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リアリスからお祖父様がビシェットの恩人だった話を一通り聞いたウォルフ。
「そうだったのか!いや、凄い偶然だ。」
「そうだよ!お前は前から店に来てたのに、全然気づかなくて悪かったな。」
ビシェットはまた涙ぐんでいる。
「と言う事はあれか?リアリスがずっとタダなら俺もタダって事??」
「ああ!もちろ…」
ビシェットが頷こうとしたと同時に、店のおかみさんがビシェットの背中を叩いた。
「あんた!この子がどれだけ食べて飲むか分かってんのかい?お嬢さんだけならまだしもこの子までタダにしたら店が潰れちまうよ!」
ビシェットは頭をかきながら落ち込んでいる。
「そうは言うけどよぉ。お前だって知ってるだろ?隊長の事。俺は隊長に恩返しがしたいんだよ。」
モゴモゴ言うビシェットを見ておかみさんが呆れている。
ビシェットは奥さんには頭が上がらないらしい。
「タダには出来ないけど、沢山サービスしてあげな。」
おかみさんは、ビシェットの気持ちをわかっているのだ。
後から聞いた話だが、ウォルフは木馬亭でお腹がはち切れる程食べさせられたらしい。
ウォルフがビシェットからお祖父様の武勇伝を聞いている時、ふとリアリスはディアの事が気になりディアを探した。
お店の中にディアの姿はない。
そして、ラッシュ団長の姿も。
一緒に来たメイド仲間に聞いたら、先程2人で店のベランダ席に移ったらしい。
ラッシュ団長様が一緒なら大丈夫。
リアリスは2人の居るベランダ席に目を向ける。
ディア、頑張って!
「最近、姿を見ないので心配していたんだが。…元気そうで安心したよ。」
ラッシュがディアに優しく声をかける。
ディアは俯いたまま答えた。
「はい…元気にしております…」
その後、しばらく沈黙が続いた。
時折、冷たい夜風ぎ吹いてくるベランダ席。
ラッシュはディアを見て、自分が羽織っていた外套を脱ぎディアの肩にかけた。
「…!!」
ディアの身体に力が入る。
すると、ディアが啜り泣き始めた。
「どうしたんだ?何か気に触ることでも。」
ラッシュはいきなり泣き出したディアを見て驚いた。
すると、ディアは泣きながら言った。
「私に優しくするのはおやめください。…優しくされてしまうと諦め切れなくなってしまいます…」
「……」
ラッシュはディアの気持ちを知っていた。
あそこまで自分に好意的にしたいる姿を見て気づかないわけがない。
しかし、そうされても嫌ではなかった自分がいる。
ウォルフに結婚の話があるのか?と聞かれた時、おそらく先日ドアの前でディアが聞いていたのは間違いないのだと確信した。
あの日を境に、ディアは全く姿を見せなくなったのだから。
ラッシュは、自分はずるいと思った。
曖昧な気持ちのまま、ディアの好意を受け取っていた自分が申し訳なかったのだった。
「貧乏男爵令嬢は従女になりたい」をお読みいただき
ありがとうございます♪
作者のぎゆりです( ⁎ᵕᴗᵕ⁎ )
バタバタしておりまして
なかなか執筆が進みませんでした。
こんな時もありますねぇ(涙)




