第二章 両端(6)
頭上を柔らかな灯りが照らすようになって、ようやく俺の思考は眠りから目覚めたかのようにゆっくりと回復していった。
……端月の頬から血の気が失われ、目尻にはまだ一筋の涙が浮かんでいて、俺たちの身体は抑えきれないほど震えていた。
だが、俺を嬉しくさせたのは、彼女が確かにまだ俺の腕の中にいることだった。
俺たちははぐれていなかった。この活動を終えるまで、ずっと一緒にいた。
「ああ……ごめん! 俺たち、ちょっと盛り上がりすぎちゃったみたいだ。いつの間にか、みんな本気を出しちゃってさ。き、君たち……大丈夫か?」
活動の司会を務めていた先輩は、俺と端月のあまりにも怯えた様子を見て申し訳なさそうな表情を浮かべ、さらに活動用のペットボトルの水を俺たちに差し出した。
そのとき、後ろから声が聞こえてきた──
「君たちの誰か、携帯落としてたよ。俺が拾っておいた。」
思わず振り返ると、通路の陰から現れたのは、先ほど白い服を着ていた女の幽霊だった。彼女の顔は、ひどい火傷を負ったかのようにでこぼこしていた。
──!
「おい! お前、まだメイク落としてないじゃないか! こんなの怖すぎるだろ。早く自分の巣に戻れ!」
先輩が大声で叫んでいたが、俺はもう完全に麻痺してしまったような感覚だったので、声を上げることはなかった。
腕の中を見ると、怯えた表情を浮かべる端月の姿が目に飛び込んできた。なぜこのときの俺が落ち着いて「もう大丈夫だ」と慰める声を出せたのか、自分でも分からなかった。
……俺たち二人は、本当に怖い思いをしたのだ。
「君たちは、まずここで少し休んでいなよ。ある程度回復したら、あっちの芝生まで行ってくれ。もう焚き火を用意してあるから、そこでみんなで火を囲んで踊る予定なんだ。もし本当に部屋に戻って休みたいなら、道端にいる先輩を適当に捕まえて声をかけてくれ。部屋まで連れていってもらえるから。」
俺と端月は今、軒のある廊下の両側に設置された長椅子に並んで座っていた。
廊下から外を見ると、山々に囲まれた漆黒の夜空が見え、遠くには山荘の建物の縁から漏れる橙色の明かりが見える。俺たちをここまで連れてきてくれた司会の先輩はそう言い終えると、先ほどの活動場所の片付けに戻っていった。
長椅子の空いた場所には、活動用のカップ入りの水が二つと、先輩や先輩たちがこっそりと差し入れてくれた慰問用のお菓子が何袋か置かれていた。
俺はカップに付属していたストローを容器に差し込み、それを端月の前へ差し出した。彼女は小さな声で礼を言ってから、カップを受け取った。
「まだ怖いか?」
俺はひとまず頭の中に浮かんでいた恐ろしい光景を消し去り、柔らかな声で尋ねた。
端月は答えず、ぱたっと身体を俺に預けてきた。
「じゃあ、話でもしようか。気を紛らわせられるかもしれない。」
端月は小さく頷き、後頭部の黒髪がわずかに揺れた。
だが、彼女の様子を見る限り、今はまともに話せるような状態でもなさそうだった。もう少し時間が必要なのかもしれない。
俺が独り言を続けるという選択肢もあったが、ふと思いついたことがあり、それを実行することにした。
俺はポケットからある物を取り出し、プラスチック製の蓋を回して開けると、続いて蓋の内側にある構造へそっと息を吹きかけた──
まるで魔法の杖を持っているかのように、蓋の下から金魚すくいの網のような、中央に隙間の空いた構造が伸び、その中央から色とりどりのシャボン玉が一つ、また一つと前へ飛び出してきた。湿気を含んだ山間の空気の中を漂っていく。
「それは……?」
端月は思わずシャボン玉へ手を伸ばしたが、それを割ってしまうのが怖いかのように、触れる直前で少しだけ距離を残した。
「これは水鉄砲のアトラクションで、俺たちの組が勝ち取った小さな景品だ。曜光は自分がズルをして俺に勝ったって言ってたし、それに、この景品にはあまり興味がなかったみたいでさ。自分の分を俺にくれて、一緒に遊べるって言ってた。どうだ、遊ぶか?」
端月の目に少しだけ元気が戻ったようで、「遊ぶ」と言ってから、おずおずと俺の手にあるシャボン玉の容器と蓋を受け取った。俺ももう一つのシャボン玉の容器を取り出し、二人でゆっくりと大きさの異なるシャボン玉を吹き出していく。
まるで呼応するかのように、建物の反対側、焚き火の近くからもいくつかのシャボン玉がぽつぽつと飛んできた。それらはまるで興奮した子供たちのように、静かな夜の中で小さな冒険を始めていた。
「綺麗……」
そう言いながら、端月は蓋の下縁をシャボン玉の容器へ浸し、中の石鹸水を付ける。そして桜色の唇をわずかに尖らせ、円の中央にある隙間へそっと息を吹きかけた。
まるで自分が大切にしている植物を心を込めて育てるように、小さなシャボン玉は彼女から空気を注ぎ込まれてゆっくりと膨らみ、より大きなシャボン玉となって、自らが成長した場所から離れていく。そして柔らかな風に乗り、前方の虚空へと進んでいった。
「私たちの組はあの競技であっさり負けちゃったけど、二人で一緒に遊べるのは蒼くんのおかげだね……こう言ったら、嫉妬する?」
端月は視線を動かし、俺と目を合わせた。これもまた、とても難しい質問だった。俺はしばらく考え、最後に答えた。
「自分を助けてくれた友達に、どうして嫉妬するんだ? でも、今は俺が君を抱きしめてもいいか?」
俺の答えを聞いた端月の顔に、可憐な花のような笑顔がゆっくりと咲いた。彼女は答えず、顔を横へ向けて、さらに大きなシャボン玉を吹き出した。
「さっき。」
俺が自分の蓋を持ち上げたとき、端月の声が聞こえてきた。
「すごく強く抱きしめてた……」
端月は身体をわずかに揺らし、続けて言った。
「だから、今は少し休ませてください。そうじゃないと、私、耐えられなくなっちゃうかもしれない。」
何かを隠すかのように、彼女は大きなシャボン玉をそのまま押し出し、再び石鹸水を付けてから、新しいシャボン玉を吹き始めた。
俺は思わず苦笑した。だが、その気持ちは理解できる。彼女のその言葉によって、先ほど感じた腕の中の温もりを思い出し、俺も密かに恥ずかしくなった。
「どうして、俺を誘うために先輩たちに頼んだんだ?」
「ん? さっき言っただろ。端月と一緒に遊びたかったんだ。」
──だって、君を寂しい思いにさせてしまったから。俺は心の中でそう付け加えた。
端月はシャボン玉の蓋を容器に被せ、首を横に振ってから続けた。
「そういうことじゃないの。私が聞きたいのは、どうしてあなたが分かったの……あのとき、私が嫌な気持ちになっていたこと。」
ああ、そういうことだったのか。俺は彼女が聞きたいことを少し理解した。だが、この質問にはもっと前に答えていたはずだった。
「ずっと君を見てきたからだ。高校の頃から、ずっと君を見つめてきた。だから……君の様子を見て、何かおかしいと思ったんだ。それで、自分が同じ状況に遭ったら、どんな気持ちになるんだろうって逆に考えてみた。そして……俺はそれで苦しくなった。百パーセント理解しているとは言えないけど、自分の恋人が誰かと腕を組んでいるのを見たら、やっぱり嫌な気持ちになるんだろうなって。ごめん。」
先輩たちの活動を手伝っていたからだということも考えられる。だが、これは理屈の問題ではなく、大切な人がどう感じるかという問題なのだ。
俺は思わず俯き、端月が答える前に続けて言った。
「家の事情の影響もあるけど、俺は創作者だから。俺みたいな人間は、自分自身を分析したり、身近な人たちを分析したりすることに慣れている。俺はずっと、そんな自分を少し変だと思っていた。他人から見たら、こんなの気持ち悪いはずだって……
だって、これは勝手に人を思考の材料にしているのと同じだから。でも、もしこの習慣と能力を使って、少しでも君の気持ちを分担できて、そして埋め合わせることで、物事を取り返しのつく方向へ進められるのなら、この習慣も、そんなに変なものじゃないのかもしれないって──」
「逐幸。」
端月が突然俺の名前を呼んだ。まるで、そんなことを言うのを止めるかのように。
彼女はシャボン玉の容器を置き、両手で俺の頬を包み込むと、美しい瞳で俺を見つめた。
「試胆活動は本当に怖かったし、もしかしたら今夜はそのせいで悪夢を見るかもしれない。でも──私は、楽しかった。」
端月は視線を落とし、つい先ほどまで経験していた時間を思い出しているかのようだった。
なぜだか、俺はすぐに反応することができず、ただ静かに彼女を待った。そして端月が再び口を開いた。
「逐幸のおかげで、私はこんな楽しい時間を過ごすことができたの。嫌な気持ちを、楽しい思い出で上書きすることができた。だから……もう、自分のことを気持ち悪いと思わせるようなことを言わないで。そんな習慣や特質があるからこそ、逐幸は逐幸なんだよ。人の気持ちを理解してくれて、優しくて……格好良くて、それに、すごく人をドキドキさせる逐幸。」
端月は顔を上げて俺の両目を見つめ、声を大きくして言った。
「あなたが創作者として持っている特質や習慣も含めて、全部、私が一番好きなところなの。あなたが勝手に、私の大好きなところを否定するのを見たくない。だって、私はあなたが一番好きだから。あなた自身であっても、私が一番好きな人の悪口を、そんなふうに言うことは許さないんだから。」
「……」
真っ直ぐな視線に、俺は思わず目を逸らしたくなった。それでも、そうするのが惜しかった。そのとき、視界が徐々にぼやけていき、今聞いているこの言葉すべてが夢の中で起きているかのようだった。
「泣かないで……ね? これは、そんなに、大したことじゃないんでしょう?」
端月の笑顔を浮かべた姿は、光の屈折によって少し歪んで見えた。それでも、心の底から眩しいと思わせるものだった。
温かな液体が頬を伝って流れ落ちる。俺は声を抑えながら、ゆっくりと言った。
「俺はずっと、創作だけが俺の居場所だと思っていた……だって、この場所でだけ、俺は、心から安心することができるから。誰かが、自分に、こんなことを言ってくれるなんて、思ったこともなかった……急に、どうすればいいのか分からなくなって……俺……本当に、この言葉を受け取っていいのか?」
端月はそっと指で俺の頬の涙を拭い、少し首を傾げて言った。
「まだ受け入れられないのなら、ゆっくりでいいよ。私たちは恋人なんだから、この時間くらい、あなたと一緒にいたい。二人で幸せになろう。」
そう言って、端月はゆっくりと目を閉じた──
「さっき、少し休ませてって言ってなかったか?」
俺は場違いにもそんなことを口にした。その言葉には、温かな笑みと少しのからかいが混じっていた。
「今は、もう大丈夫……私は、喜んで。」
目を閉じた恋人がそっと言った。その口調はとても穏やかだったが、その言葉の奥に潜む恥じらいを感じさせた。
俺はゆっくりと前へ……二人の距離がゼロになるまで近づいた。
痺れ。
柔らかさ。
甘さ。
温もり。
異なる感触が二人の呼吸の間を漂い、俺は手を彼女の背中へ回し、強く抱きしめた。端月もそれに応えるように、ゆっくりと俺を抱きしめる力を強めていった。
周囲の草木が風に揺られ、枝葉が擦れ合う音も、林の中に潜む虫たちの鳴き声も、まるで薄められるかのように遠くへ退いていった。
どれほどの時間が経ったのか分からない。俺たちはゆっくりと距離を取った。
二人とも息を切らし、顔を赤らめ、頭もまるでオーバーロードしたかのように、気を失ってしまいそうなほど熱くなっていた。
唇がわずかに震える……いや、唇や顔の筋肉だけではない。互いを抱きしめている身体さえも、抑えきれないほど震えていた。
──もう一度、いい?
耳元でかすかにこの声が聞こえた。まるで柔らかな白い薄絹を一枚隔てた向こうから聞こえてくるかのようだった。
この言葉に誰も答えることはなく、二人はただ再び近づき、互いに触れ合った。
──ん……ん…………
潤んだ瞳が離れるときに開き、その後また羽毛のようにそっと閉じられた。
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小さく精緻な耳は紅色に染まり、わずかに上を向いたまつ毛もとても愛らしい。
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細い眉が上へ引かれることで浮かび上がった上まぶたの弧は、あまりにも美しかった。
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温かな息が口の中で交わされ、互いの心に響く共鳴となっていく。
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まるで夜空の下で暗号を交わすかのように、俺たちは何度も互いの存在を確かめ合った。
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