番外編〜マイクス・ポートマン
王宮騎士団のマイクス・ポートマンです。
ポートマン侯爵家の長男に生まれて、子供の頃から次期侯爵になるべく様々な事を勉強して来ました。
でも、僕は騎士になりたかった。
子供の頃、王宮の式典に両親と行った時
式典で見た騎士に一目で心を奪われ、自分は騎士団に入るのだ!と思っていました。
しかし、現実はそんなに甘くなかったんです。
次期侯爵家の跡取りである自分が、騎士団に入って騎士になるという事はとで危険な事でした。
騎士団の主な職務は、王宮での王や王族などの護衛。
そして、王都の安全を守るのが仕事です。
王国軍とは違い、戦争に行くという機会は滅多にありません。
しかし、万が一王都に敵軍が攻め込んで来たら
身体を張って王都を守るという責務があります。
もし、そんな事態になればポートマン侯爵のは次期後継者を失うのです。
だから、僕は騎士になる事を諦めました。
しかし、ある時弟に言われたのです。
「もしも、兄さんが騎士になって死んでしまったら僕が兄さんの跡を継ぐから安心して騎士団に入ってもいいよ。」
弟は僕が騎士になりたがっているのを知っていました。
弟なりに背中を押してくれたのです。
僕は14歳の時に、思い切って両親に騎士団に入りたい!と告白しました。
するとどうでしょう!
心配していたのが馬鹿らしくなるくらい、あっさりと言われたのです。
「そうか!それなら自分の夢を追いかけなさい。だが、騎士団に入るのはそう甘くはないぞ?私の協力はないからな?自分の力で騎士団の試験に合格しなさい。」
それからは、剣術や体術の先生について訓練の日々。
それはそれは厳しい訓練でしたが、自分の夢に向かっている!という気持ちがあったので苦ではありませんでした。
16歳の時、騎士団の入団試験を受けて
実力で合格した時は天にも登る気持ちになりました。
その時に出会ったのが、僕の親友ウォルフ・ハミルトンです。
ウォルフは王都から遠く離れた場所の生まれで
男爵家の跡取りです。
しかし、ハミルトン男爵家は財政難で大変だと聞かされました。
そんな厳しい男爵家で生まれたウォルフは
僕が侯爵家の次期後継者だと知っても態度を一切変えずに、物凄く男らしく付き合ってくれました。
それまで、友とは名ばかりのポートマン侯爵家の後ろ盾欲しさに寄ってくる人間を沢山見て来たので
ウォルフのような人間に出会えたのが僕の幸運の始まりです。
騎士団に入って2年とちょっと。
ウォルフが領地から妹を連れて来ると言うのです。
以前から妹の話題はよく上がっていました。
「妹はなんでも出来るんだ。すげー奴なんだよ。」
「あいつは実家に仕送りする事しか考えてないんだよ、なんかもっと年頃の女の子らしく出来ないんだろうか。」
ウォルフが妹を可愛がっているのは明白です。
あいつが妹の話をする時、いい顔をするんです。
ウォルフが妹を王宮のメイドに推薦したと聞いた時、何故か物凄く焦りました。
自分が一番にウォルフの妹に会わなきゃ!と。
王都にやって来たウォルフの妹・リアリス嬢は
とても聡明でしっかり者で…可愛かったです…。
王宮に上がる日まで我が家で過ごしていたリアリスを
気づけばいつも目で追っていました。
ある時、使用人達の休憩室の近くを通った時
中からワイワイと声が聞こえて来ました。
「リアリス様!本当に美味しいです!」
「これ、本当に野菜の残りで作ったんですか?」
まさか…リアリス嬢が料理をしたのか?
えーい!悔しい!僕も食べたい!
リアリス嬢は使用人達にも優しくて素晴らしい女性だと思います。
その後、執事長が一人でボソッと呟いているのを聞いてしまったんです。
「マイクス様、ファイトですぞ!」
何がファイトなんだろう…。
意味が分からないけれど、執事長は僕を応援してくれてるみたいなんでとにかく頑張りたいと思います。
今日もこれから食堂に行きます。
リアリス嬢が騎士団の食堂の手伝いをしているのです。
リアリス嬢の姿を見ながら食事すると何だか落ち着くんです。
何ででしょうか?
「貧乏男爵令嬢は従女になりたい」をお読みいただき
ありがとうございます♪
作者のぎゆりですଘ(੭ˊ꒳ˋ)੭
今回の番外編はマイクスです。
マイクスは侯爵家に生まれましたが
とても心の優しい青年。
どちらかと言えば、癒し系でしょうか?
これからハミルトン男爵家の兄妹に深く関わって行くであろう人物。
リアリスへの気持ちはどうなのか?
楽しみですね♪




