113話 見定め
トーズ視点
「始めまして。リール嬢、バーレル公国主席騎士のトーズと申します。北部軍の副司令官様と手合わせすることができうれしいです」
私は最大限の礼節をもってリール嬢にそう言った。
相手は女でも世界最大の軍を動かす司令官の一人だ。
しかもハンナも手練れだと言っていた。
私の戦いをずっと見てきたうえでそう言うのなら私より実力が上なのかもしれない。
「品位ある挨拶ありがとうございます。北部軍近衛隊隊長・北部総合司令部副最高司令官を務めていますリール・フォン・フォークです、、、」
彼女は私のことを見て言った。
「お互いの主君に恥じぬ戦いをしましょう」
そう言われ確信した。
彼女は強い。
主君という言葉を堂々と語った。
それから彼女の一挙手一投足が洗練されたように見えた。
「両者!準備をお願いします!」
司会が言った。
私は兜をかぶって剣を抜いた。
ずっと愛用してきた片手剣だ。
鎧は国内の貴族から無理やり派手なのを押し付けられたがこれだけはいつもの感覚だ。
「あなたの礼節に応じて手加減はしません。いいですね?」
彼女は言った。
彼女は幼年から本物の戦場で戦ってきたらしい。
やはりオーラがどんどん強くなっている。
「はい、よろしくお願いいたします」
ガシャッ!
彼女は真っ黒の北部と家の紋章が入った兜をかぶった。
全身を全て厚いプレートで覆うという今大会1の超重装備をしているが重そうな雰囲気は全く感じられない。
「両者構え!」
司会が観客席にも聞こえる様に大きな声で言った。
決勝ということもあり会場の盛り上がりは最高潮だ。
スーッ
1回大きな深呼吸をして強者との戦いに備えた。
「決勝!開始!」
司会が言うと私はその場に構えて彼女の攻撃を待った。
これは私の基本戦術だ。
瞬発的な運動能力が高いことを生かして相手が迫ってきたところで避けて後ろを取るのだ。
これで公国と周辺諸国では敵なしだった。
「これで少しは戦えるだr、、、、」
ガシャンッ!!!
「ハッ!」
一瞬何が起きたのかわからなかった。
さっきまでフィールドの反対側にいた彼女がもう自分の剣に触れている。
まずい!
ザッ!
とっさに後ろの飛んだ。
「何が起こった!?」
混乱している心を少しでも落ち着かせる。
その後彼女が私から距離を取る姿が目に入った。
今までの試合で見て来た速度も以上に高かったが今のはその比じゃない。
人間のなせる業ではないと思うほど速かった。
しかもそれを超重装備でやってのけるのだ。
「異常だ、、、」
私は数秒唖然とした。
次回投稿は日曜日になります。
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