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幻想(ファンタジー)の欠片~今日の授業を始めます~  作者: 月灯銀雪
ささやかなる幻想(ファンタジー)
32/53

27【社会学】○○ラーの戦役




 拙作にお立ち寄りいただきまして、ありがとうございます(*´ω`)






 うっし、今日も張り切ってお勉強だ!



 だぁ!暑苦しいとかいうんじゃねえ、俺だって まだまだ(あち)い中で授業なんかしたくねえっつーの!


  なに?! 俺が暑苦しいってか、終いにゃ泣くぞこら!!




 ……ゴホン。まぁ、聞けや。そろそろ お(めえ)らが楽しく準備を始める“富貴の日”の豊饒祭にも関係している話だ。




 豊饒祭の行われる“富貴の日”の由来は知ってるか?


 お、お前さん よく知ってたな。そうだ、およそ300年前の皇王、豊 皇王と呼ばれる“一応”名君とされる御方の生誕日だな。なんで 一応 かと言うと、豊 皇王は特に戦に強い訳でもなく、殊更に善政を敷いた訳でも、文化を著しく発展させた訳でも無いんだ。だがな、その 豊 皇王の時代はそれまでの時代に比べて 圧倒的に飢饉が少なく、不作の年があっても 何らかの施策によって 餓死者をほとんど出さずに乗り切った“食”に特化した皇王だったらしい。




 そんな 豊 皇王が特に力を入れていたのが、自身の生誕祝いに託つけて盛大に催した豊饒祭だ。




 多くの作物が収穫を終え、家畜は春夏に伸びた草や木の芽を目一杯食べて肥え太り、海辺では 脂の乗った魚が獲れるっちゅう 一年で一番食べ物が豊富な時期でもあることから、各地から様々な美食を集めたんだ。


 建前としては、豊饒をもたらした神に感謝し、翌年の豊饒を願い、民の勤労を労う 昔からの儀式を皆で楽しめる祭に……っちゅーことらしいんだが、自身が美食を味わうことも 大きな目的だった と、歴史的資料にちらほら見られる食いしん坊エピソードや、唯一 豊皇王の起こした戦役から推測されている。




 豊皇王と豊饒祭といえば、アレだ。お前らも1度は味わったことがあるだろう?




 そう。マヨネーズだ。




 豊 皇王は、ある時期から マヨネーズ なるソースを頻繁に口にするようになったらしい。マヨネーズの起源については諸説あるが、一番有力と言われている説としては 豊 皇王がマヨネーズを口にするようになった時期の少し前に側近として侍るようになった異来人(いらいびと)がもたらしたもので、それを殊の外お気に召された 豊 皇王が、その側近を重用する切っ掛けとなったっつーもんらしい。




 まぁ、そんなマヨネーズだが、確かに旨いよな。それに、時の皇王の好物と聞けば皆が食べたくなるし、比較的簡単な材料でできるとあれば、一気に広まるってもんだ。


 そこで。ビネガーを多く造っている小国が、国力は弱いが 良質のシードオイルの輸出でなんとか生計を立てている隣国にちょっかいを掛けちまった。


 まぁ、お互いに小国同士で大規模な争いでも無かったんだが、この2国の産出するビネガーとシードオイルを使ったマヨネーズが、豊 皇王 へ日常的に饗されるほどのお気に入りものだったのが 致命傷になっちまったんだ。




 争いが続くうちに生産が減り、争う相手に渡すまいとムキになって輸出を渋るようになり、終いにはファンタジニアスに流通する量まで激減し。




 そこで、温厚で知られる 豊 皇王 の忍耐の壁は突き崩されちまった……。




 そこからは あっという間だった。

 たとえ、当時に無難な治世を行っていた皇王であっても、ファンタジニアスは歴史ある大国なんだ。小競り合いが精々の小国に対抗できるわけがない。あっさり2国とも攻め落とされてファンタジニアスに仲間入りだ。


 その後、豊 皇王がマヨネーズを食べ過ぎて……いや、それ以外もだが。激太りして一人で歩くこともままならず、その頃 宰相にまでなっていた異来人によって〔マヨネーズは豊饒祭だけ〕という律令が作られたのは良かったのか悪かったのか……。まあ、罰則なんて無い形式ばかりの律令なんだがな。




 と、んな感じで2学期は 1学期よりもう少し細かい歴史や戦役なんかもやってくかんな。豊饒祭の準備で忘れんなよ~。 ほい、解散。





~*~*~*~





 マヨネーズはあるのに、あんまり食べる機会が無いと思ったら 豊 皇王(重度のマヨラー) のせいか!!



(可哀想に、富豪の長男のぽっちゃり君が危険な表情で ポテサラ・カラマヨ とかなんとか、禁断の呪文を繰り返してる……あれ? 彼を見ると何か恐ろしい記憶が……)



 封印された記憶(夏休みの思い出)が解き放たれる前に ぷるぷる と頭を振って、メモ帳やら羽ペンやらを片付ける。



「どうしたのアーシャ? この後のホームルームで豊饒祭の出し物を決める話し合いだってさ。アーシャには何か希望とかある?」



「ん~。特には。ティタリアは?」



「わたくしも、皆さんと楽しめるものなら……あ。ですが、歌劇などよりは模擬店の方が……」




 私たちは そんな話をしながら、次はホームルームなのに それを忘れて職員棟に帰って行ってしまった()()()ヒュー先生が戻ってくるのを待っていた。



(あ、誰か追いかけて行った……)



 ホームルームまで、もう少しかかるようである。









 異世界転生(転移)モノにはマヨネーズという思い込みw

 最初期からこの話の原形はできていて、ここで 豊饒祭に少しだけ触れて流してしまおうかと思ってました(^_^;) 豊饒祭は、がっつり(当社比) 描く予定です。



[てきと…もとい、複雑な設定]


《歴史・年代》


 これも例の如くフワッとした設定。作者の頭がフワッとしているから諦めるべし。一応、西暦のような君主が代替わりしても変わらない数え方ではなく、君主毎に変わる〔創 皇暦○○年〕とか〔豊 皇暦○○年〕のような数え方 とは決めています。長い年月の中では、悪政により歴史の闇に葬られた皇王もいるので、創 皇王の建国から 何年経っているのか正確に判ってはいない……と、ぼんやり考えてました。

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こぼれ話や番外なお話→ 欠片の一粒~小話をします~
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