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「実は、もう少ししたら王都を離れる事になると思います。」


「そうなのですか?」


ダグラスはじっとリアリスを見たまま止まっている。

リアリスはどうしたのだろう?と頭を傾げるとダグラスは目を閉じてふーうと息を吐いた。


「そ、その…王都に帰還しましたら、また会いにまいります。それまでどうかお元気で。」


「は、はい!」


ダグラスは名残惜しそうな顔をしながらリアリスに礼をして去っていった。


「ダグラス様…お元気でって言っていたけど。そんなに長い間、王都を離れるのかしら。」


ダグラスを見送った後、リアリスは手に持っている包みをそっと開けると美味しそうな砂糖菓子が入っていた。


色とりどりの砂糖菓子はとても可愛くて、これをダグラスが買っている姿を想像して思わず笑顔になった。


何だかあたたかい気持ちになりながらメイド塔を目指すリアリス。


「早く部屋に帰ってディアにラッシュ団長の事を報告しなきゃ!」


リアリスが騎士団の塔から従女の塔に差し掛かろうとした時、後ろから声をかけられた。


その声に振り向くと、見覚えのある顔があった。

王宮に初めて来た日にメイド塔の庭で会った人物だった。


「久しぶりだね!リアリスちゃん!」


「あ!先日、中庭でお会いした!」


「そうだよー!覚えててくれたんだね。嬉しいよ!」


初めて会った時にも思ったが

この銀髪の男性は不思議な雰囲気を纏っている。


「あの…こちらにはまたお散歩で?」


「ん?いや、ちょっとね。仕事で近くまで来たから、リアリスちゃんに会えるかなー?と思って。」


「え?私にですか?」


「そうだよ。また会いたいなぁーって思って廊下を見たら居るんだもんね!これって運命かな?」


そう言いながら銀髪の男性はニコッと笑う。


「そうなのですか…。あ、あの…ええと、何とお呼びしたら良いでしょうか?」


「あ!そうだったね。名前言ってなかったね。僕の事は…そうだなぁ…ディって呼んで。」


「ディ様ですか?」


そう言うとディと名乗った人物は嬉しそうに頷く。


「分かりました、ディ様。改めてよろしくお願い致します。」


「嬉しいなー、王宮でこんなに可愛いメイドさんと仲良くなれるなんて。僕の周りはね、男ばっかりなんだよね。」


「そうなのですか?」


「そうなんだよ。だからね、仕事をしているとたまに息抜きしたくなるのさ。」


「ああ、それでお庭にいらっしゃるのですね?」


ディは庭にあるベンチに腰掛けて、腕を広げて深呼吸した。


「あ、あのディ様。」


「そろそろ私、戻らないといけないのです。申し訳ありませんが、お先に失礼してもよろしいでしょうか?」


「あ!そうか、ごめんね。帰る途中だったんだね、ごめんごめん!」


「こちらこそ申し訳ありません。では!」


リアリスが去ろうとした時、ディが言った。


「明日の散歩はメイド塔の庭に行くよ。もし時間があったら顔出して!」


ディは手を振ってリアリスに言った。


「はい!わかりました。仕事が忙しくなければ伺います。」


リアリスはディにお辞儀をして走って行った。

それを見送ったディは、走って行くリアリスを見て言った。


「明日も会えるだろうか。いや、会いたいな。」


これからは毎日メイド塔の庭に散歩に行こう…

そう決めたディであった。


「貧乏男爵令嬢は従女になりたい」をお読みいただき

ありがとうございます♪


作者のぎゆりです✧*。٩(ˊᗜˋ*)و✧*。




ここのところ、ちょっとバタバタしております。

更新時間がバラバラですが

ご容赦くださいませ。



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