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リアリスとウォルフが兄妹だという噂はあっという間広がった。
リアリス本人としては、もう少し落ち着いてから知れ渡る予定だったのでかなり計画が狂った。
「あなた、騎士団のウォルフ様の妹さんなんですってね?」
担当している上級従女もその事を知っていた。
しかし、その話をされたのはこれ一度きり。
もっと色々聞かれて大変かと思ったが、リアリスの予想に反して周囲は静かだった。
次の日、いつものように上級従女の食事のお世話を終えたリアリスは従女に呼び止められた。
今まであまり会話をした事のない従女だ。
「あなた、ウォルフ様の妹さんでしょ?」
黒髪を結い上げた、そばかすが印象的な従女がキラキラした目でリアリスを見ている。
リアリスよりも少し年上だろうか。
「ウォルフ様には、その、あの、今恋人とかいらっしゃるのかしら?」
「え?」
そばかすの従女は、リアリスにずいっと近づく。
「なんでもいいから!是非、ウォルフ様の事を教えて欲しいの!お願い!」
従女はリアリスの手を両手で握りしめ、ずいずいと迫ってくる。
「あ!そうだわ!これを。」
従女はリアリスの手に何やら握らせる。
手を開くとそこには綺麗な赤いピアスがあった。
「これはあなたに差し上げるわ!そのかわり、是非!わたくしをウォルフ様にご紹介してほしいの!そしたら、もっと色々差し上げるわ!ねっ!お願い!」
困ったわ…。
これって賄賂というものじゃないのかしら?
もっとって何をくださるの?
…いえ、ダメよ。
賄賂なんてもらえない。
「あの、兄の事はわたくしからは…何とも。ですので、ご紹介とかは申し訳ありません。」
リアリスは赤いピアスを従女に返すと言った。
「兄に恋人がいると言う話は聞いた事がありませんので。では、失礼します。」
リアリスはそそくさと早足でその場を去った。
それからしばらく歩いていると、また違う従女から声をかけられる。
「あなたがウォルフ様の妹さん?」
まただ。
そして、その後も何人にも声をかけられる。
表立ってはいないが、リアリスが妹であるという事で
水面下ではかなりの従女がリアリスと内緒の話をしたがっているのが分かった。
周りの目もあるので、密かにという事だろう。
その次の日も、そしてまたその次の日も。
リアリスは上級従女の担当になる決意を諦めた。
非常に働きにくいのだ。
しかし、いくら兄妹というのを隠してもいずれは知れる事。
こればかりはしょうがないのである。
「騎士団がこんなに人気があるとは知らなかったわ。」
リアリスは自室でベッドに転がりながらディアに言った。
ディアは髪を乾かしながら言う。
「それはそうよ。騎士団はね、この王宮の花形なんだから!リアが知らなすぎるのよ。」
リアリスは起き上がると、ディアの髪の毛をブラシで丁寧にとかした。
「でも、私のお兄様までとは思わなかったわ。」
「ウォルフ様はやんちゃな感じが人気があるのよねぇ。ほら、お食事もよく召し上がるし!なんて言うか母性本能をくすぐられるらしいわよ。」
「もう、やめてよ。自分のお兄様の恋愛事情とか知りたくないから。」
「うふふふ。」
ディアはリアリスの顔を見て笑った。
「貧乏男爵令嬢は従女になりたい」をお読みいただき
ありがとうございます♪
作者のぎゆりです⸜( ´ ꒳ ` )⸝
従女の婚活。
王宮に入る事は、婚活で有利に働くというのもあります。
将来、縁談と時に従女として王宮勤めしているという事は令嬢自身にはくがつくという事ですね。
しかし、いつの時代の結婚も好きな人と。という気持ちは変わりません。
騎士団は理想のお婿さんの宝庫。
貴族の令息たちが集まる集団なのです。
しかも、見目麗しい筋肉ムキムキが集まっているわけですからね(笑)
そりゃあ、従女の水面下での駆け引きは
凄いものではないかと思うのです。




