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第二章 両端(1)

チラシに書かれていた通り、四方を山々に囲まれている。空気にも、太陽に葉が焼かれた自然の匂いが混じっている。大型駐車場から横を眺めると、淡い青色の屋根をした建物が見える。それはホテルというより、避暑山荘や民宿に近い。


俺たちはスタッフ用の腕章を身につけた先輩たちの案内に従い、建物の方向へ歩いていく。途中には芝生があり、緑が生い茂っているように見え、九月の熱風も淡い土の匂いを巻き上げていた。


今夜寝る部屋に荷物を置いた後、俺たちは列を作って、活動会館のような場所へ向かった。天井は高く、床のタイルには少し埃が付いている。周囲の窓の両側には赤いカーテンが彩りを添えており、空調もすでに入っているため、暑くは感じない。


「はい、それでは皆さん、番号順に並んでください」


案内板を持った何人かの先輩たちが前に出てきた。スチレンボードで作られた案内板には、何番から何番までという表示が貼られており、それをグループ分けの基準としている。


「どうやら私たち、同じグループには分けられなかったみたいだね」


端月(はづき)が残念そうな声を漏らし、俺もイベントグループの通知を開いて、自分の番号を何度も確認した。しかし残念ながら、端月の言う通り、俺たちは別々のグループだった。


「残念ではあるけど、たとえ違うグループでも、活動中に会うことはあるだろうし、それに終わった後も話せるから」


俺はできる限り自分の残念な気持ちと慰めの言葉をこの一言に込めた。端月は俺の表情を見て、最後には口元を曲げて頷きながら言った。


「うん、君の言う通りだね」


同じグループになれなかったことが事実なら、やはり考え方を切り替えたほうが楽しい。俺は端月にもこれからの活動を楽しんでほしいと思った。


俺は端月に手を振り、端月も上げていた手を下ろすと、ゆっくりと反対側の列へ歩いていき、並んだ。


その時、後ろから突然声が聞こえてきた──


「本当にベタベタだな」


曜光(あきみつ)が歩いてきて、距離を測った後、少し間を空けて俺の後ろにあぐらをかいて座った。


俺も前の生徒との間に少し距離を取り、ゆっくりと腰を下ろした。


「お前も同じグループだったんだな」


「どうだ、不満か?」


曜光は腕を太腿の上に置き、わざと淡々とした口調で言った。


なんだか妙に笑えてくる。


「話し相手がいて、どうして不満なんだ? それに俺は音楽の話題にもすごく興味があるし、もう少し知りたいと思っている」


「おお──? お前……そんなことを言ったからには気をつけろよ。俺は本気にして、そのままお前に付きまとって離れなくなるぞ」


曜光は口を歪めて笑い、拳で俺の背中を軽く叩いた。


えっ、何を本気にするとかしないとか? 俺はもともと音楽に興味があるんだ。それに新しい知識に触れることは、創作の素材にもできる。これも俺が人の話を聞くのが好きな理由だ。


「聞いていると、なんだかすごくまずそうだな」


俺は曜光がそこまでやらないと分かっていながら、わざとそう言った。すると彼は俺の肩を叩き、「そうそう」と言った。


「あ、お前、あそこを見ろ」


突然、曜光がそっとどこかを指差した。俺が視線を向けると、すぐに端月と目が合った。彼女は一瞬だけ視線を合わせた後、前へ顔を向けた。


きっと俺と曜光の二人のやり取りが気になったのだろう。


「それに、なんだかちょっと恥ずかしそうで……」


自分がこっそり観察していたところ、突然その行動を見られてしまったような気まずさに近い。


それに対して曜光は感心したような声を出し、「こんなのでも分かるのかよ。ただ淡々と戻したようにしか見えないけど」と言った。


まあ、半分くらいは俺の自惚れだと思うけどな。本当のところは本人にしか分からないだろう。


だが、俺も聞くつもりはなかった。


「どんな活動があるんだろうな」


俺は期待するような声を出し、曜光も「そうだな」と一言相槌を打った。


グループ分けが終わると、それぞれのグループに一枚ずつ宝の地図が渡される。この園内で任務を達成し、物語の謎を解く必要がある。そして各ステージには一人か二人の先輩が、謎解きイベントのNPCとして担当し、情報を伝える役を演じたり、ゲームの内容を説明したりする。


基本的な説明が終わるのを待った後、宝探しの活動も始まった。


第一関門は風船ゲームだった。卓球ラケットを使って風船を反対側まで運び、向こう側のグループメンバーに渡す。途中で風船を地面に落としてしまったら、最初からやり直さなければならない。俺たちは卓球ラケットを手に、突然強い風が吹かないよう祈りながら、風船を上へ打ち上げてドリブルするように運び、最終的には無事に関門をクリアした。


第二関門は暗号当てだった。何人かが一列に並び、列の最後尾から、次のメンバーの背中に指で暗号を書いて伝え、それを先頭まで伝えた後、答えを書く。時間内に終わればクリアとなる。


俺は少しくすぐったがりなので、誰かが俺の背中に暗号を書く時は、自分が大げさな反応をしてしまわないよう我慢しなければならなかった。しかし肩が揺れていたせいか、曜光には面白がられたらしく、この関門が終わった後も、わざと俺の背中に力を込めて文字を書いてきた。ただ、書く力が強くなると、逆にそれほどくすぐったくなくなる。これは俺にとって大きな発見だった。


彼の心遣いに仕返しするため、俺は水性ペンでこいつの腕に「音楽バカ」と書いた。すると彼はペンを取り、俺の手のひらに「くすぐったがりの小説家」と書いてきた……時間を見つけて、水ですぐに洗い落としたほうがいいな。端月に見られたら、俺をくすぐってみたくなるかもしれない。ん? それはそれでなんだか……いや、何でもない。


ここで第三関門にやって来た。ついに俺とこの友人が対決する時が来た。


ルールは別のグループの人と水鉄砲で対決し、先に水をかけられたほうが負けとなるものだった。それぞれのグループが順番にメンバーを一人ずつ出して挑戦する。本来ならこれだけで終わるはずだったが、二つのグループが引き分けたため、それぞれ一人の選手を選出して最終勝負を行うことになった。


そしてこの時、各グループはまず一度、グループ内で潰し合いを行うことになった。最後まで生き残った者が代表となり、もう一つのグループと対戦する。


曜光は、いかにも運動神経が良さそうな印象に違わず、実際に驚くような動きで次々と他の仲間を倒していった。ここでフィールドに残ったのは俺と彼の二人だけだった。


先輩が笛を吹いた後、俺たちは互いに対峙した。曜光はリボルバー(水鉄砲)を持ち、俺も同じ武器を持っている。きっと勝負は一瞬で決まるだろう。


「悪いな。逐幸(つぐゆき)。他の奴らはもっと面倒な方法で倒せるけど、お前相手なら、そんなことをする必要はない」


彼は身を低くし、今にも飛びかかろうとしている獣のように、俺の一挙一動を目で追っている。俺も軽く腰を落とした姿勢のまま答えた。


「──そんなことは、勝ってから言えよ」


人と互いに対決するような場面はほとんどないため、俺の闘志はかなり高まっていた。よし、最終的にグループが勝てるかどうかはともかく、まずはこいつに勝ってやる。俺たち二人は、一度試合に出れば本気になる性格だから、手加減などあり得ない。


そしてその時、曜光は視線を逸らし、警戒を緩めて驚いたような声を上げた。


「あ、繋 端月(つなぎ はづき)、お前たちのグループもこの関門に来たのか?」


それが嘘なのは間違いなかったが、俺はそれでも思わずそちらへ目を向けてしまった──


それと同時に、バシャバシャッ──! 水がそのまま俺の頬に命中した。


く、くそ! こいつ……卑怯な真似をしやがった!


その方向に本当に他の人がいないことを確認して、俺は騙されていたことに気づいた。


「ははは、これが兵は詭道なりってやつだ! それに俺、お前には普通の方法では相手にしないって言っただろ」


「それは全然ヒントになってないだろ──?」


俺が地面に尻をつくと、曜光が歩いてきて、俺に手を差し出した。俺は二秒ほど彼を見つめ、最後には手を伸ばした。すると彼は俺の身体を力強く引き上げた。


「もう一勝くらいしてくれてもいいだろ?」と俺は言った。


「分かった、俺に任せろ。お前の遺志を背負って、あいつらを倒してくる」


曜光は口を大きく歪めて、そう答えた。


結果として、彼はその後、本当に勝った。ルール上、ゲームに参加した二つのグループはどちらもクリアのヒントをもらえるのだが、この勝利によって、俺たちのグループは追加の小さな景品を手に入れた。あいつ、本当に格好いい奴だな。


「この景品、お前にやるよ。俺はこういうものにあまり興味がない。それに、俺が卑怯な真似をしたお詫びってことで」


「え? いいのか?」


「お前がもらってくれよ。彼女と二人で遊べるだろ」


曜光が熱心に譲ろうとするので、彼はその小さな景品を俺の手に押し込んだ。


「ありがとう」


俺がお礼を言うと、彼は手を振り、早く隊列に追いついて次の関門へ向かうよう促した。


俺はその小さな景品を大切に持ち物袋へしまい、足早に後を追った。


清水がかかった服は、午後の太陽に照らされて、少しだけ暖かく感じられた。





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