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幻想(ファンタジー)の欠片~今日の授業を始めます~  作者: 月灯銀雪
ささやかなる幻想(ファンタジー)
20/53

18【社会学】創世神話




 拙作へお立ち寄りいただき、ありがとうございます(≧人≦)




 授業ネタ 困ったときの ヒュー先生。

 と、思ったら神様の名前が浮かばなくて泣きそうになりました(結局 世界の神話を参考に……)


 一気に夏休み近くまで時間が跳んでしまいましたm(_ _)m






 おう……授業始めんぞ。



 だあぁ!また 振られたとか言うんじゃねぇ! ちっとばかし価値観が合わなかっただけだ、大人の事情っつーやつだよ!


 ごほんっ……んんっ!!

 どうでも良いことは置いといて授業だ、授業!




 この国の大まかな成り立ちと歴史はぼんやりと見えてきたな? 今日は、ちっと気分を変えて国に根づく宗教と神話の話をしようじゃねえか。




 世に宗教は幾つもあるが、この国が興る前から存在し、一番信仰する者の多い宗教が 創造神を奉る ティリエ教だな。ここにいる殆んどは、このティリエ教で洗礼を受けて属性を賜る……つっても、適性を診断してもらうわけだが、とにかく世話になってるだろう。




 そんなティリエ教の説く創世記……神話が、これだ。







 この世界は、幾重にも重なる次元の狭間に漂う混沌の塊の1つであったとされている。




 ある時、その1つの塊に1柱の大神(たいしん)が降り立った。溢るる力は数多の色に揺らめく髪を棚引かせ、神の叡智を宿す白き瞳は時空の先さえも見透し、背に負う大翼はあらゆる界へと渡ることができるという。


 その大神は、自ら降り立った混沌を見渡すと、光と闇を掬い上げ昼と夜を、其々を管理させるために自らに似せた2柱の神を生み出された。


 そして上に浮かぶものと下へ沈むものを選り分け、天と地を、其々を管理させるため更なる2柱の神を生み出された。


 大神は性の別を持たない個にして全き存在であったが、生み出された神々は、同時に生まれた神と対となる“陰”と“陽”の性質を持つことから、男神(おとこかみ)女神(おんなかみ)になった。ゆえに、その神々により後に生み出された数多の神々や動植物には、一部を除いて性の別があるのだという。……チッ、性別なんてあるから俺はこんな苦労を……と、なんでもねえ。




 この大神を 創造神ティリエアルマリト であり、4柱の神々……光貴神シャプシル、闇姫神チャスタル、天貴神ウリアノス、地姫神ケレイリス は高位四神(こういよんしん)、または四祖神(よんそしん)と呼ばれている。


 世界の創造をし四祖神を生み出された創造神は1つ吐息を溢され、その吐息が風となって世界を渡り、流した汗が水として世界を巡るようになった。 そこで、風姫神ティルセト と 水姫神アーハティア が生まれた。


 火貴神ヴァハグニス は ちっと特殊な生まれで、光貴神と天貴神が仲違いをして争った時に打ち合う剣戟の火花から生まれたとされている。それ故か、少し粗っぽい性格で度々問題を起こす高位神の困った末っ子となった。この3柱を加えた7柱が高位七神(こういしちしん)として、この世界を管理する神々の頂点となる。ちなみに、創造神が時を、高位七神がそれ以外の属性を司っているっつーわけだ。



 ……と。まあ、こんな感じにダラダラ話が続いて行くわけだが、神同士で喧嘩したり、くっついたり、浮気でボコボコにされたり、下位神……天使のことだな、それが こき使われたりと、意外と親近感を覚えちまう内容だったりする。



 実はここ、学期末の試験にちょろっと出るかんな!



 はーっはっは!! スマン、スマン。ちっと授業の進行が遅れちまってな!




 おーし、今日はここまでだ。そんなに広い範囲では出ねえが、今 話したとこ辺りはちっと自分で確認しといてくれや。健闘を祈る!!






 ~*~*~*~






 非難轟々、ブーイングの嵐の中、空元気っぽい高笑いを上げて、色々と言われて涙目のヒュー先生が職員棟へ帰ってゆく。あらゆる意味で大丈夫だろうか?



(話が横道に逸れたり、男の子たちが入れる茶々に一緒になって盛り上がったりしてたもんね。私とウォルセンもちょっと邪魔しちゃったし)



 同情はする。それでも、週末を挟んで私たち学生の目前に迫る試験は待ってくれない。なんとかしなくては。



「ストライデル教授も困ったものだね。アーシャ、ティタリア、明日は蔵書棟へ行こうか?」



 やや呆れたようにヒュー先生の出ていった扉を見やってからのウォルセンの提案に、渡りに船とばかりに頷く。



「ん!」



「そうですわね。ちゃんとお勉強しておかないと……」



 ティタリアは不安そうだけれど、貴女には入学前に家庭教師がついていて、かなり頭も良いことは分かっているのだよ? ……それはウォルセンもなんだけど。スタート地点がこの世界の子供たちと一緒の社会学は、私の方が危ないくらいですよ?



「うん。それじゃあ、朝食を済ませたら現地集合で良いかな?」



 哀しき現実(自分の頭脳)に危うく遠くを見そうだったけど、ウォルセンの言葉に ちょっとした用事を思い出す。



「あ、ちょっとだけ遅れる……」



「うん? 何か用事でもあるの?」



 首を傾げて聞いてくるウォルセンに、少しだけ頭を振って答える。



「んん。故郷に小包を送るだけ」



「そっか、じゃあ 出入口で待ってるよ」



「では、わたくしも」



  皇子殿下と伯爵令嬢をお待たせするなどとんでもない! 先ほどよりも強く頭を振る。



「んん! 先に始めてて。急いで行くから」



「そっか、じゃあ良さそうな資料を探しておくね」



(それはそれで、とんでもない!な ような……)



「ん……」



 いいや、もう考えまい。自発的行動なのだ、ご厚意に甘えよう。そんな風に諦めて、私は次の授業の準備を始めた。







創造神「え~。ちょっと地球神様(せんぱい)見てくださいよ。私、なんかすごい言われようですよ~」


地球神「ふっ」


創造神「あ! ちょっと、鼻で笑わないでください! そりゃあ、信徒達(うちの子達)は美化しすぎだと思いますけど~」


地球神「安心しろ。私は一部の書物で白髭ジジイ率が異様に高い」



……あれ? こんな会話がどこかで……???




[駄洒落っぽい設定?]


光貴神(こうきしん)

 好奇心に溢れた明るい御方。ボコられたのは こいつ です。


闇姫神(あんきしん)

 暗記力に優れた知的な御方。ボコったのは……なんでもありません、ごめんなさい。


天貴神(てんきしん)

 お天気屋の気まぐれな御方。意外と恋には一途な御方。


地姫神(ちきしん)

 稚気に富んだ無邪気な御方。浮気?浮気って悪いことよね?

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こぼれ話や番外なお話→ 欠片の一粒~小話をします~
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