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何故、何も言わないんだろう?


リアリスはだんだん気になり始めた。


頭を下げてお辞儀をしたままの姿勢はかなり辛い。

早く声をかけてくれないかと思っていると

やっとその上級従女は声をかけた。


「メイドのリアリスって貴方の事よね?」


よかった、やっと声をかけてくれた…


ホッとして頭を上げる。


「はい、わたしくがリアリス・ハミルトンです。」


「そう。」


その上級従女は短く返事をすると、ジトーッとした目で上から下までリアリスを値踏みする。


何だろう…すごく嫌な感じ。


しばらくジッと見られてから上級従女が言った。


「あなた、私の下につきなさい。」


「は?」


「は?じゃないわよ!私の下でお付きの従女にしてあげるって言ってるのよ!!」


何でしょう、この人。

いきなり自分の手下になれと?


「あの、どういう意味でしょうか?」


「意味って、なんなの貴方!私が誰だが知ってるでしょ?」


え?知り合いだったかしら?

よく見てみよう…

うーん…知らない。


「申し訳ありません、存じ上げません。」


リアリスがそう言うと、その上級従女は頭から湯気が出てるのでは?と思うくらい怒り出した。


「貴方、なんて失礼な人なの?私を知らないですって?」


「はい、全く。」


リアリスもちょっと面倒くさくなった来た。


「私はね、トリシア・ビルドゥークよ!」


どう?驚いたでしょ?というドヤ顔でリアリスを見ている。


「は、はい…」


「え?ちょっと!名前を聞いても何とも思わないわけ?」


「いえ、特には…」


「なんて失礼な人なの?私はビルドゥーク侯爵家の三女のトリシアよ!普通なら貴方なんかに話しかけたりしない身分なのよ?」


早く終わってほしい…

あ、そうだわ。私、従女長様に呼ばれていたんだった。

リアリスは丁度良い断る口実を見つけたので笑顔で言う。


「トリ……」


名前が出てこない。


「トリ…トリ…ナターシャ様、実は従女長様に大至急呼ばれておりまして。申し訳ございません、もう行ってもよろしいでしょうか?」


「な、なんですって!このわたくしが話しかけているのに!」


大声で話すトリシア。

それに気づいた従女達が廊下の向こうでコソコソと話している。


誰か助けてくれないかしら…

リアリスが神に祈った時、救世主が現れた。


「トリシアさん、何をなさっているの?」


現れた救世主は従女長だった。


「従女長様…いえ、あのわたくしこのメイドに用がありまして…」


従女長の出現でトリシアは明らかに焦っていた。


「リアリスさんはわたくしに呼ばれて従女塔に来ているのです。先程、貴方にもそう言ったのでは?」


「あ、え?そうでした?」


従女長はリアリスの方を見た。


「リアリスさん、参りましょう。急いでくださいね。」


リアリスはトリシアにお辞儀をして従女長の後をついて行った。


残されたトリシアは、周りでコソコソ見ていた他の従女の目線を気にしながらそそくさと去って行った。






「貧乏男爵令嬢は従女になりたい」をお読みいただき

ありがとうございます♪


作者のぎゆりです ٩( 'ω' )و



ただ今、出張中でございます。

出張中はホテルに泊まっているので

意外と執筆しやすいです。


今回の出張中も夜は頑張って執筆したいなぁと。


出張中は、みんなで食事をする事もありますが

何日も出張が続くと毎日外食は疲れます。

なので、作者はホテルの近所のスーパーに行って

食料を買い込んで部屋でゆっくりひとりご飯をする事も。

気楽でいいんですよねー。



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