30【休み時間】魔法の練習中
30話も拙作にお付き合いくださり、ありがとうございますm(_ _)m ありがとうございます!!
20話の時にも言ってましたが……やっぱり、30話以内に完結できませんでした。そして、殿下にジャックされましたw
僕達は今、2学期最初の基礎魔法学の授業よりも前にと、訓練棟西側の室内でも魔法の練習ができる区画にて 少し扱いの難しい属性である光と闇の魔法を練習しに来ている。……僕は一応 両方とも扱えるから、アーシャとティタリアの付き添い兼 二人が無理をしないための制止役のつもりだけれど。
そして、今。ティタリアが無事に苦手だった光魔法を発動させて、次はアーシャが苦手な闇の魔法を練習する番になった。
「《黄昏を見送りて 闇を招く
隠れ 隔し 攪乱せよ 目隠し》」
ぽふんっ
目の前に現れたのは、両手で包み隠してしまえそうな ちっちゃな黒い靄。ちょっと目隠しはできそうにないね。……なんだかなぁ。魔力を練り上げて形にしてゆく過程は出来てる感じなのだけれど。
「……ねえ、アーシャ。君さ、もしかしなくても 詠唱しない方が魔法が使いやすいんじゃない? 基礎薬学とか魔法工学とか、イメージだけの方が上手にできてたよね」
「……」
無言だけど、否定はしなかったね。そんな目でこっちを見てもダメだよ。呪文詠唱に憧れているのは知ってるから 好きにやらせてあげたいところだけど、今はまず 魔法の扱いに馴れて魔力操作の精度を上げることが大切なんだから。詠唱に気をとられて、折角 出来上がりかけた魔法が散っちゃってるのは 魔力の無駄遣いでもあるしさ。
だからね、心を鬼にして宣言するよ。
「アーシャ。次からは無詠唱か1節だけでやってみようか」
「……」
うん。ほぼ無表情だけど、拗ねているのは よくわかるよ。慣れると意外に分かりやすい子だよね。唇も少し尖っているし、頬も微妙にふくれているから。
そんなアーシャ片手を、そっとティタリアが取って、優しく甲を撫でて慰めているけれど、彼女も僕の提案に反対はしない。
「アーシャの詠唱をしたい気持ちは分かりますわ。ですが、まずは魔法をちゃんと使えるようになることが大切なのです。……えっと、魔法を使えるようになってから、詠唱を付けるようにしてはいけませんか?」
最後に加えられた 自信の無さそうな提案に、劣勢に力を無くしていたアーシャの目に輝きが戻る。
「マイ・エン・ジェル!!」
「きゃっ」
唐突に抱きついたアーシャに、ティタリアが小さく悲鳴を上げる。けれど、アーシャの喜びの発露だと知り、笑って受け入れて二人で きゃっきゃと戯れている。……なんだろう、この疎外感。いや、あれに僕が混ざるのも問題だから 仕方がないのだけれど。
釈然としない気持ちを抱えて、僕は二人を促して練習を再開する。やっぱり、アーシャはあまり長々と詠唱しない方が向いているらしかった。まあ、普段から あまり喋らない質だから当然と言えば当然なのだけれどね。
でも、不遇だった殿下……。
なんかもう、色々とごめんなさい <(_ _)>
そして、悲報!
主人公は詠唱に向かない体質(性格)でした(´;д;`) ……当然っちゃ当然ですよね。喋るのが苦手な口下手さんですから。
[人それぞれ……な設定]
《魔力・魔素の感知》
自らの魔力以外の魔法的な現象に到らない魔力や魔素は、余程 濃密に漂っていなければ 普通の人族が感じ取ることは難しいです。ですが、武術の 達人が空気の流れを感じ取ったり、感覚の鋭い人が 気圧の変化に気づいたりするように、魔法に馴れた人や感覚の鋭い人は 感じ取ることができるようです。殿下も、お母様のお蔭でかなり正確に感じ取ることができます。……これは後付け設定じゃないですよ! ホントですよ!!




