閑話【アーシャの手紙2】
2話連続して投稿しております。
前話を未読の方はご注意くださいませm(_ _)m
並べられた瓶を見ながら、薬の説明や使い方を書いてゆく。折角 作ったのだ、間違った使い方で悪化でもされたら……そんなに強い薬はまだ作れないけど、間違いの無いように説明は必要だ。
とでも若々しくて綺麗だけど 肌が弱くて炎症を起こしやすい母様には、消炎作用のある薬草をほんの少し使った化粧水を 劣化防止魔法具の瓶に入れて。瓶はちょっと高いけど 効果は長く続くので、使い終わったら空瓶を送り返してもらって 中身だけ補充しよう。これは、普通に化粧水として使って大丈夫。
父様は、村ぽい町の町長として 日々 胃をストレスに晒されているから、胃もたれしないように 消化を助ける丸薬を普通の小瓶に詰めて。胃痛とかに効く本格的な胃薬は、ちょっと強い薬草を使うから まだ作っちゃダメだって。食後に1粒ねっと。
猟師のおじちゃんには、炎症を抑えて、血流を促す湿布薬の液を、光で酸化しないように 色の濃い瓶に入れてある。奥さんの腱鞘炎にも使えるから ちょっと多めに送ってあげよう。奥さんの作った腸詰め入りポトフ、また食べたいなぁ。……じゃなくて、これは 綺麗な布に染み込ませて 1日1回貼り替えるっと。飲んじゃダメだよ。
ついでにコルフルイの軟膏も。色々使えるからね、今回は魔法軟膏だから すっごい効くよっと。練習で何個も作るから、小壺が足りなくて 小さなキャンディの入っていた口の広い丸みを帯びたガラス瓶に入れてみたけど、瓶に施された花の細工と魔法薬特有のほんのり光る感じが相まって 素敵なことになったかもしれない。あ、そうだ。瓶の首に細いリボンでラベルを提げて……うんうん。これはなかなかに。
(幻想的 魔法薬☆)
おっと、アホな事を考えている場合ではない。手紙も書かないと。
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父様、母様、お元気ですか?
町の皆も元気にしていますか?
私は元気に、色々なお勉強をしています。もうすぐ学期末の試験で、少しだけドキドキしています。
2人だけだけど、お話したり、一緒に宿題をできるような お友達もできました。とっても可愛らしい子たちです。時々、お菓子をくれる優しい人たちもいます。
私が作った化粧水や薬、良かったら使ってください。同封した使い方をよく読んで、父様のお薬は正しい分量を間違えないように。字が読めない猟師のおじちゃんにも、ちゃんと説明してあげてください。
夏休みの始めは帰省する人が多くて長距離獣車や天翔便が大変なことになるそうです。混雑を避けるので、帰るのが少しだけ遅くなりますが……心配しないでください。
暑くなってきたので、夏バテには気をつけて。おみやげ、楽しみにしててね。
アーシャより
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本当は ドキドキじゃなくてハラハラだし、獣車は時期をずらした方がチケットが安いからなんだけど。わざわざ高い時期に人混みに揉みくちゃにされながら乗るとか、できれば遠慮したい。
丁寧に箱詰めして、手紙と説明書も忘れずに添えて。キッチリ梱包する。
(早く行かないと。先に始めて とは言ったけど、2人を待たせちゃうのは変わらないし)
腕輪にいつものメモ帳(2冊)と羽ペンとインクが入っていることを確認して、私は小包を抱えて部屋を出る。
(う。ちょっと重いな……もう少し力と足の長さが欲しい。切実に)
なんとか鍵をかけて、少しだけヨロヨロしながら職員棟へ向かってなるべく早足で歩き始める。
瓶+薬液+木箱(小)→10歳の女の子には少々重いかな?と 思いまして(;´v`)ヾ
[ネタが切れそう……いや、まだ行けるハズな設定]
《獣車》
獣に牽引させる車両の総称。用途や持ち主の経済力によって獣が替わる。お貴族様には稀少な地竜車や見映えの良い馬車が人気である。商売目的では燃費の良い大蜥蜴や駱駝(っぽいの)や、力の強い大型の獣が好まれる。庶民が個人で所有する場合は 牛車や驢馬車、山羊車(ほぼリヤカー)なんてことも……
《天翔便》
読んで字のごとく、天翔る龍のひr……じゃなくて天を翔る飛竜の定期便。Wの意味で高い。高さを気にしない急ぎの人や裕福な人向け。今のところ 庶民な主人公が乗る予定は無いという無駄な設定。




