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幻想(ファンタジー)の欠片~今日の授業を始めます~  作者: 月灯銀雪
ささやかなる幻想(ファンタジー)
24/53

21【移動中】いじめイベント? いえ、和みました。





 拙作へお立ち寄りいただきまして、ありがとうございます(*´ω`)



 新キャラを色々出してみるけれど、いまいち活かしきれていない気がする 今日この頃。






 ちょっとモヤっとした学期末試験を終え、学校内の空気が試験の緊張感から、試験結果を恐れつつも夏休みへの期待感が混じり始めた週の頭。先生からちょっと頼まれて資料を蔵書棟に返しに行く道すがら、私の前に立ち塞がる一人の女子生徒がいた。




「ちょっと貴女! 少し調子に乗っておられるのではなくて?」



 薔薇のような赤みを帯びた豪奢なブロンド髪を複雑なハーフアップに結い上げ、高品質の澄んだ魔力石をあしらった見るからに高級品な髪飾りで留めた“ザ・お嬢様”なご令嬢は、私の目の前で高らかに声を上げた。



「ん?」



 すわ、いじめイベントか?! 主人公はどこだ?? と、周りをキョロキョロしてしまった私は悪くないはずだ。



「貴女ですわ、あ・な・た! その 薄ぼんやりした色の頭は、中身もぼんやりなさっているのかしら?」



(おおぅ、主人公ポジションは私だったのか。なんという配役ミス。ティタリア辺りなら さぞ映える……いや、そんなこと私がさせない!)



「もうっ! ちょっとは反応なさいな! 貴女、わたくしをご存じでないの??」



 くだらないことを考えて、本当にぼんやりしていたら、彼女は痺れを切らしたようである。ちょっぴり吊り気味な金緑のアーモンドアイを、更に吊り上げて詰め寄ってきた。



「ええと……だれ?」



「まぁ! わたくしをご存じないなんて これだから庶民は……あ、ちょっと、お待ちなさい! ちゃんと聞いてよぅ!!」



 手に持った扇子(小道具)を口許に当て、芝居がかった仕草で私を見下して……長くなりそうなので 御前からお暇しようと思ったら、できなかった。仕方ない。それにしても、意外とこの子 可愛いかも(いじり甲斐が……)



「ん。じゃあ、だれ?」



「じゃあって……いえ、よろしいわ。よくお聞きなさい! わたくしは 4年1組に在籍するグラフィオン公が嫡子 カリスタレイア・ラシエルですのよ。この わたくしに話しかけられたこと、一生の誉れとなさい」



 見事にうねる長い髪を払って、背後に大輪の薔薇でも背負っていそうな自己紹介に、ちょっとだけ拍手をしそうになったけど、流石にそれはダメかもしれない。とりあえず用件を聞こう。



「ん。ご用件は?」



「え、それだけ……?」



 拍子抜けした様子のカリス……なんとか様。ラシエル嬢でいっか。私にリアクション芸を求められても困ります。芸風が根本から違うんです。それに、高貴な御方の相手は……



「殿下で慣れた」



「ああ、確かに。……ではなくて、貴女! その殿下という御方がありながら、麗しのルイン様とまで浮き名を流しているそうじゃない!! 破廉恥ですわ!!!」



「???」



 ルイン先生と浮き名が流れるような覚えも無く、首を傾げたら、ラシエル嬢も一緒に首を傾げた。



「あら? 貴女とルイン様が放課後や休日に、よく二人きりで 校内を散策しているという噂を聞きましてよ?」



 そんな噂が流れていたのか。通りで一部の女性や女子生徒から棘のある眼差しや言動をいただいていた訳だ。あの薬草の人もその1人かもしれない。



「たぶん、薬草採取」



 何も疚しい事など無いので、素直に答える。



「では、調薬室に二人でお籠りになっていたという噂は?」



「調薬練習の監督」



「殿下との仲は?」



「友…だち?」



(ん? 最後の質問は余計ではないでしょうか??)



 流れるような問答の勢いで 途中までペロッと答えてしまったけれど、皇族を友達扱いとか不敬罪……まあ、ウォルセンなら大丈夫かな? 彼なら友達と言っても にこにこするだけで、目くじらを立てないような気がする。



「まぁ……わたくしの勘違いだったようですわ。お時間を取らせてごめんなさいね。ごきげんよう」



 急に優しくなったラシエル嬢にまた首を傾げながら、私は薔薇の幻影と共に遠ざかる彼女を見送った。



(いじめイベントっていうより、気まぐれな子猫にじゃれつかれた気分……)



 前世の記憶のせいか、自分よりも背が高い上級生だったけど 子猫が精一杯 虚勢を張って(尻尾と毛を逆立てて) 威嚇しているようにしか見えず、なんとも微笑ましい一幕だった。






 面と向かって友達扱いしたら、にこにこ 笑顔のまま崩れ落ちそうな気がしないでもないような……。でも、弟よりはマシなハズ。


 そして、普段は優しい人でも 一生懸命に紐や猫じゃらしを追いかけるお猫様を 可愛がる(おちょくる)時にはSっ気を発揮するという現象。


 某殿下から お人好し 扱いされている主人公もまた 然り。



[作者のノリと勢いで生まれた設定]


《悪役(?)公爵令嬢》 カリスタレイア・ラシエル 薔薇金髪・ 金緑目


 広大なるグラフィオン地方を治めるラシエル公爵家のお姫さま。突然思いついて キャラは勢いよく出来上がったのに、高位貴族っぽい名前という難題で作者を翻弄した子。“麗しのルイン様を愛でる会”という初等科主体のファンクラブ 第19代目会長。慣習としては最上級生が指名されるが、最高峰の家柄と彼女自身の押しの強さにより、3年生の時に副会長を経て 4年生で会長となった。ちなみに、ファンクラブは複数存在する。


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こぼれ話や番外なお話→ 欠片の一粒~小話をします~
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