136話 最新型
「うわー、やっぱりデカいな」
「ですね、ヴァルドの学者団が作った最新型ですので」
僕たちは軍の親ばかを目撃してから屋敷のはずれの倉庫に来ていた。
ここには今回の物資輸送でヴァルドから運ばれてきたある物が保管されている。
「初めて見ました」
フォルトさんが興味深そうに言う。
「これが殿下が作った攻城兵器ですか」
「うん、まあの最新型は僕が設計した原型がわからなくなるくらいに改良されてるけどね。大きさも前に実戦投入した量産型よりの3倍だし」
そう、トレビュシェットだ。
クルヴァ攻略戦の時に投入したのを最後にあれから実戦に投入されてないが、ヴァルドの学者たちはもう改良した最新型を完成形まで持ってきた。
そして第一に運ばれてきたのが王国との前線ではなく僕の所ということらしい。
回転部と土台が分解されていて倉庫に収まるように小さくなっているがそれでも巨大さが見て取れる。
「てゆうかなんでこれがここに運ばれてきたの!」
「いざとなればこれで皇宮を吹き飛ばして帰ってきてくださいという手紙が設計図と共についてました」
「はあ、、、」
どうやら北部に親ばかがいないところなどないらしい。
「、、、まあいいや。とりあえず設計図と担当技術官を呼んで」
「もう呼んであります」
「仕事が早いね」
「ありがとうございます」
そう言ってリールは設計図を渡してきた。
「では説明をお願いします」
「はっ!」
待機していた技術官が説明を始める。
「このトレビュシェットは殿下が設計したもともとの量産型の骨格をそのままに各種仕組みの効率化と巨大化を行いました」
確かに量産型と比べ物にならないほどデカい。
横に置いてある弾も量産型の数倍はある。
「まず、骨格の大きさは見ての通り3倍で回転部の遠心力を伝える棒は5倍の長さになっています。しかし弊害もありまして土台をご覧いただければわかると思いますが勢いに耐えるために鉄の杭で地面に固定する必要があります。そのため量産型に比べて取り回しは悪いかと、現在その部分の簡素化・最適化にヴァルドで取り組んでいるところです」
「確かに地面に固定するのは時間がかかるし戦場での柔軟性が損なわれてしまうから頑張ってほしいね」
戦場ではこの巨大兵器も奇襲されるかもしれない。
もしもの時は技術保護という点でもすぐにばらして移動・回収、最悪の場合は敵の手に落ちる前に破壊しなければならない。
まあ先生達のことだし多分もう解決するための設計はできてるでしょ。
「次に弾の装填・回転部の引き戻しに関する仕組みは歯車や滑車を大量に使ってなるべく早く打ち出だせるようにしました」
「でも無駄に回すハンドルが大きいようだけど」
「はい、実験の結果この大きさの兵器を装填するのには人間の筋力では不十分と判断しました。一応人間でも大量投入すれば装填可能ですが戦場での運用を考えれば牛などの動物にハンドルを押させた方が効率的です」
「想定してる動物は軍馬?」
「いいえ、農業用の牛を想定しています」
「牛か、、、それだと行軍速度に影響が出るな」
牛が動かすとなると牛の速度に行軍速度を合わせなければならなくなる。
そうなると全速力で走って城を包囲しトレビュシェットで壁を壊してる間に休憩、その後一瞬で城内を制圧という前に考えていた戦術が使えなくなるな。
「まあこの最新型は量産型で、威力不足な城を壊すように作られておりますので」
「まあまだ試作型だし実戦での大量運用を考えるのはまだ先か。説明ありがとう。学者団に期待してると伝えて」
「了解しました。殿下もご武運を」
僕たちは技術官に礼を言って倉庫を後にした。
いずれあの兵器が南部の町を破壊して回る光景を頭の片隅で想像しながら。
ものすごく遅れました。
申し訳ありません。
ここから投稿計画のお知らせになるのですが最近プライベートが忙しくなってきており執筆に時間を割けない日々が続いております。
しかし1話1話が短いことも考えて投稿頻度の低下はさせたくないと思っております。
そこで急ながら書き溜めのために1か月ちょっと投稿をお休みさせていただきます。
その間に空いた時間を使って書き溜める予定です。
投稿の再開は恐らく8月13日日曜日になると思います。
もし変更があればその都度お知らせさせていただきます。
とても急で勝手ですが全力で書きますのでしばしお待ちいただけると幸いです。
では8月にまたお会いしましょう。
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