56
王都を出発して2日。
ダグラス・クォーツ将軍は、国境となる森を見ていた。
「今日はここで休もう。」
この2日、休みなく馬を走らせていた一行は
しばしの休息のために野営を始める。
目の前に広がる森は、昔から隣国との国境になっている。
ここ数十年隣国との争いもなく平和だという理由で
この国境の森にはどの国も見張りはいない。
レイブロー国がここから兵を進めてくるという読みはおそらく間違っていない。
ダグラス達は夜があけたら、この森に入りその後ろに聳え立つ岩山に入る。
行けるならば、レイブローの様子が分かる所まで行きたいが
それは危険だろう。
ダグラスは頭の中で色々な戦略を立てながら空を見上げていた。
部下が作った簡単な食事を済ませたダグラス。
夜は交代で見張りにつく。
ダグラスは交代の時間までテントの中で休む。
どこでもすぐに寝られるように訓練もする王国軍の将軍は
何故か今夜は目が冴えてしまう。
思い浮かべるのは、リアリスの顔だった。
王都を出発する前に見た、デラルージュ王太子とリアリスの庭での姿。
その時の王太子の表情。
王太子がライバルである事は間違いない。
それを知ってすぐ、こうして王都を離れるのが不安だった。
相手は王太子殿下。
すぐに行動に出るとは思えないが
自分がいない時に、何かがあってはならない。
ダグラスは王都に帰ったら
すぐにリアリスに会わなければと思っていた。
恋愛には奥手のダグラスだが、戦でも遅れを取る事は負けにつながる。
リアリスとはまだ何も始まっていないが、だからこそ遅れる事があってはならないのだ。と考えていた。
「レイブローとの争いが長引かなければ良いが…」
ダグラスはこの視察という名目の旅が
自分のリアリスへの想いを焦らせることになるとは
この時、思ってもいなかった。
夜明け前に見張りの交代をしたダグラスは
身支度を整えて、焚き火の前に座っていた。
一緒に見張りをしている部下が話しかけて来た。
「将軍、レイブローは攻めて来ますかね?」
「ああ、十中八九来るだろうな。」
「では、今回の視察を終えたら我々もすぐ王都に戻らなくてはならないですね。」
ダグラスは頷く。
「レイブローの兵は、まだ訓練も終わっていないと報告があったからな。王都に戻り兵を整える時間はあるだろう。」
正直、レイブローとの戦いで我が国が負ける事はないと
ダグラスは確信していた。
しかし、グランパリア王国に足を踏み入れたレイブロー軍が
民の安全を脅かす事があってはならない。
いくら国力や兵力に差があっても
民には戦う力はない。
ダグラスはそこを心配していた。
「貧乏男爵令嬢は従女になりたい」をお読みいただき
ありがとうございます♪
作者のぎゆりです(*ᴗˬᴗ)⁾⁾
ダグラスたちのように
どこでも寝られるって羨ましいです。
わたくしは、出張が多いですが
移動中の乗り物ではなかなか寝られません。
野営というとキャンプみたいな感じですかね…
キャンプ…行きたいな。




