第六章 分担(2)
ベンチに座り直した後、俺はしばらく考えてから、隣にいる恋人に口を開いた。
「今日……ある女の子に気持ちを伝えられて、それから俺は、きちんと断ったんだ。」
端月は俯き、かすかな声で言った。
「その子、どう言ってきたの……?」
一部しか確認できなかったものの、端月の表情はとても強張っていた。俺は五秒ほど間を置いてから、続けて言った。
「ごめん……詳しい言い方は、端月であっても俺には話せない……でも、俺は彼女にはっきり『俺は君を恋人として接することはできない』と言ったし、『君の気持ちに応えることはできない』とも確かに言った。たぶん、そのことは彼女も最初からよく分かっていたと思う。」
端月は何度も唇を噛み締めた。夜の帳が下りた後、ここはとても静かだった。聞こえるのは、ただ川の水がゆっくりと流れる音だけだった。そして、梅雨の時期ということもあり、いつの間にか小雨まで降り始めていた。
俺はリュックから折り畳み傘を取り出し、少し彼女に近づいてから傘を開き、カチッと音を立てて柄の留め具を固定し、傘を開いた状態にした。
俺たちはまるで山の上にテントを張ったようだった。頭上の白い街灯が暗い色の傘面を照らし、素材の模様を帯びた光がわずかに透けていた。
そんなかすかな光を通して、俺は端月の横顔を見つめた。彼女は肩をすくめ、自分の両手を強く抱き締めていて、とても脆く見えた。
「後悔してる……?」
恋人の口から、かすかな声が漏れた。
──彼女を断ったことを後悔しているの?
──私と付き合ったことを後悔しているの?
彼女がいったいどちらを聞いているのか、俺には分からなかった。だから……俺は自分なりの答え方をすることにした。
「端月、俺は君を愛してる。俺が唯一後悔しているのは……俺がもっと賢くて、あの人も、そして君も傷つけない、もっといいやり方ができなかったことだけだ。」
端月は小さく笑い声を漏らした。その声を聞いていると、思わず気温まで下がったように感じた。
「本当に、そんな方法があるの……? 誰も傷つけないやり方なんて……?」
ぽすん──端月は身体を傾け、力なく俺の胸の中に倒れ込んだ。
俺は傘を持ちながら、片腕で彼女を抱き寄せた。
「君は……あまり驚いていないみたいだね。」
「うん……逐幸はクリエイターだけど……私とあの人、二人とも女だから。女同士のことには、もっと敏感だから分かるの……分かってた。彼女が最初はうまく隠していたことも……分かってた。隠しきれなくなっていったことも、そして……今日、もしかしたら完全に我慢できなくなるかもしれないことも……私が唯一分からなかったのは、私が一番愛している人が、このまま私のもとからいなくなってしまうかどうか。だって……本当に、すごくいい女の人だから。」
俺の胸元で、端月の瞳の辺りに浮かんだ熱が、俺の服へと染み込んでいった。
「仕事をしている姿はすごく格好いいし……能力も高くて、明るくて……それに、胸も私より少し大きくて、冗談を言うのも上手で……頭もよくて、ユーモアもあって……顔もすごく綺麗で、私みたいな女でさえ見ていたら、思わず好きになってしまうような人なんだもの。だったら、当然、私が一番愛している恋人も……何度も彼女に惹かれるよね……」
俺は口を固く閉じ、少し力を込めて、彼女の身体を抱き寄せた。
「彼女は最初、ただ様子を見ていただけで、そんなに本気じゃなかったはず。でも、ある人がずっと、意識しているのかしていないのか、彼女を喜ばせて……いつも優しく接していたから、どんどん深みにはまっていったんだよ……全部あなたのせいだよ……逐幸?」
端月は俺を責めた。けれど、その声は責めているようには聞こえなかった。
端月は一度笑い、俺の身体に何度か頬を擦りつけてから言った。
「全部あなたのせい……人に残酷になりきれなくて、彼女を傷つけられなかったのも、私があんなに大切にしている人を……私だけを見て、一途に想ってくれたのも……あなたが、私の好きな姿であり、同時に彼女の好きな姿でもあるから。だから、全部あなたのせい……」
端月は手で俺の服を掴み、指先を内側へ曲げて、服に皺を作った。
彼女の身体がかすかに震えたので、俺は雨傘の柄に付いた輪の紐を手首に通して、風に飛ばされないようにし、それから空いた腕で愛しい恋人を強く抱き締めた。
「うん……ごめん。全部俺のせいだ。」
俺が何をしても。自分の気持ちと正直に向き合おうとするだけで、きっと彼女を傷つける……俺が尊敬していて、同時に少し特別だと感じている、大切な友達を傷つける。
その時、端月はさらに続けた。
「でも、嬉しい……あなたが彼女を選ばずに、私を一番にしてくれて……嬉しい……目の前にあんなに優秀で、あんなに完璧な女の人がいるのに、大切なお願いを受け入れなかった……それよりも、私との絆を……続けてくれることを選んで……私のところに戻ってきてくれて……今みたいに、私を抱き締めて、腕の中に強く抱いてくれて。逐幸……私、夢を見てないよね? まさか……あなたたち、二人でこっそり付き合う約束をしていて、それでも私には、もう少しの間隠しておこうとしているんじゃないよね……?」
「絶対にそんなことはない……俺は誓える、俺には君だけだ……俺が欲しいのは君だけ……君一人がいれば、それで十分だ。他の女の人は……せいぜい大切な友達にしかなれない。でも……」
そんな考えを端月に話していいのか、俺には分からなかった。けれど、端月の体温と、脆くて優しい声が、俺に続きを話すよう促していた──
「逐幸……どうしたの? 話があるなら、今のうちに話して……私たちが話し終わったら……来週には、もっと勇気を出して……いつも通り、笑顔で彼女と向き合えるよね……? いい?」
「うん、うん……俺が言いたいのは、どうして……こんなに優秀な女の人が二人も……俺を好きになってくれるんだろう……? どうして、自分のすべてを使って、そんなに真剣に俺を好きになってくれるんだろう……? なのに、俺は一人だけにしか向き合えない……どうして、こんなことが起こるんだろう……?」
そう言っているうちに、俺の目が潤んできて、俺は堪えきれず、その小さな肩に額を押しつけ、嗚咽するような声を漏らした。
「俺なんて……こんなに普通で、性格だって最悪で……たった一人が俺を好きになってくれるだけで、俺には十分だったのに……他の人を傷つけたくない……ごめん……今の俺、またこんなにみっともなくなって……
もし俺が、もっと優れた男だったら、こんなふうに情けないことにはならなかった……ごめん、不安にさせて……それに、本当にごめん……俺はたぶん、これからも、いつも通りあの人に接すると思う……それって、彼女にとっては残酷だよな……君にとっても、きっと自分勝手だよな……ごめん……」
腕の中の端月は首を横に振った。彼女は俺の頭を撫で、子供をあやすように髪の流れに沿って手を動かし、俺に一番優しい愛を与えてくれた。
「大丈夫……だってあなたは逐幸だから……私を一番好きで、私を愛してくれている──私にとって一番大切な恋人で、相手も、私にとって大切な人だから……あなたが私から離れていかないなら……それくらい、なんでもない……それに、私も彼女と、これからも仲のいい友達でいたい……
彼女がそのせいで私を嫌いになるかは分からないけど……私は彼女が好き。日和で……自分が出会った、大切な友達だと思ってる……あなたと同じ、あなたと同じだよ、逐幸……だから、今のあなたの気持ち、私なら分かってあげられると思う……よかった……これなら、私たちで半分ずつ分け合える……これが恋人ってこと、だよね?」
端月は笑っているような、泣いているような声を漏らした。俺は強風が俺の手首から雨傘を奪おうとするのも構わず、互いに寄り添うことのできる大切な相手を、さらに強く抱き締めた。
その時──俺はまた、彼女の愛を確かめたくなった。
さっきと同じように……俺は彼女の愛に優しく包み込まれたかった……そうすれば、自分に言い聞かせ、自分がどれほど幸せなのかを思い出し、他の痛みを背負うことができる。そして……誰かの前でもう一度、笑顔を見せることができる。
「端月……」
俺は顔を上げ……上から差し込むかすかな光で、彼女の美しい瞳を見つめた。
「俺、合格だったかな……俺、君を満足させられたかな……? 君の愛は、俺にとって本当に大切なんだ……今の俺、君に……俺が本当に、君をとても、とても愛しているって……伝えてもいいかな……?」
端月は脆い微笑みを浮かべ、頬が少しずつ幸せに染まっていった。少しぎこちないけれど、俺たちの間にある空気が、俺たちの世界が、この瞬間、互いによって柔らかくなった。
「愛してる……逐幸。だから、私にも教えて……あなたがどれくらい私を愛しているのか、教えてくれる? 次に彼女に会った時、今日のことを、今のことを思い出して、私が自分を信じて、あなたを信じて……私たちを信じて、そして私たち三人の関係も信じて、それから勇気を出して、彼女に笑顔を向けられるようになるくらいまで、私を愛して。あなたには……そこまで私を愛する覚悟がある?」
俺は微笑んだ。きっとそれは、とてもみっともなくて、滑稽な笑顔だったのだろう。
「そんな覚悟なんて分からない……でも、俺は一度ごとに君をもっと愛す。一度ごとに、君を……もっと深く愛していく。そうすれば最後には、俺たちは互いから勇気をもらえると、俺は信じてる……」
「うん……じゃあ、やってみよう……?」
チュ────……
二人は互いに近づき、相手の唇を吸い合う──
両手の十本の指を絡め、互いの手を重ねる──
揺れる傘の下で、俺たちの頬と口から立ち上る温度が、俺たちを包み込む──
何度も何度も。
近づく。
キス。
キス。
キス。
離れる。
近づく。
キス。
キス。
細やかに相手を求める。
相手の存在を確かめる。
自分の鼓動と、濃密な想いで。
この愛を相手に伝える。
そして、この愛と、全力を尽くさなければ──ほんの少しも覆い隠せないほどの喪失感を。
顎から液体が滴り落ち、俺はくすぐったく感じた。
繋がっている彼女も同じように感じているようだったので、俺は少し身を離し、舌先と舌面で彼女の顎を舐め、撫で、俺たちの愛を受け止めた。
──同時に、こうして彼女を慰めてもいた……そして目の前の恋人も、同じ動作を返してくれた。俺の顎に残った濡れたところを舐めて、くすぐったさを止めてくれた。それなのに、俺の胸はくすぐったくなって、舐めることで彼女をもっと慰めたくなった。
俺の胸の中に強い愛おしさが込み上げてきた。
だから俺は、再び二人の距離を縮めた。もう一度、自分の唇と舌先、そして焦燥に灼ける熱い吐息で、彼女にこの言葉では言い尽くせない愛情を伝えながら、同時に互いの悲しみを分かち合った。




