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23

騎士団の食堂の手伝いもあと数日となった頃。


リアリスとディアは、休憩中の食堂の厨房にいた。


ふふん♪ふん♪ふん♪


隣ではディアが鼻歌を歌いながら、卵を混ぜていた。


「ねぇ、ディア。」


「なーに?」


「貴方、ウィルズ筆頭秘書官様が好きなんじゃなかったの?」


「ん?そうだったかしら?」


ディアは卵を混ぜる手を止めて、わざとらしく考えるふりをした。


「んー、ウィルズ様の事は嫌いじゃないし…今でも素敵とは思っているけどぉ。」


「けど?」


「今は、ラッシュ団長様が1番!」


そうなのだ。

最近、ディアはこうして空いた時間に厨房でお菓子を作っている。

このお菓子は、騎士団長のラッシュ団長への差し入れなのだ。


「リア、卵はこのくらいでいい?」


どれどれ?と卵を確認するリアリス。


「いいわよ。じゃ、そこにお砂糖と溶かしたバターね。」


「はーい!」


先日、兄のウォルフからの情報で

ラッシュ団長は大の甘党で、スイーツなどには目がないと教えてもらった。

それを聞いたディアは偶然を装ってラッシュ団長にマフィンの差し入れをしたのだ。


その時、ラッシュ団長が美味しい美味しいと食べてくれたと聞いてこう言ってしまったそうだ。


「私、お菓子作りが大好きなんです。」


ディア、貴方お菓子作ったことあったかしら?

包丁も持ったことがないんじゃなかったの?


と思ったが、乙女心というか何というか…。


「お願い!リア!私にお菓子作りを教えて!」


と泣きついて来た時、無碍には出来なかった。


元々、可愛らしいものが大好きなディアは

お休みの日に街に出掛けて、スイーツ店などをはしごしたりしたそうだ。

お菓子作りの才能があったらしく、教えればある程度出来る様になった。


王宮に来て初めてのディア。

その恋が実ってくれるのなら、リアリスも嬉しい。

かなりの年上好きという所にはかなり驚いたが

別に既婚者を狙っているという訳ではないので反対する理由もない。

上手く行ってディアが幸せになってくれるのが1番だ。


作ったクッキーの生地をオーブンに入れる。


「今回はお菓子作り上級者に見えるように、クッキーの間にクリームを挟みましょう!」


実家にいる時は、クッキーにクリームを挟むなど贅沢過ぎて出来なかったリアリス。

騎士団の料理人から残り物を使っても良いと言われているので、存分に贅沢に出来るのだ。


クッキーの焼き上がりに合わせて作っておいたクリームを乗せて、またクッキーでサンドする。


出来上がりを2人で試食してみると、甘過ぎず優しい味わいのクリームクッキーになった。


「本当に美味しい!リアリスは天才ね!」


ラッシュ団長への差し入れを可愛くラッピングしたディア。

残りのクッキーは食材を提供してくれている食堂の料理人への差し入れだ。


そして、ディアは小さな袋に詰めたクリームクッキーをリアリスに手渡す。


「これはリアの分よ。」


「え?私の分?でも、これ1人では食べきれないわ」


すると、ディアはニヤリと意味深に微笑む。


「リア〜?誰も1人で食べてとは言ってないわよ?」


ディアのニヤリ顔を見ながら頭をかしげるリアリス。


「ほら、この間の!クォーツ将軍と!」


「え?え?何、言ってるの!ディアってば!」


「うふふ。それじゃ!私は団長様の所に行ってくるわねぇ!将軍様によろしくねぇ!」


ディアは風のように素早く走り去った行った。


残されたリアリスは、残った食器を片付けながらぶつぶつと言った。


「もう、何が将軍様によろしくね〜!よ。本当に勘違いなんだから。」


リアリスは何だかスッキリしない気持ちで

ディアが置いていったクリームクッキーを1つ口に放り込んだ。




「貧乏男爵令嬢は従女になりたい」をお読みいただき

ありがとうございます♪


作者のぎゆりです◝(⑅•ᴗ•⑅)◜..°



明日から本業でしばらく出張の為

更新があまり出来ません。

毎日楽しみにしてくださっている皆様

1週間くらいで、いつもの更新に戻ると思いますので

何卒よろしくお願い致します(*ᴗˬᴗ)⁾⁾ペコ


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