いとして忙殺され……。
3日目の今日、午後からの模擬店で 売り子や大きな花の上に座ってお客さんに手を振ったりする置物当番を終え、休憩と宣伝を兼ねて 妖精姿で他のクラスや学年の出し物を見て回っている。
「まっ! なんて可愛らしい女の子たちだことっ」
「ふふふ。よく ご覧になって、一人は男の子の妖精さんよ」
「あらぁ、とても可憐でしたからてっきり。おほほほほ」
そんな会話をしながら、羽扇を揺らしたご婦人たちは優雅に通り過ぎてゆく。
そう。仮装といえば、ウォルセンの女装を期待した人もいるだろう。しかし、彼にはそんなもの必要無いのだ。代わりにウォルセンの女装を推していたクラスのお調子者(社会学でよく茶々を入れる1人)であるミリガン(真)が、なぜか プチラスボス風味な妖精女王にされていたけど。
(素のままで 女の子に間違われる可愛さってどんだけだろう……いや、まだ10歳。身長とか、これから伸びしろがあるのかも?)
葉っぱや木の実をメインに飾った 永遠の国に行けそうな男の子仕様の妖精服を着て、垂らし型のトンボの羽根を着けた妖精姿のウォルセンは 心なしか引き攣った笑顔だ。それでも可愛らしく見えてしまうのは、もう一種の才能である。
そんな彼と妖精女王……には貫禄の足りない 儚き妖精王女のような プラチナ髪も眩しい美少女ティタリアの存在感に埋もれる私は、きっと引き立て役として そんなに目立ってはいないかもしれない。 と、油断しきっていた。
「コルフルイの妖精だ……」
「コルフルイの妖精……あの噂、殿方たちの冗談なのかと思っていましたわ」
けれど。こちらを見る人々の間から、前にも聞いたような言葉が ちらほらと耳に届いた。
~*~*~*~
〔ウォルセン視点〕
僕たち3人は、かなり目立っていた。まあ、このメンバーでは仕方がないのだけど。それにしては 目立つことを好まないアーシャに余裕があるなと思っていたら……。
「コルフルイの妖精?」
薄々そんな気はしていたけどさ。アーシャは自分がそう呼ばれていることに気づいていなかったみたいで、隣を歩くティタリアに首を傾げて聞いている。僕とティタリアだけが注目されていると思っていたらしいね。
「あら? アーシャは知りませんでしたの? コルフルイの妖精は貴女の呼び名ですのよ」
「Σ( ̄ロ ̄;)……っ!!!?」
珍しい。普段は反応の薄いアーシャが、分かりやすく動揺している。今現在、髪の毛よりも少し濃い紫の生地に 透け感のある薄い生地を幾重も重ね、緑のレースやリボンで襟やウエストを飾った釣り鐘型の花を模したドレスに、瞳の色に合わせた色の蝶々の羽根(針金を仕込んで自立しているタイプ)をつけた妖精姿をしているんだから、自らその呼び名を喧伝しているようなものなんだけどね? 彼女はどこまで のんびりさんなんだろう。
(面白いほど狼狽えているね……っと?!)
「アーシャ?! 急に どうしたの??」
とりあえず ティタリア……の、後ろに行こうとして、何かに気づいた素振りをしてから 僕の背中にしがみついて隠れた。なるほど、羽根(ティタリアも蝶々だよ)の違いか。でも、逆に注目を浴びているみたいだけれどね。
「私が妖精扱い……恥ずか死ねる」
(それは珍しい死因だね)
アーシャに恥ずか死なれたら困るので、大人しく背中を提供しておく。頭だけで振り返ると、コルフルイ色の隙間から、赤くなった おでこが見えた。
(なんだろうね。この 面白い生き物は)
なんだか、必要以上に にこにこしてしまう。ティタリアも なんだか微笑ましげにアーシャを見ているから、顔が弛むのは仕方ない事なのかもしれないね。
そんな風に後ろのアーシャを見ていると、進行方向から 楽しい気分に水を差す無粋な声がした。
「邪魔だ」
(ああ……煩いのに見つかった)
不本意ながら聞き慣れた冷ややかな声に、僕は声の主を見るまでもなく、面倒な相手と出会ってしまったな と胸の内で不運を嘆いた。
ここに来てやっと出てきたこの御方。声の主はどなたでしょうね~(*¬v¬)
[おそらく予想を裏切らない設定]
《プチラスボスな衣装》
とある黒い天使に対して「絶対可愛いから! 似合うから!! 」と、魂の叫びを上げて 天罰を下された愚か者の装備。自ら描いた予想図を、仕立て屋の持つ自身の衣装のデザインとすり替えられていた(仕立て屋は見て見ぬふりをしていた)という、完全なる 身から出た錆 的なもの。




