表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『十二都刀戦(じゅうにととうせん)』  作者: じょんどぅ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

129/133

### 第12話:偽りの玉座、あるいは「武蔵野」の拒絶


---


### 第12話:偽りの玉座、あるいは「武蔵野」の拒絶


 大宮地下のゲートを抜けたはずの霧崎が目にしたのは、豪華な議事堂ではなかった。

 視界が開けた先、そこに広がっていたのは、どこまでも続く**「赤黒いススキの原野」**。


「……空間が、繋ぎ替えられたか」


 霧崎は刀の柄に手をかけ、周囲を警戒する。

 ここは現実の地理には存在しない、関東の霊脈が作り出した**「位相空間:旧武蔵野」**だ。大宮の議会へ至るには、この広大な関東の意識下を通り抜けなければならない。


 ススキの波がざわめき、その向こうから、古びた軍服を纏った兵士たちが現れた。

 彼らが手にしているのは、これまで見てきた「準都刀」ではない。煤けた鉄の塊のような、呪いのこもった**『古都刀アンティーク・ブレード』**だ。


「ここから先は、議会の直轄地ではない。……我ら『関東防衛義勇軍』の領域だ」


 先頭に立つ片目の男が、錆びた軍刀を抜く。

 彼らは現代の適格者ではなく、関東の霊脈に溜まった「過去の戦の残滓」が実体化した存在。


「大宮の長(九条)に会いたいなら、まずはこの武蔵野の土に還ってもらおう」


 男の合図とともに、数百の亡霊兵たちが一斉に霧崎へ襲いかかる。

 一人ひとりの実力は、これまで戦った「四神」には及ばない。だが、この空間そのものが霧崎の「冷気」を吸収し、大地へと逃がしている。


「……なるほど。土地そのものが、俺を『異物』として排除しようとしているわけか」


 霧崎が足元を凍らせようとするが、氷の結晶は地面に触れた瞬間にススキの根に吸い取られ、枯れ果てていく。


「温度が奪えないなら、斬るだけだ」


 霧崎が踏み込む。

 ここから、大宮へ至るための「関東全域の霊脈を巡る100話の旅」が、本当の意味で始まった。


---



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ