30話 武闘会、その10
「本日最後の試合試合、全8チームの頂点に立つのはどちらなのか。一回戦、準決勝と見ごたえのある試合を展開してくれたチームアルファルドか、はたまた魔王を倒すべく召喚された勇者一行か、この一戦を見逃すな‼」
「両者出揃いました。試合…開始」
~~~~~~~~~~~~
今回は最初から聖具を展開する。タルフ曰く最後は全力で行けだそうだ。
魔力を加速、飛び出す。結界を両断、中の剣聖に止められる。速いですけど、私よりは遅いですね
後ろへ引き、上段右からの剣と見せかけ直前で手を離し一回転して、横っ腹へ蹴り込む。壁際まで吹き飛ばされる
勇者パーティー近接の要はこいつだ、こいつを離せば近接主体の私たちのチームは優位になる。
次に狙うのは結界の防御と治癒を行う聖女。一瞬遅れた賢者が周囲を埋め尽くすような、魔法を放つ。この時は撤退ではなく敵陣へ突っ込む、自分の仲間を攻撃するような魔法は使わない筈だ。
勇者の固有スキルが発動、空から龍が落ちてくる。味方ごと巻き込む、いや味方には効かないと見るのが近いか。私は撤退を選択、後ろ向きに跳ぶ。背後から剣聖が攻撃に入る。
ズバッ
タルフの剣が背後の剣聖を肩から横腹まで袈裟斬りにする。この兄弟は揃いも揃って姿を消す魔道具を使うな。剣聖の方の生命力もすごい、心臓も肺も真っ二つなのにまだ生きている。
ここで、聖女の消滅する光、全て剣の腹に当てて弾く。弾いた光が聖女の肩を貫く。その光を目眩ましに賢者の魔法、勇者が突っ込む。片手で魔法で切り、もう片方の手で勇者の剣を受け止める。
ガキッ
少し押された風に後ろへ下がる。勇者は追撃と一歩踏み込む。
ドンッ
地雷が発動。こういうところでこれが生きる、2本の剣で横凪に斬る、聖剣で受け止められる。
剣聖の魔力が弱くなってきている、そろそろ力尽きるか。賢者の魔法も弱まる、向こうにはタルフと残りの二人が向かっている、3人の迎撃へリソースがさかれているのだろう
勇者が一歩後ろへ下がると、何かをブツブツ言っている。好機、投げナイフを使い、剣を前へ持ってこさせ、軽く前方から近づき、直前で全速力で後ろへ回る、いける
「俺は、勇者だ…」
そう、一言呟くと金色に光る魔力が勇者の体から放出される、その勢いはとても強く、足場にしていた空中の魔力が強制的に散らされ消される。
勇者の、爆発やこれまでの攻撃でついた細かい傷が癒えていく。まだ気を失っているようだが、近くにいた剣聖も体が繋がり血色も良くなる。
勇者が剣を振ると、3匹の狼が現れる。その狼は聖女や賢者のもとへ助けに行くようだ。勇者本人はこちらへゆっくりと歩いてくる。
「参る…」
そう、一言言うと、姿が消える。
ギャリン
金属と金属が擦れる音。正確に首を狙ってくれたお陰で上へ逸らせた、残りの剣を横凪に振る。浅い、表面で弾かれた。薄く斬れた肌と服も直ぐに再生する。
横向きに蹴られる。腕で受けるが、骨が折れた。そのまま横へ飛ばされる
ガチャン
「聖錠」
後からの詠唱か…魔力でできた鎖が拘束する。
「チームアルファルド戦闘不能により、優勝は勇者パーティー」
それを聞いた直後勇者の魔力が消え、鼻から血を出しぶっ倒れた。
後から聞いた話だが向こうも、狼相手に攻撃が通らないが向こうからの攻撃は通るという理不尽を押し付けられ負けたらしい。
優勝チームは表彰があるが、2位以下は無いので、そのまま客席の方へ戻る。次アル様にあったら問い詰めなければ
~~~~~~~~~~~~
その日の夜
「やぁ、よく誘導してくれたね、タルフ君」
「ボスの言った通りにしただけですよ」
「コル君に日常で全力を出させるのは至難の技だからね、こういうときに調べておかないと」
「本音は?」
「聖具の所持者が全力で闘っているところを見たいけど、最初から全力だと途中がつまんなくなる」
「はぁ…」
「ま、まぁとにかくこれでコル君の専用武器の制作ができるんだ、いいじゃないか」
「それもそうですかね」
「そうそう、タルフ君にも作るから安心してね」
「こんな寄り道している暇はあるんですか?」
「楽しみがない人生ほど悲しいことは無いよ。私の経験則だ。で、マリー勧誘はどうなったんだい?」
「あと三年あるじゃないですか」
「それもそうだ。あぁそうそう、オリエンス君居るでしょ、今度君の直属にする人」
「えぇ」
「次竜山に行くときはその子も連れて行ってね」
「また、面倒なことを…」
「なら、仕方ないかぁ、オリエンス君に任せる予定だったダンジョン捜索もタルフ君に…」
「喜んでお受けします」
「じゃ、頼んだよ」
一体誰なんでしょうかね
明後日からはサブストーリーの方を書きます。完結まで行くかも?
明後日から四回分は2日ごと朝7時に更新します




