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115話 宣戦布告



「両殿下、優勝者が来られました」


 僕達2人に第一皇子専属のメイドが言った。


「私は是非自分の騎士をねぎらいたいですが殿下は?」

「優勝したのだ。話を顔を見るのが礼儀だろう」


 第一皇子は不服そうに言った。

 リールが優勝して本選が終わった。

 大会の最後を飾る第一皇子選抜騎士と優勝者の戦いはもうすぐ始まるが合間を縫ってリールがきてくれたのだ。


ガチャッ


 ドアが開きさっき戦っていた時と同じ完全武装のまま入ってきた。

 

ガシャッ!


「フォーク家のリール、両殿下の前に」


 リールがひざまずいて参上したことを報告した。


「すごかったよ。さすがリール」

「ありがとうございます。しかし苦戦もしませんでしたのでお褒めいただくことでもありません。」


 リールが第一皇子を煽るように言う。


「次は選抜騎士戦だね」

「はい、今大会初めての複数戦なので楽しみです。必ずや勝利を殿下と北部に」


 リールは僕の方を見て言った。

 第一皇子選抜騎士と戦うのだ。

 さすがに第一皇子に勝利は捧げられない。

 まあリールも捧げる気などもともとないだろうが。


「では私はこれで、第一皇子殿下には次ここに来るときにご挨拶させていただきます」


 「次ここに来るとき」、それはつまり第一皇子の騎士を倒してまたここに来るということだ。

 リールも煽りまくる。


「、、、それはないとは思うが君のような者がいたことは覚えておこう」


 第一皇子は今にもブちぎれそうな感じだ。

 少し見ていて面白い。


「では」


ガチャンッ


 リールは堂々と出て行った。

 第一皇子はプライドを傷つけられて結構ご立腹だ。

 

「、、、とても勇気のある騎士だな。ああいうのは蛮勇とも言う」


 第一皇子は苦し紛れに皮肉にもならない皮肉を言ってきた。

 

「自慢の騎士です。相棒であり今ではまさに姉のような存在ですね」


 第一皇子のイラつきは僕の言葉を聞いて更に増した。

 肉親であり皇族である自分たちを差し置いてこの場においては一騎士のリールを姉と言ったのだ。

 僕に一かけらも家族としても感情を持っていなくてもむかつきはするだろう。


「くッ!」




ーーーーーーーーーーーーーーーーー




「次はどこに行けばいいんだっけ?」


 私はさっき合流した部下の副指揮官と一緒に選手用の廊下を歩いていた。

 

「待て」


 次の待機室に向かっていると南部式の鎧を着た男に呼び止められた。

 取り巻きだろう10人ほどに囲まれている。


「何でしょうか?」

「リール・フォン・フォークだな?」

「はい」

「単刀直入に言う。死にたくなければ次の選抜隊戦を棄権しろ」

「それは本当に単刀直入ですね。ここまで気を使えない人は初めて見ましたよ」

「次の試合でお前に勝ち目は最初から用意されていない。どんなに強くても人ひとりには限界がある」

「ほぉ、、、あなた達が選抜騎士ですね」


ガチャッ


 私に正体を見破られて一瞬剣に手を添えた者がいた。


「断ります。殿下の名誉がかかっているので。あとそこの10人全員でかかってくるつもりなのでしょうが私の中で雑兵は戦力に含まれませんので」


 私は選抜騎士たちにこの場で宣戦布告した。


次回投稿は日曜日です。


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