20【休日】妖精(?)と(腹)黒き天使
おかげさまで20話です。ありがとうございますm(_ _)m
30話までには区切りの良いところまで……行けるかな??? このペースで……(;; ̄д ̄;)
またまた殿下の視点です。
試験期間が終わって迎えた週末。アーシャに余計な事をした試験助手の研究員も、プリムフォレ教授に薬草の管理と傷んだ薬草の見分け方についてのレポート課題をどっさり出されていたから、当分は大人しくしているかな? 僕は何もしていないよ。誰が傷んだ薬草を持っていたのか、それとなく教授の耳に届けただけで。
そんなこともあったけれど、僕は今 一人で優雅に休日を楽しんでいる。お茶と軽めのお菓子を摘まみながら、周囲の喧騒に紛れ込むようにして読書に勤しむ。
しばらくその場にいた僕の耳に届いた噂によると。最近、訓練棟やグラウンドの付近で コルフルイ色の妖精が出るらしい。
整った顔立ちながらも 感情を窺わせない無表情のその妖精は、怪我を負って一人でいる者にちょこちょこと歩み寄り、小さな壺に入ったコルフルイ軟膏や怪我の度合いによっては魔法軟膏を無言で手渡して去ってゆくらしい。正体を突き止めようと後を追った者によると、周囲をふらふら彷徨いて、草花(特にコルフルイ)を小さな籠に詰めながら人工林へと消えていったそうだ。時々、薬を塗ってくれたり、空の小壺を回収したりもするらしいよ。
(どう考えてもアーシャじゃないか)
コルフルイ色の無表情とか、怪我人をほっとけなくて軟膏をあげたりとか、薬草採取とか……アーシャらしすぎて なんだか泣けて来そうだよ。
(変態と大型犬の次は騎士志望の男子の興味を惹いちゃうのか君は……)
そんな妖精をほっとけない僕は、試験後の休みに賑わう校内のカフェテラスで読んでいた本へ栞を挟み、念のため 訓練棟周辺へと足を運ぶことにした。
~*~*~*~
「今日もまた来たな」
「あぁ、コルフルイの妖精。愛想は無いけどまあまあ可愛いよな」
「あれって第4皇子に気に入られてる1年生の庶民だよね?」
「え? 皇子の愛人かなんか?」
「ばーか、まだ1年だぞ、凹凸もなんも無いじゃん」
やっぱり。お年頃の男子が集まるとこんな話題になるよね。僕は息を潜めて しばし3人の様子を伺う。
「うーん、でも10歳なら俺達が高等科を卒業する頃には丁度良いかもよ」
「あぁ、そういう考え方もアリか」
(丁度良いって、何が“丁度良い”んだろうね?)
「でも、皇子のお気に入りだろ?」
「だけと、そんな色っぽい雰囲気でも無いんだよね。お友達とか、姉妹みたいな……」
『あははははっ』
「た、確かに見た目は……そんなだわ…ぶふっ」
「くはっ……おま、それはいくらなんでも……」
(……)
なんだろう、この言いようの無い気持ち。僕の中の何かを封じ込める蓋がぐらついているような……。
「くくくっ……あ~、おかしい。それなら俺、今度その妖精に声かけてみようかな」
「ああ、良いんじゃない……ヒッ!」
「ねえ、誰に声をかけてみるの?」
その場で楽しく笑っていた男子たちへ、僕は にっこり笑って 問いかけたのに、皆一様に押し黙って顔面蒼白になった。
「で、殿下……なぜ、こちらに……?」
裏返った声の質問にも、丁寧に答えてあげるよ。
「うん? なぜって? 噂でさ、聞いたんだよね。この辺に可愛らしい“妖精”が出るって。そしたらさ、面白い話が聞こえてくるじゃない? ちょっとだけ気になっちゃってさ」
『……』
どうしたんだろうね? さっきまで元気に話していたのに、とっても無口になっちゃった。
「君たちさ、まさか“身分に囚われない妖精”に“不埒な真似”をしようとか……間違っても 考えてはいないよね?」
残念なことに、身分の低い者は“いつだって”高貴な人種というモノのちょっとした振る舞いに傷つけられてしまうから。
僕の右手の指先から、小さく 連続で何かが弾ける音がする。いや、わざとさせている。
「ひぃ……ら、雷煌……魔、ほ…う……?」
「無いよね?」
バチン
少しだけ大きく弾けた音と同時に、全員高速で頷いた。ちょっと魔力操作の練習をしているだけだから、そんなに恐がらなくても良いのにね。見た目は派手だけど、この程度なら当たっても一瞬 痺れるくらいで済むし。
「そっか、ならいいや。妖精の慈悲を受けるのは構わないけど、余計な事はしないようにね」
そう言い残して踵を返す。特に返事を確認しなくても、腰を抜かして座り込む彼らはもう 心配いらないだろうから。
(さてと、危なっかしい妖精さんは今ごろ人工林かな?)
彼女は人工林の少し奥にある、日当たりの良い池の近くが お気に入り みたいだから、ちょっと行ってみようかな。
またもや、あとがきメモを消滅させてしまった……(´;д;`) 今こそ唸れ、私の記憶力!!
ーーー
学校のアイドルは無理だけど、時には引っ掛かる殿方もいる主人公。
魔族は魔法的な素養にずば抜けている体質なので、半分魔族な殿下も魔力操作がかなり得意です。むしろ殿下が やや魔法チート。獣人のフェインが出力に優れるのとは逆に、繊細な操作が得意なタイプ。
初等科1年生で上位属性を ほぼ独力で発現させて意のままに操ることは脅しとして過じょ……バチ☆
……_(⌒(_×ω×)_~゜ しびしび。。。
こんな感じで殿下が暗躍するため、逆ハーが幻想(作為的) になるのです。※キーワード参照
そうして、とある“貴族の子息3人”を中心として“妖精を守る会”が発足されることに……なるかもしれない?
[本物が出てこない設定]
《妖精》
人類に属する妖精族とは違い、こちらは秘境と呼ばれる場所にある魔素溜まりから時々生まれる魔物の一種。小さな人に蝶々やトンボのような羽を生やした絵本に出てくるアレ。比較的 知能が高く悪戯好きだが、とても臆病なので人前には滅多に姿を見せない。




