114話 決着
ガシャンッ!
彼女は少し距離を取った後またものすごい勢いで突撃して権を振り下ろしてきた。
何とか剣を顔の前に出してそれを受け止められたが次もできるかどうかわからない。
しかも彼女はこっちに攻撃の隙も与えてくれない。
「あなたは殿下の関係者に当たるので予選のように殺したりはしません。殺さない程度で出せる最大限の力は出しますのであしからず」
今までの攻撃が殺意なしだと、、、
まあ薄々気づいてはいた。
彼女と対等に戦うには完全に実力不足だ。
「わかりました。しかしこちらは殺すつもりで行きます!」
「その意気です」
私は地面を蹴って走り始めた。
私の基本戦術とは外れるがこのまま待っていてもいつかあっちの攻撃が通って1撃も加えることなく負けてしまう。
ならば戦術を捨ててでもせめて1撃加える!
カチャッ
私は彼女に走っていく途中で兜を脱ぎ肩の鎧を外した。
脛あてと胴体鎧しかない状態にした。
機動力でも鎧の装甲でもあっちが比べ物にならないほど格上なのは一目瞭然だ。
相手に装甲で劣っていると判明した時点でこのまま重くて派手な鎧を着ていても動きにくいだけだ。
最低限の部分だけ残して機動力を少しでも上げるしかない。
「はあッ!」
彼女が剣を上段で構えて待つ少し手前で姿勢を低くして剣の刃先を横向きにした。
彼女が上段で待っているならば下から足を狙う!
この1撃に全戦力を!
「はッ!!!」
私はこれまでの人生で一番の力を込めて剣を振った。
間違いなくこれまでで一番早い剣撃が繰り出された。
ビュンッ
風を切り大きな風を切る音がフィールドに鳴り響いた。
あと少し、あと少しで剣先が彼女の脛あてに到達する!
ドカッ!!
次の瞬間背中への大きな衝撃と共に私は地面にたたきつけられた。
激痛だ。
恐らく背骨が何本か粉々になっているだろう。
「間に合わな、、、、かった、、、」
叩きつけられてしばらくして状況がつかめた。
私の剣が到達する前に彼女は剣の柄で私を地面に叩きつけたのだ。
ザッザッ
彼女は地面に倒れこむ私に近づいて剣先を向けた。
これは、、、、
「完全に、、、私の負けですね」
私は最後の力を振り絞りそう言うと全身の力を抜いた。
「お世辞にも強いとはいいがたいですが主君に対する忠誠と愛だけは誰にも負けていないことを確認できました。これからは友としてお互い世話になりますね」
「そう言ってくれるとうれしいです」
私はこの戦いで自分が弱いと自覚した。
周辺諸国で勝ち上がりある程度の実力があると思ってる私がばかだった。
「勝者!リール・フォン・フォーク!本選優勝者!リール・フォン・フォーク!」
私は司会が決着を宣言する中意識を失った。
次回投稿は金曜日になります。
2週連続開いてしまってすいません。
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