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一方その頃、見回り中のウォルフはある怪しい人影を見つけた。

騎士団の中でも実力のあるウォルフ。


足音を出さないように人影が去っていった方へ足早に行った。


そして、人影が角を曲がりウォルフも少し遅れてその角に身を隠す。

静かに顔を出すとそこにはメイド塔にいるはずもない文官の姿があった。


ウォルフは一呼吸おき、ゆっくり角から姿を出した。


「止まれ。」


その言葉と同時に腰に差している剣に手をかける。

ウォルフが剣を抜いた瞬間、その文官の姿をした人物は隠していたナイフをウォルフ目掛けて投げつける。

ウォルフがそのナイフを振り落としている隙に、その人物が走り出した。


「待て!」


ウォルフはその人物を追いかけて廊下を走り出した。


ウォルフは普段からかなりの訓練をしている。

足の速さだって騎士団でも上位のはずだった。

しかし、その文官の姿をした人物はあっという間に走り去って行く。


これは明らかに文官ではないな。かなりの手練れのようだ。


ウォルフは必死にその人物を追いかけた。


そして、角を曲がった所で信じられない光景を目にする。


その文官の姿をした人物の目の前に、リアリスが居るではないか!


「リアリス!逃げろ!」


リアリスがその声に振り向くと同時に、文官の姿をした人物に捕まってしまった。


「それ以上来るな。来たら、この女の命はないぞ。」


流暢な王国の言葉ではあるが、所々に訛りがある。


「くそ!リアリス、なんでここに!」


「だ、だって!落とし物が!」


「ふざけんな!部屋にいろって言っただろーが!」


「さっき2人の所に行ったらどちらもいないから!私のせいじゃないわ!」


すると、ウォルフの目がかすかに動く。

その動きに気づいたリアリスはとっさに自分を捉えている男の腕の中で身体を動かした。

男はリアリスを改めて確保する為に視線を下に移す。


それを見たウォルフは、リアリスと男の後ろにある人影に目配せした。


ガッチリと捕まえられたリアリスは、ウォルフを見る。

そして、目をパチパチさせてから自分達の後ろの方に目だけを動かす。


ウォルフはリアリスのこの動きが分かった。

先程ウォルフがかすかに背後にいるマイクスを見たのが分かったのだ。


リアは分かってんだな。


しかし、リアリスの身体は捕らえられその首にはナイフまで当てられている。


下手をすればリアが危ない。

マイクス、上手くやってくれよ。


後ろではジリジリと距離を縮めているマイクス。

気づかれれば終わりだ。


その場に緊張が走る。


そして、マイクスがウォルフを見て頷いた。


「リア!今だ!」


リアリスはウォルフの声に反応して、男の腕を思いきりかじった。


男が少し怯んだ隙にマイクスがリアリスを突き飛ばす。


「きゃっ!」


リアリスはウォルフの方に吹っ飛んだ。

そして、つかさずマイクスは男の首に腕を回し床に叩きつけた。


リアリスは走った来たウォルフに抱えられ、マイクスの方を見る。

マイクスは男に馬乗りになり殴りかかっていた。

そして、気絶した男を縄で縛り上げた。


「貧乏男爵令嬢は従女になりたい」をお読みいただき

ありがとうございます♪


作者のぎゆりです ٩( 'ω' )و


三が日が無事に過ぎました。

お疲れ、私。

皆さんもお疲れ様でした。


お正月は何かと大変ですよね…

ご飯とかごはんとかゴハンとか。

水を触り過ぎたお陰で手がカサカサです。

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