26【放課後】遠き“ちゅ~に”呪文
拙作にお立ち寄りいただきまして、ありがとうございますっ(≧д≦)
月灯印の呪文が一部 解禁です。真の“ちゅ~に”には及ばないかもしれませんが、一応“ちゅ~に”な呪文として扱うつもりです。あしからず。
うわ、だっさ……とか思っても、指先に従い流れゆく画面の川に そっと流してしまってくださいませm(_ _)m
《君には誰も触れられない
君は誰にも汚せない
清き光を 集め 集めて
紡ぎ上げるは聖なる生糸
光る生糸を 重ね 重ねて
織り上げるのは破邪の衣
光の貴神に乞い願う
我に儚き者を護る力を 聖光の羽衣》
《貴方に安らかなる静寂を
貴方に静かなる眠りを
深き闇にて 包み 抱きて
優しき微睡みに沈めよう
深き眠りに 誘い 惑わせ
夢見の旅路は永久なる戒め
闇の姫神に乞い願う
我に荒ぶる者を鎮める力を 深淵の封夢》
(うんうん。私はこーゆーのを求めていたのだよ!)
私は今 蔵書棟の片隅で、本を読んでいる。なんとなく疑問に思った適正についての調べものがてらにウロウロしていたら『呪文大全~安定的な詠唱発動のために』という 心に響くタイトルの分厚い本を見つけ、ウキウキ気分で手に取ったのである。この時に 調べものことは記憶の彼方に向かって飛び立った。
その本によると、呪文の詠唱は個々の魔法的イメージや性格などにより 比較的 自由度の高いものではあるが、多くの者が発動させやすい“定番”のようなものもあるらしい。……上位の魔法(魔術)に至っては、発動できた人の呪文がそのまま載っているらしいけど。なお、今 私が読んでいた呪文も そんな類いのものである。神聖の防御魔術と邪黒の封印魔術らしい。ふむふむ。神様に助力を願うような1級魔術の呪文は形式が似てるけど、神様それぞれの性格の違いみたいなもので全然違った雰囲気になるそうだ。
(次は空間の……召喚魔法だ♪)
《其は包むもの
其は果てなきもの
揺蕩う堺に……
「ねえ、アーシャ。今の君だと、そのあたりの魔術は発動すらしないからね?」
「ふえぇぇ…っんぐ?!」
不意に耳元で聞こえた声に、突然声をかけられた驚きと趣味を見られた動揺で 変な叫びを上げかけ、すぐに手で口を塞がれた。意外と力強いな。
「しー! 驚かせたのは謝るから落ち着いて。ここ、蔵書棟だから、ね」
「ん」
小声で言い聞かせるような言葉に 頷いて了解したことを伝えると、ゆっくりと手が離される。 振り返って声の主に向き合えば、やっぱり。先ほど用事があるから と、教室で別れたばかりのウォルセンだった。少し困った顔をしている。
「あのさ、アーシャ。1級魔術って、高等科を卒業して魔術師試験を突破したような人でも扱いが難しいものだって分かってるよね?」
どうやら、私が身の丈に合わない魔術を練習して暴発させたり、魔力欠乏にでもなりはしないかと 心配してくれているようだ。
「ん。見てただけ。詠しょ……詠唱はロマンだから」
「……そっか」
ちょっぴり脱力された気がするけど、気にしたら負けだと思う。
「ウォルセンは調べもの? 手伝う?」
「ありがとう。でも違うから、気にしないでいいよ。読んでた本を返しに来ながら、新しいのを借りようと思ったんだ」
そうだったのか、つい 成績上位者の秘訣でもあるのかと勘繰ってしまった。それにしても。いつの間にか私の隣……彼の目の前に置かれていた本は……。
「冒険譚と旅行記?」
ちょっと意外? いや、男の子らしいと言えばらしいのか。一瞬だけ 木陰で詩集とか読んでたら似合いそうとか思ってごめんなさい。
「うん。立場上、気軽に遠出や冒険なんかは行けないからね……」
(微かに照れた様子がまた可憐で羨ま……じゃなくて。そうか、皇子様が気軽に冒険に出ちゃマズイもんね)
ただでさえ魔獣やら魔物やら、人里を離れた場所には危険が溢れる世界だ。気ままな一人旅などは、余程の実力者でなければ無理だろう。人数を増やせば安全性は増しても“気軽”ではなくなってしまう。
「ん。冒険もロマン」
私も冒険や旅する幻想物語は好きな方だ。さあ、大いに読みたまえ という気分で隣の椅子の座面を ぽふぽふ叩けば、苦笑気味に腰かけて来た。そして、しばし。それぞれのロマンを紙の上に追い求めた。
(なんと。中位魔法の下の方なら、練習次第で初等科でも使えるんだ。攻撃系は結構な威力があったり 範囲も広かったりして恐いから、回復魔法の呪文なら……ちょうど 水と光の属性にあるし)
「……アーシャ。それも まだ無理だからね?」
「……ん。わかってる……」
(……ちっ、覚えて練習しようとしたのに 気づかれたか。でも、夏休み中にこっそりなら……?)
私の呪文詠唱は、まだ 遠いようである。
創造神&7神の1級+α の呪文は既に 我が手の中 に……(*^言^)ш クックック...
なんて、変なノリは置いといて(恥//ω//) 呪文を考える時に立ち向かう 語彙力の壁 は高くて厚いです(´;ω;`) いえ、物語を考える時にも語彙の少なさは感じてますが……違う方向性と言いますか……(^_^;)
[本編で説明し忘れた設定]
《魔力欠乏》
体に満ちる魔力が足りなくなり、めまいや倦怠感、重ければ気絶や昏睡、最悪は死に至ることもある。魔力の扱いに馴れてきた頃の基礎魔法学で、助っ人の先生を呼んで 複数の大人の監視の下、軽い欠乏症状を体験する。ごく軽い欠乏症状は、食事による魔素の摂取や睡眠による消費の節約をするために 空腹や眠気を感じることも。
涌き出る『魔素=カロリー』説w けれど、世界の謎は謎のままで……m(_ _)m




