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18

騎士団塔の食堂は、大人数の騎士達が一気に入れるほどのかなり大きさだった。

食中毒で閉鎖してから立ち入り禁止になっていたので

所々埃っぽい感じになっている。


明日からの再開の為、今日は全員で食堂内の大掃除。


リアリスは窓拭き用のバケツを持ち、食堂の外に出た。


「ふぅー。これはかなり大変ね。」


先程まで広場で訓練をしていた騎士達はいつのまにか居なくなり、今は静かである。


「さぁ!やりますか!」


リアリスは外にあった足台をずらして、その上に上がった。

1番上の窓にギリギリ手が届くくらいの高さだったので

少し爪先立ちした、その時だった。


バランスを崩して、ぐらっと後ろに倒れそうになる。


「きゃ!っ!」


あ!落ちる!


そう思い、その後に来る衝撃に備えて目をギュッと閉じた。


……?あれ?


リアリスは地面に落ちていない事に気づく。

そっと目を開けたリアリス。

目の前にある知らない男性の顔に驚いた。


強面の顔で鋭い目。

そして、じっとこちらを見ているのである。


リアリスは、一瞬何がどうなったか分からなかったが

今、私はこの人に横抱きにされているのだと気づいた。


「あ、あの。下ろしていただいても?」


「あっ。」


その強面の男性は、ハッとした表情で慌ててリアリスを下ろした。


リアリスは地面に立って、改めてその人物を見る。

その人物は、騎士であった。

背の高さはウォルフよりまだ高く、銀髪を短く刈り上げていた。

そして、ディア風に言えば物凄い筋肉だ。

騎士の制服の上からでもわかる。

そして、物凄く顔が怖い。


リアリスはその強面加減に一瞬ビクッとしたが

気を取り直して言った。


「危ない所を助けていただきありがとうございました。お陰で怪我をせずに済みました。」


リアリスは丁寧にお辞儀をした。


その強面の騎士は、表情筋をあまり働かせない主義のようで

細かい表情は分からないが、怒っているのではなさそうだ。


思いの外良い人なのかも?



その時、リアリスは気づいた。

強面の騎士の耳がちょっと赤くなっている。


「あら!耳が赤いですわ!もしかして、私を受け止めた時に怪我でもなさったんですか?」


あわあわしながら慌てて騎士の耳に触れようとした時


「いえ、大丈夫です。それよりお怪我がなくて良かった。」


初めて発せられた声は、低めで響きのある声だ。


「あ、はい。ありがとうございます。」


「これからは足台に乗る時はどなたか側にいると良いでしょう。では、私はこれで。」


そういうと、強面の騎士は足早に去っていく。


リアリスはその姿を見送りながら思った。


さっきより耳が赤いわ。

やっぱり私を支えた時にぶつけたのでは?

後でお兄様に聞いてお礼を言ってもらわなきゃいけないわね。


「あ、名前を聞くのを忘れたわ。」


リアリスは何となく、去って行く強面の騎士を姿をじっと見ていた。





「貧乏男爵令嬢は従女になりたい」をお読みいただき

ありがとうございます♪


作者のぎゆりです( ⁎ᵕᴗᵕ⁎ )



10月に入ってだいぶ涼しくなって来ましたね。

作者の本業は出張の多い仕事なので

季節の変わり目の出張は着るものに困ります。

はい、今もとても困っています(笑)

来週1週間の出張なので、また荷造りが大変…

今から恐ろしいです。


さて、リアリスはまた新たな人物に出会いました。

この人物との出会いがこの後どうなるか?楽しみです❤︎


リアリスのしようとしていた窓拭き。

物語の世界の窓ガラスは、私たちが知っている窓ガラスとは違います。

よく、昔の邸宅を博物館にしたような場所に行くと

こういう窓ガラスを見ますね。

窓枠も木を使っているのでとっても繊細。

窓拭きもゴシゴシガシガシとできないのです。

窓ガラスの洗剤とかもないですしねぇ。

昔の人は大変だったんですね。


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